前回はAndroidがスマートフォンの開発を主眼に置いた、携帯電話のプラットフォームであることを説明するとともに、スマートフォンでの代表格であるiPhoneとの比較を行なった。今回はスマートフォン向けのプラットフォームにはiPhone以外にどのようなものがあるか、まず紹介しよう。
これからの携帯電話はスマートフォンへ
主要なプラットフォームは4つ
スマートフォンの世界的な状況をみると、現在製品に採用されている主要なものは、Symbian OS、Windows Mobile、iPhone OSとAndroidの4つに絞られる。
マイクロソフトのWindows Mobileは、今でこそ一般的になったが、かつて携帯電話業界はマイクロソフトの参入に危機感を抱いていた。SymbianはWindows Mobileへの対抗から、ヨーロッパ圏の企業が中心で作られたコンソーシアムだった。こうした背景があるためかSymbian OSはグラフィックス部分を定義しておらず、メーカーがこれを付加してプラットフォームとする。
このため、同じSymbian OSを採用していてもメーカー間でユーザーアプリケーションの互換性がない。現在シンビアン社はノキアの子会社となっており、スマートフォンとしてはノキアのS60というプラットフォームを採用した機種がほとんどだ。
スマートフォン用のプラットフォーム
ノキア S60 | Windows Mobile | iPhone | Android | |
---|---|---|---|---|
OS | Symbian OS | WindowsCE | iPhone OS | Linux |
SDK | 無料 | 無料 | 有料 | 無料 |
開発ツール | 有償(VisualStudio) | |||
インストール | 署名が必要 | 自由 | Storeからのみ | 自由 |
アプリ形式 | ネイティブ | ネイティブ/CLR | ネイティブ | Java(独自VM) |
主要メーカー | ノキア | 多数 | アップルのみ | HTCなど |

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