日本にもSymbian OS搭載端末はあるが
それはスマートフォンではない
スマートフォンでは、その上で動作するソフトウェアの数が魅力につながり、より多くの開発者を引きつけたほうが有利になる。そこで自社開発の技術にこだわるよりも、より多くのメーカーやネットワーク事業者に採用されるものを用いるのが一般的だ。
一方、日本では通常の携帯電話がスマートフォン以上の機能を持ち、メーカーはソフトウェア開発にコストをかけてきた。たとえばNTTドコモが中心となって開発された、LinuxやSymbian OS上で動く、MOAP(Mobile Oriented Applications Platform)というプラットフォームが存在するが、基本的には日本国内向けのみである。
またMOAP上では、Javaのソフトウェア(いわゆるiアプリ)以外はインストールはできない。このようにこれまでの日本の携帯電話は、ユーザーが自由にアプリケーションをインストールすることはできないのは当たり前だった。
しかし、携帯電話が普及しきった現在、残る法人向け市場や新しいサービスを作り上げていく上で、ユーザーやサードパーティが自由にアプリを開発し、インストールできるスマートフォンが必要となってきた。
Androidは、こうした中で4番目のプラットフォームとして登場した。すでにソフトバンクモバイルがiPhoneを導入し、国内の全ネットワーク事業者がWindows Mobile端末をラインナップに加えている。NTTドコモがAndroidを扱うのは、Android自体が持つ魅力というのも理由だろうが、他社とは違うスマートフォンのプラットフォームをいち早く扱い、差別点にするためだと考えられる。
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