再生時にも活躍する“顔キレイナビ”
カバーをスライドさせての電源ON/OFFを始め、クイックな操作感などスナップカメラとしては使い勝手は非常によい。顔キレイナビに関しても、上位モデルF31fdと同様に顔認識を作り込んだ画像処理チップを搭載しているだけあって非常に高速。カメラを向ければ瞬時(公称値で最短0.05秒)に人の顔にカーソルに合うのは驚かされる。
サンプル1 コンパクト機でもきっちりとした描写となっており、スナップ撮影程度では問題ない。空や木々の緑など、彩度を強調気味だが不自然なほどではないだろう。プログラムAF、シャッター速度1/280秒、F5.0、ISO 100。元画像は2848×2136ドットで、640×480ドットにリサイズ、トリミングしたほか画像処理はかけていない。 |
また、顔キレイナビの機能の一環として、顔認識によって撮影した画像の再生時に顔キレイナビボタンを押すと、認識した顔を中心に自動的にズーム表示し、1枚の画像に複数の顔が認識された場合はそれぞれの顔を順番にアップで表示して表情や顔の向きなどを確認できる機能がある。いわば、人の顔を中心にトリミングしてスライドショー表示する機能であり、つい目をつぶってしまったり、横を向いてしまった、一瞬の“あり得ない顔”で写ってしまった、などなど残されたくない写真かどうかをすぐにいちいち再生ズーム&スクロールせずに手早く確認できる。撮影だけでなく表示にも顔認識機能を用いるというのは、撮った写真を再生して“人に見せる”ことも楽しみのひとつであるコンパクトデジタルカメラならではの機能であり、知っておくとさまざまなシーンで活躍するだろう。
サンプル2 マクロは最短で8cmまで近接可能。シャープ感は非常に良好、プログラムAE、シャッター速度1/280秒、F8.0、ISO 100。 |
画質に関しても、同社ならではの鮮やかな発色やくっきりとした絵作りはスナップ向きだ。画像周辺部などでは色ズレが若干残っているが、屈曲光学系レンズでは比較的多く見受けられるものでやむをえないところもあるのだがやや残念。
サンプル3 ISO 1600での高感度撮影ではやはりノイズは多めだが、「FinePix F31fd」のISO 3200での結果と比べるとノイズはかなり軽減されていると言える。ちょっとした夜景ならば手持ちでもなんとかこなせるコンパクト機は、これからイルミネーションを撮影したいという方にもありがたい存在だろう。プログラムAE、1/4秒、F3.5。 |
ZシリーズはFinePixシリーズの中で唯一屈曲光学系レンズを装備するスリムスタイリッシュなモデルであり、カバンから取り出してすぐに撮る日常の持ち歩きカメラには最適だ。従来モデルを含め、ここしばらくのデジタルカメラでは高感度による手ぶれの防止が進められてきたが、新たに顔認識が続々と搭載されている。露出など細かな調整なしに、単にシャッターボタンを押しただけでほぼ失敗なく人物が撮れるのはスナップカメラにとって一番重要なことであり、Zシリーズの完成度は本機の登場でさらに高まったと言える。
FinePix Z5fdの主なスペック | |
製品名 | FinePix Z5fd |
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撮像素子 | 有効630万画素1/2.5インチスーパーCCD ハニカムVI HR |
レンズ | 光学3倍ズーム、f=6.1~18.3mm(35mmフィルムカメラ換算時:36~108mm)、F2.8~5 |
静止画撮影 | 最大2848×2136ドット |
ISO感度 | オート、ISO 100/200/400/800/1600相当 |
動画撮影 | 640×480ドット/30fps(MotionJPEG圧縮AVI形式) |
液晶ディスプレー | 2.5インチTFT(約23万画素) |
記録メディア | 内蔵26MBフラッシュメモリー、xDピクチャーカード |
インターフェース | USB 2.0(Hi-Speed対応)、AV出力、DC入力(ACアダプター別売)、IrSimple |
電源 | 専用リチウムイオン充電池(NP-40) |
撮影可能枚数 | 約200枚(CIPA準拠) |
本体サイズ | 約92.8(W)×19.4(D)×55(H)mm |
重さ | 約130g(本体のみ)/約148g(装備重量) |