このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

無線LANのすべて 第2回

記号に隠された意味とは

数ある無線LAN規格を総ざらいしよう

2009年09月10日 06時00分更新

文● 鈴本薫平

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

新5GHz帯とは何か?

 11aを語るうえで外せないのが、「新5GHz帯」というキーワードだ。「新」というぐらいなので、当然「旧」もある。両者の違いは、利用可能なチャネルの番号だ。

 旧11aでは、隣接する周波数帯域を別の用途に使っていたという、日本国内の電波事情に合わせて、34/38/42/46チャネルが利用可能だった。ところが欧米では、そこから2チャネルぶんずれた36/40/44/48チャネルが標準的に使われていた。

 そこで、世界標準に合わせるために、10MHzぶんのチャネル移動が行なわれた。それが新11aである。これらを区別しやすくするため、旧11aを「J52」、新11aを「W52」と名付けた。

 このチャネル移動と同時に行なわれたのが、5.3GHz帯(通称「W53」)の解放だ。こちらは52/56/60/64チャネルが割り当てられており、従来の4チャネルに加えて合計8チャネルが利用可能になった(図3)。

図3 J52からW52/53に移行したチャネル配置

 ただ、W52もW53も屋外では利用できないという点では変わらなかった。この状況は、2007年の1月に電波法関係法令が改正され、新たに5.6GHz帯(W56)が解放されることで改善された。W56で利用可能なチャネル数は11で、こちらは屋外でも利用可能である。

 チャネルに余裕があるのは、無線LANを構築するうえで大きなメリットである。今後の無線LANは、特にチャネルを束ねる11nなどでは、5GHz帯を使って構築されることになるだろう。

 ここまで見てきた規格は代表的なもので、これら以外にも表1のように標準化あるいは審議中のものがある。興味があれば、IEEE802.11のオフィシャルサイトにアクセスしてみてほしい。

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事