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【INTERVIEW】アップルの『Aperture』にも負けない!? アドビが語る日本語『Lightroom』の魅力

2006年10月19日 22時55分更新

文● 編集部 広田稔

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[編集部] ファイルを取り込む際、読み込み方法を“埋め込みプレビューとサイドカープレビュー”と“標準プレビューを作成”から選べます。“埋め込み~”のほうは“標準~”に比べて高速ですが、なぜ速くなったのでしょうか。
[栃谷氏] “埋め込み~”の方法では、Lightoroomで使う表示データを取り込み時に生成しません。ライブラリのサムネイルを並べて表示している状態では特に関係ありませんが、例えば、写真を選んで細部を確認しようとすると“読み込み”や“作業中”という表示が現れて、表示までに若干タイムラグがあります。
[宮川さん] 今まではピンぼけなどの失敗写真を含む場合でも、取り込み時にすべての表示用データを作っていましたので時間がかかっていました。これからは最低限の作成時間で済みます。
高速取り込み
“埋め込みプレビューとサイドカープレビュー”を選ぶことで、高速な取り込みが可能になる

[編集部] “ライブラリ”モジュールには、新たに写真の移動や共有に使えるという“写真バインダ”機能が追加されました。これはファイルの書き出し機能とは何が異なるのでしょうか?
[栃谷氏] “写真バインダ”では、単にファイルを保存するだけでなく、写真のメタデータや作業データなども含めて書き出します。写真バインダをCD/DVDに直接書き込むこともできますので、例えば撮影データをクライアントに提出する際などに便利です。
[宮川さん] 整理した状態のライブラリを写真バインダとして書き出して、MacからWindows、ノートからデスクトップといった感じで作業環境を移す際にも使えます。
写真バインダ1 写真バインダ2
写真バインダでライブラリの一部を書き出すと、写真データとメタデータが同じフォルダーに保存される

[編集部] ベータ3のLightroomでは、写真が増えるとソフトの動作が遅くなってしまいましたが、写真バインダを使えばその不満も解消できそうですね。ところで動作速度の問題はベータ4でも解消されていないのでしょうか?
[宮川さん] ええ。なるべくライブラリの登録数を抑えていただけると快適に使えるかと思います。ちなみに写真の登録数に限りはありませんが、現実的にはベータ3のときで5000点くらいが限度だと思いました。

[編集部] プロ向けの写真管理ソフトといえば、アップルの『Aperture(アパーチュア)』が発売されています。Apertureと比較して、Lightroomのベータ4が勝っている点といえば?
[栃谷氏] Windows版があるということは、先方に絶対出来ないことでしょう。いろいろなプロの意見をヒアリングしてみると、例えば、ロケではWindowsノートを持っていき、本格的な編集作業はMacのデスクトップで行なうといったような、MacもWindowsも両方使っている方が結構多いんです。

Macで言えば、PowerPC G4でも使えるのはメリットです。ソフトを導入するために、作業環境まで入れ替える必要がありません。

それから見て分かるように、インターフェースがとてもはっきりしているんです。右上にある“ライブラリ”“現像”“スライドショー”“プリント”“Web”といったボタンで、何がやれるのかということがすぐに理解できます。

操作という意味では、左側に管理系や初期設定、中央に作業領域、右側がパレットというウィンドウ構成さえ憶えてしまえば、すぐに使えるようになるでしょう。

Photoshopのバージョン7から培ってきた、Rawデータへの対応もアドバンテージになるでしょう。ベータ4では、Raw現像エンジンもCameraRawでいうと3.5相当にバージョンアップし、『EOS Kiss デジタル X』などのカメラのRawデータに対応しています。

[編集部] Apertureのバージョン1.5では、写真ライブラリの本データを外付けHDDなどに保存しておき、プレビュー部分だけをノートブックで持ち歩いてオフライン編集後、本データと同期するといったワークフローが可能です(参考記事)。同じことはLightroomでもできますか?
[栃谷氏] ベータ4ではできません。写真バインダを使うにしても、“XMP(Extensible Metadata Platform)”の中でメタデータをマネージメントする機能が必要になるのですが、現時点では備えていません。ファイルの運用の話は、いろいろなところを踏まえた上で検討していきたいです。

[編集部] ベータ4でもゴミ取りなどの編集機能が用意されていませんが、今後の搭載は検討されていますか?
[栃谷氏] 競合製品と比較して、追加してほしい機能の要望は多数あると思います。弊社としては理解していますが、将来については明確な回答ができません。

ですが、Lightroomはこのベータ4の仕様がファイナルではありません。ユーザーからのフィードバックを受けてこれから機能向上する余地が十分ありますので、ぜひご意見をお待ちしております。


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