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Adobe Photoshop Elements 5.0/Corel Paint Shop Pro Photo XI

Adobe Photoshop Elements 5.0/Corel Paint Shop Pro Photo XI

2006年11月29日 11時30分更新

文● 伊藤 裕也

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■逆光やハレーションなど典型的な失敗写真をデジタル補正で回復!
■case1.露出ミス

 代表的な失敗写真のひとつが、撮ってみたら被写体となる人物の顔やモノが暗すぎた、あるいは逆に被写体となる人物やモノが白く“飛んで”しまった。あるいは全体的に暗い、または明るく白っぽくなってしまった――といった露出のミスだろう。最近のデジタルカメラに搭載されているAE(自動露出制御)は大変賢くなっているものの、撮影する状況によってはAEが最適な露出を決定できないこともある。完全に黒く潰れていたり逆に白く飛んでいて陰影情報が失われているようではさすがにお手上げだが、このような失敗写真の多くはシャドウハイライトコントラストの調整によって十分に印刷や鑑賞に耐えるレベルへと修正が可能である。

強い逆光で人物が黒くつぶれてしまった失敗【失敗例1】 浜辺で写した写真。写真手前側の浜辺が暗すぎて、人物などのディテールが分からなくなっている。


Photoshop Elements 5.0のアイコン

 Photoshop Elements 5.0を使った場合。クイック補正モードで修正したい画像ファイルを読み込むとワークスペース中央にその写真が表示されるので、暗すぎる部分を明るくしたければウィンドウ右の項目から“シャドウを明るく”、逆に明るすぎる部分を暗くしたければ“ハイライトを暗く”という項目で調整する。明暗の差が激し過ぎる、あるいは逆に明暗に差がなくて全体にメリハリがない写真になってしまった、という場合には“中間調のコントラスト”を変更すればよい。これらのパラメーターは読み込んだ画像にリアルタイムで反映されるうえ、加工前のオリジナル映像を並べて表示できるので、加工前と加工後の比較も簡単に行なえる。このように操作はわかりやすく直感的で、難しそうに思われる高度な画像処理も快適に実行できるようになっている。



Photoshop Elements 5.0で修正したところ
【修正例】 ウィンドウ右にある“ライティング”からシャドウを引き上げているところ。ウィンドウ左の画像がオリジナルで、右はパラメータ変更後だ。たったこれだけの操作で、暗すぎてよくわからない部分をしっかりと確認できるようになった。



Paint Shop Pro Photo XIのアイコン

 次にPaint Shop Pro Photo XIの場合。明るさの補正処理は“スマート補正”機能から実行するのが簡単だ。スマート補正の呼び出しはラーニングセンターのトップメニューから“調整する”→“スマート修正”と、2回クリックすれば呼び出せる。



ラーニングセンターの“調整する”画面 スマート修整を選択
スマート補正機能の呼び出しは“ラーニングセンター”から行なうと簡単だ。

 スマート修正機能を使うと、まずPaint Shop Pro Photo XI自身が輝度やカラーの調整を自動で行ない、続けてそれらのパラメータをユーザー自身で微調整できる。つまり、全自動ではなくセミオートの補正機能だ。

スマート補正機能の画面
スマート補正機能。明るさの補正はシャドウ・ハイライトのみを狙って行なえるのはもちろん、写真全体を明るく、あるいは暗くすることも可能だ。暗すぎる写真も“シャドウ”を調整すればこのとおり。

 スマート修正機能のウィンドウでは、変更前・変更後のプレビューに加え、明るさの調整や彩度・フォーカスといった設定項目が表示される。暗すぎる部分を明るくしたい場合には“シャドウ”をプラスに、明るすぎる部分を暗くしたい場合は“ハイライト”をマイナスに指定する。この設定変更はリアルタイムに反映され、その作業は加工前のオリジナル画像との比較しつつ行なえる。また、ウィンドウの“詳細”オプションをオンにした場合にはヒストグラム(輝度分布)の表示なども可能だ。

スマート補正機能の詳細メニュー
【修正例】 スマート補正機能の詳細にマークするとヒストグラムを表示可能だ。ヒストグラムを参考にすると、調整作業がより厳密に行なえる。

 ツールのウィンドウ内におけるプレビュー画面の大きさがツールウィンドウの大きさに依存しており、ユーザーが自由にその大きさを変更できないのはやや扱いにくく感じたものの、細かい調整までこの“スマート補正”ひとつで対応できるため、初心者にも使いやすくお勧めだ。

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