松下電器産業(株)は8日、AVCHD規格対応のデジタルハイビジョンビデオカメラ『HDC-SD1』と『HDC-DX1』を発表した。AVCHD対応のビデオカメラは9月にソニー(株)がHDDと8cm DVDメディアを使用するカメラを発表しているが、SDメモリーカードに対応したものは初。価格はともにオープンプライス。
![]() | 女性が手にしているのが『HDC-SD1』と同梱する4GBのSDメモリーカード |
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- HDC-SD1
- SDメモリーカード
- 最長約90分間のハイビジョン記録(付属4GBメディア、HEモード)
- 本体サイズ:幅74×奥行き142×高さ69mm
- 重量:約430g(本体のみ)/約490g(装備重量)
- 予想実売価格:18万円前後、12月1日発売
- HDC-DX1
- DVD-R/-RW/-RAM/-R DL対応(8cmメディア)
- 最長約60分のハイビジョン記録(片面2層メディア、HEモード)
- 本体サイズ:幅92×奥行き163×高さ91mm
- 重量:約680g(本体のみ)/約800g(装備重量)
- 予想実売価格:16万円前後、12月15日発売
HDC-SD1とHDC-DX1はSDメモリーカードと8cm DVDという異なる記録メディアを採用しているが、基本的な設計は同等。
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側面からHDC-SD1(左)とHDC-DX1(右)を見たところ。ドライブを搭載するぶん、HDC-DX1のほうが大型 |
2機種のうち、特にパナソニックが注力しているのが、HDC-SD1だ。HDC-SD1は、記録メディアにSDメモリーカードを使用。DVDドライブとビューファインダーを省略したぶん、ボディーも軽量コンパクトとなる。ドライブレスで衝撃にも強く(DVカメラ比で約1.7倍)、8cm DVDより長時間の記録が可能という特徴も兼ね備えている。
HDC-SD1とDX1は、ともに新開発の3CCDユニット“テルニオン 3CCD HD”を搭載。1/4インチ有効52万画素のCCDを3枚利用する。動画撮影時にはMPEG-4 AVC/H.264形式で1080i(1440×1080ドット)の出力に対応するほか、静止画(1920×1080ドット、JPEG画像)の記録も可能。1/6インチタイプの3CCDユニット(『SDR-S200』に搭載)に比べ、1画素あたりの受光面積が2.8倍となり、最低撮影照度も11ルクスから6ルクスに向上している。
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カットモデル | 新開発の3CCDユニット“テルニオン 3CCD HD” |
ビットレートは、3種類の選択が可能。HDC-SD1付属のSDメモリーカード(4GB)に撮影した場合、最も高画質なHFモード(約13Mbps)で約40分、中間のHNモード(約9Mbps)で約60分、長時間記録に対応したHEモード(約6Mbps)で約90分の記録が可能。SDメモリーカード内の映像は、同社が9月に発売した“ブルーレイDIGA”を利用して、Blu-ray Discに最大4倍速でダビングできる(HDDへの保存は不可)。
新開発した“ライカディコマーレンズ”は、焦点距離38.5~462mm相当(35mm判換算、16:9)の光学12倍ズーム。EAレンズ(超高屈曲率非球面ガラスモールド)を含む10群13枚、マルチコート21面という構成で、光学式手ぶれ補正も搭載する。このほかH.264の“High Profile”に対応したコーデックLSIや、映像処理エンジン“HDクリスタルエンジン”なども新設計した。
また、音声にもこだわっており、本体には5.1ch記録用に5個のマイクを内蔵。レンズの焦点距離に対応して、指向性を高める仕組みも搭載しており、望遠撮影時には正面方向の音のみを集中的に録音するようにしている(横方向の感度差は12dB以上)。
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HDC-SD1の背面。円形の撮影モードダイヤルを備える | HDC-SD1の側面(液晶パネル側) |
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HD-SD1を手に持ったところ。操作性のバランスを考えて、ビューファインダーは省略したという | 後方から見たHD-DX1(右)との比較 |
このほか、液晶パネルを3インチ(25万1000画素)と大型化。分単位での電池残量表示機能や、薄型大画面テレビ“VIREA”シリーズとHDMIケーブル1本で接続でき、電源連動や自動入力切り替えが行なえる“VIERA Link”の機能も搭載する。
なお、編集機能に関しては、本体内では撮影したファイルの削除のみ。HDC-SD1に同梱するパソコンソフトの『HD Writer Ver1.0J for SD1』を使った場合でも、タイトルの分割、結合、削除など必要最小限の機能のみを提供する。
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HD Writer Ver1.0J for SD1 |
2007年にはビデオカメラのハイビジョン比率が5割に
![]() | パナソニックマーケティング本部の平原重信副本部長 |
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本日都内で開催された製品発表会には、パナソニックマーケティング本部 副本部長の平原重信氏が出席。テレビ/DVDレコーダーのハイビジョン比率はともに6割前後となっており、ビデオカメラも2007年には5割がハイビジョン対応になるという同社の予測を示した。
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テレビやDVDレコーダーはすでに6割がハイビジョン対応製品となっており(左)、ビデオカメラに関しても2007年には5割がハイビジョン化すると見られる(右) |
また、9月に発表され、11月15日に発売される予定のブルーレイDIGAに関しても言及し、すでに2万台のオーダーを受けていると説明。“ハイビジョンのワンツーパンチ”というキーワードのもと、「ハイビジョンで撮る、Blu-rayで残す」というライフスタイルを積極的にアピールしていきたいと話した。
