無線リソースの管理を最適化するk
無線LANの「管理」に注目して標準化作業を進めているのが、IEEE802.11k(以下11k)だ。
無線LANに収容するクライアントの台数が多くなると、アクセスポイントも増設しなければならない。ただそうなると、無線LANエリアの設計に関連する作業、たとえばセル※2のサイズを調整するなどの手間が階乗的に複雑になる。そこで、一般的な企業向けの無線LANソリューションでは、アクセスポイントと無線LANスイッチを組み合わせて、細かい制御を無線LANスイッチ側で行なう方法が採られている。
※3 あるアクセスポイントを中心として、そこからの電波が到達する範囲のこと。隣接するセルを異なるチャネルにしたり、セルが重なる範囲が大きくならないように電波の出力を調整するなど、無線LANの設計には面倒な点が多い。
ただこの仕組みでは、アクセスポイントと無線LANスイッチのメーカーをすべて統一しなければならない。そこで、マルチベンダー環境でも同じことができるように、TGkが立ち上げられたのだ。
TGkの発足は2002年のことだが、ここにきてようやく規格の標準化作業もほぼ最終段階に入っているようで、遅くとも年内に策定されそうな感じだ。
実測100Mbps超えを目指すn
11a/gのおかげで、「無線LANは遅い」というイメージはひと段落したが、有線LANにギガビット化の兆しが見え始めると、そうもいっていられなくなった。そこで、2002年の5月にHTSG(High Throuput Study Group)が立ち上がり、2003年9月にTGに昇格した。これが11nの始まりである。
(次ページ、「新5GHz帯とは何か?」に続く)
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