ロゴではなく全身でブランドを主張
地球上に存在する多くの「ブランド」共通の特長は、そのカンパニーロゴやアイコンを見るだけで、どこの商品か誰でも把握できることだ。
日本人には特に親しみのあるフランスのルイ・ヴィトンがその代表だろう。同社の頭文字である「L」と「V」の文字を組み合わせたロゴタイプは、「モノグラム」と呼ばれている。モノグラムは一般名詞でもあるが、ヴィトン独自の「LV」を敷き詰めたデザイン柄を指す言葉としても有名だ。
基本的にブランドには、そうした専用ロゴがあるほうが人々に広く認知されやすいだろう。しかし、世の中にはいろんな種類の消費者がいて、あからさまにブランドロゴを露出させた商品を望まない消費者もいる。奥ゆかしい日本人には、そんな人も多いだろう。
国内の腕時計市場でも、その傾向が顕著だ。日本人男性は、一生に一度だからと、清水の舞台から飛んだ気になって、ロレックスの「デイトナ」を買う人も少なくない。そのときによく選ばれるのは、高級さが前面に出ているゴールドモデルではなく、より標準価格が安いステンレス製モデルだという。
どうもゴールドは「金持ちぶってる嫌みな感じ」が恥ずかしいらしい。国内では、本来は安いはずのステンレスモデルがゴールドモデルよりも高値で売られるという珍現象も普通に起こっている。この傾向は、関西より明らかに関東が強く、世代交代が起こっても、そのDNAは簡単には変化しないようだ。
自己満足のためにブランドは欲しいが、露骨にそれを出したくはない──。そんな日本人のブランド感覚にピッタリなのが、イタリア、ボッテガ・ベネタのブリーフケースだ。
「戦略的衝動買い」とは?
そもそも「衝動買い」という行動に「戦略」があるとは思えないが、多くの場合、人は衝動買いの理由を後付けで探す必要性に迫られることも多い。
それは時に同居人に対する論理的な言い訳探しだったり、自分自身に対する説得工作であることもある。このコラムでは、筆者が思わず買ってしまったピンからキリまでの商品を読者の方々にご紹介し、読者の早まった行動を抑制したり、時には火に油を注ぐ結果になれば幸いである。
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