新5GHz帯とは何か?
11aを語るうえで外せないのが、「新5GHz帯」というキーワードだ。「新」というぐらいなので、当然「旧」もある。両者の違いは、利用可能なチャネルの番号だ。
旧11aでは、隣接する周波数帯域を別の用途に使っていたという、日本国内の電波事情に合わせて、34/38/42/46チャネルが利用可能だった。ところが欧米では、そこから2チャネルぶんずれた36/40/44/48チャネルが標準的に使われていた。
そこで、世界標準に合わせるために、10MHzぶんのチャネル移動が行なわれた。それが新11aである。これらを区別しやすくするため、旧11aを「J52」、新11aを「W52」と名付けた。
このチャネル移動と同時に行なわれたのが、5.3GHz帯(通称「W53」)の解放だ。こちらは52/56/60/64チャネルが割り当てられており、従来の4チャネルに加えて合計8チャネルが利用可能になった(図3)。
ただ、W52もW53も屋外では利用できないという点では変わらなかった。この状況は、2007年の1月に電波法関係法令が改正され、新たに5.6GHz帯(W56)が解放されることで改善された。W56で利用可能なチャネル数は11で、こちらは屋外でも利用可能である。
チャネルに余裕があるのは、無線LANを構築するうえで大きなメリットである。今後の無線LANは、特にチャネルを束ねる11nなどでは、5GHz帯を使って構築されることになるだろう。
ここまで見てきた規格は代表的なもので、これら以外にも表1のように標準化あるいは審議中のものがある。興味があれば、IEEE802.11のオフィシャルサイトにアクセスしてみてほしい。
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