Mac Proと言えば、シルエットが美しく、肉厚なアルミボディが印象的なデスクトップ型Macだ。普段Windowsを使っているユーザーの中にも筐体に「憧れ」を持っている人もいるだろう。
残念ながらWindows PCでは、ここまで凝ったデザインの筐体は見かけない。最近ではゲーマー向けと称して凝ったデザインのPCケースは増えているが、Mac Proと比べると一歩も二歩も及ばないのは、実物を見れば一目瞭然である。
ということで、普段Windows系自作PC記事を担当している筆者に白羽の矢が立った。本記事では「じゃあ、いっそのことMac Proを買ってしまえばいいんじゃない?」という趣旨で、Mac Proを「自作er」(ジサッカー)的な視点でレビューしていこう。
35万という価格は、そんなに高くない?
Windows一徹で、Macのトレンドをまったく追っていない人なら、「そもそもMac ProにWindows入れて動くの?」という疑問を持つかも知れない。
数年前、Macの頭脳がモトローラ(IBM)からインテルに変わったことで、すでにMacはWindowsマシンとしても使えるようになっている。「Boot Camp」というユーティテリィが標準で付属しており、Windows XPまたはVistaのインストールディスクさえ用意すれば、Mac Proをハイエンドな自作PC、いやWindows PCとして使うことができるのだ。
Mac Proを自作PCユーザーが使う意味は、手軽かつ比較的安価にデュアルCPUとなるXeonプラットフォームを手に入れられるところにある。Mac Proのスペックについては後述するが、自作PCでMac Proと同等のスペックを実現しようとすると……
パーツ名 | 価格 | |
---|---|---|
CPU | Xeon E5520 | 2個で11万円 |
マザーボード | Supermicro X8DAH+-F | 8万円 |
メモリー | 1GB×6枚 | 1万6000円 |
ビデオ | GeForce 9500 GT | 1万円 |
HDD | 640GB | 9000円 |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ | 5000円 |
電源 | 1000W電源 | 3万円 |
ケース | アルミ製 | 3万円 |
最低これくらいの投資は必要となり、この時点で合計29万円だ。
しかし実際は、Mac Proの標準構成に含まれる要素を追加すると、軽く30万円を超えてしまうだろう。具体的には、アルミ製のキーボード「Apple Keyboard」やマウス「Mighty Mouse」(ともに6400円)、Bluetooth 2.1対応のモジュール、IEEE1394b(FireWire800)対応カードといったパーツだ。Mac ProのApple Store価格は35万8800円だが、送料無料ということを考えると、決して高くない。
何より、このデザインのPCケースは市場で手に入らない。肉厚なアルミ板をここまで贅沢に使用しているPCケースは、Mac Proを買う以外、入手する方法はないのだ。