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Adobe Lightroom パブリックベータ3.0

Adobe Lightroom パブリックベータ3.0

2006年08月07日 22時38分更新

文● 諫山研一

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Adobe Lightroom パブリックベータ3.0

アドビ システムズ

無償(試用期間は2007年1月30日まで)

ユーザーの意見を反映させるための公開ベータ

 Adobe Lightroomのパブリックベータ3.0は、アドビシステムズ(株)が無償提供しているプロフォトグラファー向けの写真管理ソフトだ。英語版のみだが、現在、専用ウェブサイト“Adobe Labs”で無償配布している。

 将来、製品として販売される予定のアプリケーションで、バグフィックスはもちろん、より完成された機能を持つ製品へと昇華するために、ユーザーからの多くの意見を取り入れている最中だ。ベータ版とはいえ、すでにMac版は3回バージョンアップされており、ベータテスターの中には完成度の高さと使い勝手のよさにひかれて、早期の発売を望む人も少なくない。今回のベータ3では、要望の多かったWindows版もようやく登場した。なお、ベータ3の新機能については、こちらのインタビュー記事も参照してほしい。

Mac版画面
Adobe Lightroom パブリックベータ3.0の画面。ベータ2と比べると、動作速度などの改善が見られるほか、新たに“Web”モジュールが追加になった。Mac版はUniversalアプリケーション化されている 。

 Windwos版とMac版のインターフェースは完全に同じと言っても差し支えない。プロカメラマンの場合、屋外ではWindowsのノートを使い、自宅ではMacを使うと言うユーザーも多いため、インターフェースが統一されているのは歓迎すべき点だ。

 ただし、今回のバージョンではWindows版とMac版は機能差があり、Windows版にはMac版が新たに採用した“Web”モジュ-ルやスライドショーのBGM機能などが実装されていない。とはいえ、Windows版でもRAW現像機能や各種調整モジュールはきちんと動作するため、十分その魅力を体験できるだろう。

Windows版
現時点ではMac版と同等の機能は備わっていないが、Windows版もようやく登場した。なお、製品版ではMac/Windowsとも同等の機能で発売される

対応しているRAWデータの豊富さと品質が魅力

 Lightroomの特徴は、なんと言ってもサポートするRAWデータの種類の数にある。120種類以上に対応しているため、国内外のプロ用製品を始め、RAW形式を扱えるほとんどのカメラをカバーできるのだ。これは基本的なエンジン部分に、同社のAdobe Photoshop CS2などでも使われている“Camera RAW”技術を採用したことによるもので、緻密なイメージの調整も可能だ。

 RAW現像の品質に関しては文句なく、RAWデータの実力を充分に引き出すことに成功している。Mac環境で同製品のライバルといえる米アップルコンピュータ社のAperture(アパーチャー)とRAW現像の品質を比べてみたが、Lightroomの方が若干優れている印象を持った。

ApertureのRAW現像 LightroomのRAW現像
Apertureによる現像結果。Mac OS Xのグラフィックエンジン“Core Image”の品質に左右されるせいか、若干、階調性に難があるケースがみられた。RAWデータの対応機種も少ないため、利用できるユーザーがさらに限定されてしまうと言う欠点もある。Lightroomによる現像。光が当たっている部分など、質感や諧調性において純正の現像ソフトウェアに勝るとも劣らない品質で現像が可能。また、対応しているRAWデータが多いので、さまざまな機材を持つプロが活用できる。

使っていて気持ちいいインターフェース

 ソフトの使い勝手も見逃せないポイントだ。インターフェース全般はマクロメディア系ソフトに近いが、そこにアドビのエッセンスが加わってより使いやすいものとして仕上がっている。

 例えばワンクリックでパレットを表示/非表示できるように工夫されており、画面の広さに限界があるノートパソコンで使っていても気持ちよく操作できる。ひとつ気になったのは、現状では1画面内で完結させようとしていること。クリエーターにはマルチモニターを利用する人も多く、今後はそうした環境への対応も課題になるだろう。

パレット表示 パレット非表示
“tab”キーを押してパレットをすべて非表示にし、画像の確認に特化させることも可能。この辺の使い勝手がとてもよく、ノートパソコンでの使用時にもストレスを感じさせない。

失敗写真の補正には向かない

 とはいえ、Lightroomの機能に疑問点がまったくないわけではない。例えば、フォトグラファーの中には、Lightroomにシャープネス機能が備わっていることに違和感を覚える人もいるかもしれない。

 というのもDTPのワークフローにおいて、写真撮影は初期段階で行なうため、この時点で使用倍率などがわかっているケースは稀だ。シャープネス処理は通常、リサイズ後など最終段階で実行するのが一般的だろう。

 そこで、どの程度までシャープネスがコントロールできるかを調べてみたが、Photoshopの“アンシャープマスク”に比べてかなり弱めに適用されることがわかった。これなら初期段階で使ったとしても、あとで大きく画像が崩れることはなさそうだ。この点はCamera RAWのシャープネスコントロールと同じ発想といえる。

 ただし、いくらRAWデータとはいえ、現像時に極端な補正や修正を行なえば、もちろん画質は劣化してしまう。Lightroomは“失敗写真を助ける”と言った素人向けのソフトではなく、あくまでも適正露出で撮影されたデジタル写真の実力を最大限に引き出すツールと捉えてほしい。

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