このページの本文へ

【アキバ・キーマンインタビュー No.8】アキバでもっとも危ないお店!? 話題の武具専門店「武器屋~Blade Works」の代表・磯野氏を直撃!

2007年01月05日 09時42分更新

文● 大森徹哉

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

武器から世界がわかる

武器

――武器の一番の魅力はなんですか?
【磯野】 国と人の癖が出るところですかね。

――国と人の癖? それはどういうことですか?
【磯野】 なんでこういう形になるのか、なんでこうなるのかというのが国によって全部違うんです。

――例えば、日本でいうと?
【磯野】 日本刀はある意味すごく美しいですよね。完成された刀ではあります。でも、全然実戦向きじゃないんですよ。人を斬るのにこんなに難しい道具はないんです。これで人を斬ろうと思っても、斬れるようになるまで3、4年かかりますよ。

――本当ですか? なぜですか?
【磯野】 剃刀と同レベルだからです。すごく難しい刃物なんです。重量がないから、ナタのように落とせないんですよ。だから、技を磨かなければならないんです。西洋の刀は重量があるのがほとんどなので、ナタのように使えるんです。

――力任せで?
【磯野】 力で押し付けるんです。考え方が根本的に違うわけです。西洋の中でも国ごとに癖があります。

――日本刀はそういう意味では、作るほうも職人の技があって、使うほうも技が必要なんですね。他の国でも特徴がありますか?
【磯野】 そうですね、ロシアのサーベルなんかですと、首を切り落とすというのが基本にあるので、すごく刀が回りやすくなっているんですよ。

――結構、重いんですか?
【磯野】 どうぞ、持ってください。

――うわ、結構重いですね。
【磯野】 ナタのように落とすんですよ。中国はもっとすごいですよ。これは本物から型を取ったんですけど、こんな感じですね(中国の剣を手に取る)。

刀
――中国っぽい形ですね。
【磯野】 これはよく、国共内戦ときの写真で見ますよね。

――これも力任せに使うんですか?
【磯野】 これも重量もんです。兵隊に刀を持たせる場合は重量ものを持たせる必要が出てくるわけです。ナタのようにすれば誰でも人を斬れる。なぜ日本はそういう刀が江戸時代になかったかというと、侍しか刀が必要でなかったからですよ。

――戦う相手がお互い刀だからということですかね?
【磯野】 そうです。戦争をするための道具じゃないからです。

――何の道具と考えたらいいんですかね?
【磯野】 喧嘩になったときの道具です。だから幕末の頃の侍はほとんど拳銃持っていますからね。

――ドイツのは細身ですね?
【磯野】 騎兵用のゴツイのもありますけど、式典用になってしまったんですよね。最後には。

――このフランベルジュという刀は?
【磯野】 簡単に説明をすると、手を切るときにカッターとノコギリでどっちが酷いことになるかってことですよ。カッターのほうが圧倒的に治りが早いですよね。ただ傷が開くだけなのですぐにくっつきますから。ところがノコギリだと傷口がグチャグチャになって、治らないんですよ。残酷な兵器なんです。

――それをわかってこういう形に……?
【磯野】 そうです。人間って残酷ですよ。

――そういうこともわかるわけですね?
【磯野】 そうです。武器から見える世界なんです。



甲冑の購入者には着て闘う人もいる!?

鎧

――防具もたくさん種類がありますね。
【磯野】 時代ごとに癖があります。見てると進化もわかりますよ。最初、こういう形だったのがこういう形になって、でも使い勝手が悪いからこれだけになりましたとか。

――これは素材も昔のままなんですか?
【磯野】 そうです、鉄です。

――見ているだけで面白いですね。あ、これが甲冑ですね?
【磯野】 そうですね。

――甲冑はやはり撮影用で購入されるわけですかか?
【磯野】 いや、個人で買っている人が多いですね(笑)。

――え、個人で甲冑買うんですか?
【磯野】 撮影の場合だと逆に、貸してくれないかというのが多いですね。

――そうなんですか?個人で買うんですか?何に使うんですかね?
【磯野】 飾っている人もいれば、着ている人もいますね。

――着る人もいるんですか? 着てどうするんですかね?着るだけなんですかね?
【磯野】 いや、着て闘っている人もいますよ(笑)。

――闘っている人もいるんですか?
【磯野】 いや、これ本当の話ですよ。殴り合いをしている人たちがいます。まあ、そういうスポーツなんですけどね。

――それはまた楽しそうですね。
【磯野】 そうですね。

足軽
――あ、足軽のセットもあるんですね。
【磯野】 足軽のセットは売れないからメーカーがやらないんですよ。でも、我々からすると必要なんですよ。だって、武将がいっぱいいても仕方ないんですよ。足軽がいっぱいいたほうが面白いですよ。

――あれは何ですか?
【磯野】 『ジャックスパロウフリントロック』というアメリカで売っている銃です。映画『パイレーツオブカリビアン』の主人公が使っていた銃のレプリカです。

――ジョニー・デップが使っていた?
【磯野】 そうです。刀もありますよ。

――携帯食料とかもあるんですね。これ“ほしにく”って書いてありますけど、ビーフジャーキーじゃないですか!
【磯野】 ビーフジャーキーってほしにくじゃないですか、違います?
――まあ、確かに。干した肉ですよね……。(次ページへ続く)



ジャックスパロウフリントロック ほしにく

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

ASCII.jpメール アキバマガジン

クルマ情報byASCII

ピックアップ