都庁前iPhoneクラブ 第9回

都庁前iPhoneクラブ・新OS 3.0は堕落だっ！の巻

結局、iPhoneの魅力って何なのよ？

「世の中を動かすのは金だ！」「君は出家したほうがいい」と激論に挟まれて困る「ゆるふわ族」のカリーさん

シルバー：いやぁ、それでもApp Storeは、なんだかんだ言ってもスゴいと思う。儲けの3割をアップルが取っているけど、それでも元からMac系をやっていた開発者に利益を確保したというのがデカい。

　アップルの開発環境って、NEXTSTEPからきたObjective-Cで、環境自体は素晴らしいんですが、結局、金にならない言語だったので普及しなかった。iPhoneを出したことで、アップルはその状況を変えて金を生み出すプラットフォームにしたという。Macで出したタイトルの2次流用でも3億円売り上げたというパズルゲームもある。

ゴールド：うーん。「コンピューターはどうなるか？」「OSはどうなるか？」というスケールで見ると、App Storeというのはとても次元の低い話だよね。それはソフトの流通というかつてのソフトバンクの商売の領域で、産業分野の中では限定された範囲の話になるでしょ。

　「iPhoneのソフトでひと山当てたヤツがいる」という話を聞くと、なんだか株で儲けている「ジェイコム男」をうれしそうに人に説明している大学生みたいに見えるのですよね。この話に共通しているのは、個人のパワーが何かの拍子にドデカイことになるんじなゃいかというマンガ的な欲求に即している部分がある。そんなに儲かるんだったら、黙って自分で書けというか。

シルバー：でも、極端な話、学生だって儲けられるというプラットフォームを提供してくれたのはデカいですよ。

ゴールド：それはアプリレベルの話じゃん。iPhoneの魅力は、もっと大きなOSレベルのよさだと思うんだよね。話がアプリのほうにいくと、僕は、ちょっと寂しい気分になるのですよ。貧乏っぽいというか。

カリー：なんか高尚過ぎます（笑）。

ゴールド：いや、ここでハッキリしておくべきポイントだと思いますけどね。例えば、「セカイカメラ」ってiPhoneアプリの発表会も行ったことがある（関連記事）。

　最初、ある人に電話でその機能の説明を聞いたときに、「四海カメラ」だと聞き違えたんです。「四海」という言葉は、別に4つの海という意味ではなくて、「世界中」という意味があるんです。中国古典の壺中天的な妄想的世界から入ったんだとしたら、これは、なかなか話を聞いてみたいアプリが出てきたなと思ったら、「四海カメラ」ではなく「セカイカメラ」だった（笑）。ちょっと普通ですよね。

セカイカメラ

ゴールド：まあ、でも「こんなことができたら楽しい」というのは素晴らしいことですよね。私は、iPhoneやiPhoneアプリで盛り上がって論じている人たちも大好きだし、そのこと自体は前向きなことなんです。それが、なぜか「お金」の話になるのはどうなんですか？

シルバー：Mac系のプログラマーは喜んでいるんですよ。iPhoneアプリを作れば、お金がちゃんと入ってくる世界がやってきた。これがずっと続くとは思いませんが、開発しててよかったという人が増えた事実を見て、やっぱり「世の中を動かしているのは金」と実感した。そこですよ。

ゴールド：君は「出家」（しゅっけ）した方がいい（笑）。

ジョブズ後、アップルという組織はどうなる!?

シルバー：そういえば先ほど、ソ連の末期状態という話が出てたけど、その話はあながち嘘でもないと思います。ソ連って「KGB」「党本部」「軍」のうち、2つの後押しがないと全体を掌握できないそうですよ。まぁ、マンガ「ゴルゴ13」で読んだ知識ですが。

カリー：ゴルゴって（笑）。

シルバー：今、アップルで言えば、スティーブ・ジョブズは全部掌握しているわけです。COOのティモシー・クックや、ワールドワイドプロダクトマーケティング担当上級副社長のフィリップ・シラーでは、ジョブズと同じくらいの支持を得るのは難しいのではないか。

　そんな状態でもしCEOが交代になったら組織が盤石じゃなくなる。すごくカリスマ的な書記長がいないと「連邦」を束ねるのは難しいんですよ。

※というわけで特別記念対談はここにて終了！　「あれ、カリーさん発言してなくね!?」とかそういう突っ込みはナシのことよ。次回は元の「ゆるふわ」メンバーでiPhone 3G S購入をレポートする予定だ！

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