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UTM-1+IPシリーズで最強のアプライアンス登場か?

チェック・ポイントとの統合でNokia IPシリーズは?

2009年05月01日 04時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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セキュリティ対策製品のベンダーであるチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ(以下、チェック・ポイント)は、4月にノキアのセキュリティ・アプライアンス事業の買収を完了させた。Nokia IPシリーズはどうなるのか? チェック・ポイント「UTM-1」との関係は? 統合後のアプライアンス戦略をひもとく。

実績の高いNokia IPシリーズの部隊と合流

 ノキアのIPシリーズは、1990年代後半にノキアが買収したイプシロンネットワークスの部隊がメインで開発したセキュリティアプライアンス。1997年よりェック・ポイントのファイアウォール・VPNアプライアンスのプラットフォームとして市場に投入され、セキュアOS「IPSO」とチェック・ポイントの「VPN-1」を組み合わせることで、高機能とハイパフォーマンスを両立した製品として、高い人気を誇った。近年では、複数のセキュリティ機能を統合したUTMアプライアンスとしてより機能を強化させていた。

ノキアのNokia IPシリーズ

 こうしたノキアのセキュリティ・アプライアンス事業をチェック・ポイントが買収することを発表したのは、2008年の12月。その背景には携帯電話事業への集中というノキア側の事情があるのは想像に難くない。また、チェック・ポイントとしても、既存のNokia IPシリーズのユーザーを継続してサポートする必要があるため、独立よりも統合のほうがよいと判断したようだ。その後、4月13日に買収を完了させ、各国のオフィスも統合されつつあるという。「日本オフィスにもノキアの部隊が合流し、すでにビジネスを展開しています。また、顧客やサポートのデータベースも統合されているので、Nokia IPシリーズも今まで通り安心してお使いいただけます」(セキュリティ・コンサルティング本部長 卯城大士氏)と太鼓判を押す。

2つのアプライアンスはどう統合される?

 こうして、Nokia IPシリーズはチェック・ポイントの製品ラインナップに加えられたわけだが、ソフトウェア中心だった1990年代と異なり、現在のチェック・ポイントは自前でアプライアンスを提供している。現在の代表製品はご存じ「UTM-1」「Power-1」である。

中規模向けのUTM-1 3070

 Nokia IPシリーズの売りであった幅広いラインナップに追いつくように、UTM-1も多くの製品ラインナップを揃えている。そのため、現在では「どのレンジでも、ノキアとチェックポイントの製品が併存している状態です。とはいえ、両者で異なる点はあります。Nokia IPシリーズはネットワークインターフェイス単位での交換が可能ですが、UTM-1はハードウェア障害の場合、筐体まるごと交換になります。また、UTM-1に搭載されているメールセキュリティの機能はNokia IPシリーズでは動作しません」というのが現状だ。これは同じソフトウェアながらも、動作するOSがノキアとチェック・ポイントで異なるという事情が存在するからだという。とはいえ、従来のノキア製品は今後チェック・ポイントの代理店から購入でき、価格や製品名の変更も予定されていない。

チェック・ポイントのUTM-1とノキアのNokia IPシリーズはどのレンジでも製品が存在する(チェック・ポイントの資料より抜粋)

 では、こうした幅広いラインナップは今後どうなっていくのだろうか? まず近々ではバンドルモデルが登場するという。以前のNokia IPシリーズはハードウェアだけ購入し、ライセンスが別売という形態であった。しかし、今後はライセンス込みのバンドルモデルという販売形態が登場し、より導入しやすくなる。そして次の段階では、両者で異なっていたOSを統合した新しいセキュアOSの開発に乗り出すことになりそうだ。

チェック・ポイントのWebサイトにはノキア製品の今後に関する日本語FAQも掲載されている

 ハードウェアに強いNokia IPシリーズの部隊と、名前の通りソフトウェアを中心にセキュリティ市場をリードしてきたチェック・ポイント。両者の合流により、将来的により進化したセキュリティソリューションが登場するのは間違いない。その1つの方向性を示すのが、UTMの機能を足したり引いたりすることで柔軟に調整できる「ソフトウェアブレード」と呼ばれる概念である。これに関しては回を改めて解説していく。

 なお、チェック・ポイントでは、Nokiaアプライアンスの統合についての今後をテーマとしたセミナーも予定しているという。

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