このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

IXY DIGITAL L4

IXY DIGITAL L4

2006年10月03日 17時40分更新

文● 行正 和義

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 実際に使って見ても、このコンパクトさはかなり快適だ。IXY DIGITALシリーズと横幅はほぼ同程度ながら高さは2/3程度に収まったコンパクトボディーで、横長なスティック型カメラのような感覚で利用でき、縦にして持つと確かに携帯電話機のデジタルカメラさながらの感触となる。といって、縦位置シャッターとしては半押し機能がないスイッチを常にシャッター代わりに使うのも考えものではあるが、携帯電話機を主に使ってきた(デジタルカメラでは)ライトユーザーにしてみれば、さほど違和感なく撮影できるのは確かだろう。

サンプルその1 アップ
サンプル1 細部がやや甘い印象は残り、ハイライト部などで階調が飛び気味ではあるものの、ウルトラコンパクト機としてはなかなか良好な描写となっている。プログラムオート、1/160秒、F5.6、ISO 100。元画像は3072×2304ドットで、640×480ドットへリサイズおよびトリミングしたほかは補正していない。

 また、コンパクトボディーにもかかわらず使いやすいのも感心させられる。上位モデルであるIXYシリーズと比べるとモードダイヤルやズームレバー、DISPボタンが省略されているのだが、ズームはカーソルキーで、それ以外の各種設定はFUNCボタンによって呼び出すメニューの中に格納されるなどして、うまくまとまっている。もともとIXY DIGITALシリーズの撮影機能はプログラムオート中心とはいえ、FUNCボタンで選択できる項目や操作性などは驚くほどそのままで省略されていない。1.8インチという液晶サイズは、最近のコンパクトデジタルカメラとしてはさすがに小さく感じるものの、そのぶんスイッチ類が余裕あるレイアウトになっているのも好印象だ。

サンプルその2 アップ
サンプル2 すっきりとした空から黒くつぶれそうな暗部までうまく階調表現されている。プログラムオート、1/500、F3.2、ISO 80。

 撮影結果もIXYシリーズならではの“明るい発色とくっきりした輪郭”となっており、これだけのコンパクト機とは思えないほどのきちんとした絵作りとなっている。IXYシリーズの上位機に比べると周辺部では若干描写力が落ちているのは気になるところではあるが、一回り小径のレンズを搭載したことを考えればやむを得ないところだろう。

サンプルその3 アップ
サンプル3 マクロ撮影では広角側で10cm、望遠側で50cmまで近接できる。望遠側で撮影。プログラムオート、1/125秒、F5.6、ISOオート。

 また、さすがにISO 1600の高感度ではかなりざらつきが多くなる。新画像エンジンの威力もあって、ざらつきはあっても派手な輝点ノイズはあまり見られないのだが、普段使うのであれば最高でもISO 400~800程度に抑えておきたい。

サンプルその4 アップ
サンプル4 夕暮れ時の薄暗い街中を高感度で撮影。1/80秒と手ぶれの心配はしなくて済むシャッター速度だが、やはりざらつきは大きくディテールも失われがちなので多用するのは避けたいところ。プログラムオート、1/80秒、F4.0、ISO 1600。

 屈曲光学系によるスリムタイプや光学式手ぶれ補正搭載機など、コンパクトデジタルカメラのバリエーションに選択肢が増えてはいるが、まだまだ携帯電話機のデジタルカメラユーザーのほうが町中で確実に見かけるのは事実。そんなケータイユーザー、特に女性をメインに狙った製品だけに、L4の高級感のある外装や細部まで隙がないデザインの仕上がりは、昨今のデジタルカメラの中でも1、2を争うほどの完成度と言えるだろう。デザインだけでなく、各種機能に関して上位機とさほど変わらないままに小型化している点も高く評価でき、高画素・高機能化する上位モデルと並んでIXYシリーズの完成形のひとつと言えそうだ。

IXY DIGITAL L4の主なスペック
製品名 IXY DIGITAL L4
撮像素子 有効710万(総740万)画素、1/2.5インチCCD
レンズ 光学2.4ズーム、f=6.3~14.9mm(35mmフィルムカメラ換算時:38~90mm)、F3.2~5.4
静止画撮影 最高3072×2304ドット
ISO感度 オート/高感度オート、ISO 80/100/200/400/800/1600相当
動画撮影 640×480ドット/30fps(MotionJPEG圧縮AVI形式)
液晶ディスプレー 1.8インチ低温ポリシリコンTFT(約11万8000画素)
記録メディア SDHC/SDカード(16MB付属)/MMC
インターフェース 本体:専用クレードル
クレードル:USB 2.0(Hi-Speed対応)、AV出力、DC入力(ACアダプター付属)
電源 リチウムイオン充電池(NB-4L)
撮影可能枚数 約190枚(CIPA準拠)
本体サイズ 96.1(W)×23.9(D)×45.1(H)mm
重さ 約105g(本体のみ)

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン