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遠藤諭の「0(ゼロ)グラム」へようこそ

メディア・ポールに触る

2009年04月21日 10時00分更新

文● 遠藤諭/アスキー総合研究所

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遠藤諭の「0(ゼロ)グラム」へようこそは、毎週火曜日、アスキー総合研究所のウェブサイトで更新されます

江南大通り沿いに、まるで街路樹のように立ち並ぶ、高さ約12メートルの「メディア・ポール」。

 1999年頃、ウェブ事情を調べていると韓国に行き当たることがよくあった。そこで、旅行で訪れたこともなかった韓国に、取材ではじめて出かけた。当時の韓国は、ネット利用ではいくつかの部分で明らかに米国より進んでいた。すでにストリーミングも盛んで、Web2.0に通じる議論もさかんに行なわれていた。

 アスキー総研が4月9日に開催した「コミュニケーション・デザインの未来」トークセッションの第1回で、濱野智史氏も紹介していた「DC INSIDE」の取材も楽しかった。大統領選挙にも影響を与えたといわれるデジカメサイト(!)だが、写真投稿の評価システムや、ビジネスを成り立たせている共同購入も説得力があった(社長のキム・ユシク氏はいまいろいろと大変らしいのだが)。

 ここ4~5年ほど韓国には出かけていなかったが、今回たまたま訪問の機会があって、ソウルに来ている。以前の韓国取材で何度もお世話になった、プロレスラーでモバイル系ライターで動画系CP経営者のKさんとも再会。そうしたら、「エンドウさん、江南(カンナム)にぜひ出かけてみてくださいよ」と言われた。

 なぜ江南かというと、代表的な目抜きどおりである江南大通り沿いに、ソウル市と江南区が共同で「メディア・ポール」と呼ばれる柱状のデジタルサイネージを設置したからだ。今年3月に竣工したばかりのこのメディア・ポールは、単なるディスプレイ装置ではない。歩道側の大型タッチスクリーンでは、さまざまな対話形アプリケーションが提供されているという。


デジタルサイネージを本気で考えると、
あらゆる画面の“裏側”が気になってくる

 「デジタルサイネージ」は、いま最も注目される社会インフラのひとつといえる。屋外用の大型ディスプレイの単価が下がったこともあるが、カメラなどのセンサ技術との連携や、ネットワークとの接続性が向上したことで、「動くビルボード」の領域を大きく超えはじめている。

 この分野の利用スタイルがまだ発展過程であることは、JR東日本の「トレインチャンネル」が物語っていると思う。ドアの上の2つのディスプレイの使い分け(1つは運行情報で1つは広告)、電車が駅に止まっている間に無線でコンテンツの入れ替えを行なうなど、1つ1つのトピックが新しい。

 それだけに、アプリケーションの開発は知恵の絞りどころになりそうだ。いまのところ、これがコンテンツ配信のプラットフォームなのか、情報端末として有効なのかは、誰にも判然としていない。そのように考えはじめると、映画館やテレビや携帯やHMDまで、正体の判然としない「ただの画面」のようにも思えてくる。むしろ、裏側の配信のルールやメカニズムやエコノミクスが問題になってくるのだろう。

よりパブリックな環境を > として並べてみた。もっとも、こうして同列に並べると、どのメディアも同じようなものに見えてくる。

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