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キヤノン、1000万画素“IXY DIGITAL”や2年ぶりの“PowerShot G”を発表

2006年09月15日 13時05分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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キヤノン(株)とキヤノンマーケティングジャパン(株)は15日、コンパクトデジタルカメラの新製品としてIXY DIGITALシリーズ3機種と、コンパクト機ながら本格撮影を実現する“PowerShot G”シリーズの2年ぶりのモデルチェンジとなる『PowerShot G7』を10月上旬以降に発売すると発表した。価格はすべてオープンプライス。今回発表された4機種の主なスペックと発売時期、編集部による予想実売価格は以下の通り。

『IXY DIGITAL 1000』 『IXY DIGITAL 900 IS』
『IXY DIGITAL 1000』『IXY DIGITAL 900 IS』
『IXY DIGITAL L4』(ウルトラマリン) 『PowerShot G7』
『IXY DIGITAL L4』(ウルトラマリン)『PowerShot G7』
IXY DIGITAL 1000
1/1.8インチ有効1000万画素CCD、光学3倍ズームレンズ、ISO 3200相当高感度、純チタン素材の外装、タッチホイール式十字カーソル、XGAサイズ動画撮影
5万3000円前後/10月上旬発売予定
IXY DIGITAL 900 IS
1/2.5インチ有効710万画素CCD、光学式手ぶれ補正付き光学3.8倍ズームレンズ(広角側28mm相当)、ISO 1600相当高感度、ステンレス素材の外装
5万円前後/10月上旬発売予定
IXY DIGITAL L4
1/2.5インチ有効710万画素CCD、光学2.4倍ズームレンズ、ISO 1600相当高感度、4色カラーバリエーション、縦位置撮影向け“イージーダイレクトボタン”搭載
3万5000円前後/10月下旬発売予定
PowerShot G7
1/1.8インチ有効1000万画素CCD光学式手ぶれ補正付き光学6倍ズームレンズ、ISO 3200相当高感度、コントロールホイール搭載、銀塩カメラ『Canon F-1』『Canon T90』のシャッター音搭載
6万円前後/10月下旬発売予定

全機種に新・映像エンジン“DIGIC III”を搭載、顔優先AF&AEを実現

今回発表された4機種すべてに、新・映像エンジン“DIGIC III”(ディジックスリー)が搭載された。従来は新たな映像エンジンをデジタル一眼レフカメラにまず搭載してきた同社だが、今回の改良は“失敗写真を減らしたい”“簡単に撮りたい”“撮影シーンを広げたい”といったコンパクト機のユーザーに向けた内容となっている。

DIGIC IIIの内部的な改良点は明らかにされていないが、高速化された演算処理性能によって“フェイスキャッチテクノロジー”を搭載。これは従来の9点AiAFに、画角の中から人物の顔を探し出す“顔検出技術”を追加したもの。主被写体を予測して撮影設定を最適化する“iSAPS”と組み合わせて、被写体に人物の顔が含まれる場合はその顔を奇麗に写し出す“顔優先AF”(フォーカス)と“顔優先AE”(露出制御)を実現するという。

最近は他社製品でも人物を自動検出する機能の搭載が増えているが、同社の説明によると、iSAPSによる撮影シーン解析のノウハウの蓄積によって、写したい人物が遠方であっても、顔を傾けていても、背後を多人数に囲まれた状況でも(最大9人分の露出枠を表示)、主被写体(と思われる顔)を捕らえられるとのこと。なお、人物の顔が画角に含まれない場合は自動的に従来の9点AiAFに切り替わる。

また、水族館での撮影が奇麗に写らないという声を受けて、シーンモードに“水族館”を新規搭載。これはストロボ非発光でISO感度を高めに設定し、高速シャッター速度でぶれずに撮れるというモード。、さらに青みがかりがちなホワイトバランスを水槽に合わせて調整し、魚も水も自然な色合いで写るとしている。

このほか、IXY DIGITAL 1000とPowerShot G7ではピクセル合算によって記録画素数は200万画素相当に制限されるが、ISO 3200相当の高感度撮影(IXY DIGITAL 900 IS/L4はISO 1600相当まで)を実現している。これは両機種に搭載しているDIGIC IIIがDDR SRAMとフラッシュメモリーを2層目に積層し、高速画像処理を可能にしたため。

IXY DIGITALシリーズを大幅拡充

IXY DIGITAL 1000は『IXY DIGITAL 700』(2005年8月発表)の、IXY DIGITAL 900 ISは『IXY DIGITAL 800 IS』、IXY DIGITAL L4は『IXY DIGITAL L3』(2005年9月発表)のそれぞれ後継(上位)機種にあたる。このうちIXY DIGITAL 800 ISは当面併売される。

掲載当初、IXY DIGITAL 1000をIXY DIGITAL 70の後継機種と記載しましたが、正しくはIXY DIGITAL 700の後継機種です。IXY DIGITAL 70は併売されます。お詫びして訂正いたします。 (2006/09/15)
IXY DIGITAL 1000の正面
IXY DIGITAL 1000の正面

IXY DIGITAL 1000は、名前の通りIXY DIGITALシリーズで初の1000万画素CCDを搭載したハイエンドモデル。光学式手ぶれ補正は持たないが、前述のISO 3200相当高感度撮影機により手ぶれを抑えた撮影が可能。ハイエンドモデルにふさわしく、外装には軽量・強固で金属アレルギーを起こさないと言われる純チタン素材を採用。塗装は行なわず、チタンの地色を表現できる加工技術と量産技術を確立して量産可能になったという。

背面にはタッチセンサー付きで液晶画面と連動する“タッチホイール式十字ボタン”を搭載。ホイールのように回るわけではないが、軽快な操作を実現する。また、撮影ミスを防ぐため、ピント位置を拡大表示(倍率は切り替え可能)する“フォーカスチェッカー”機能を備える。

IXY DIGITAL 1000の背面
IXY DIGITAL 1000の背面

インターフェースはUSB 2.0(Hi-Speed対応)とAV出力を装備。PictBridge/CPダイレクト/Bubble Jetダイレクトの各ダイレクトプリント機能をサポートする(ExifPrint対応)。電源は専用リチウムイオンバッテリー(NB-5L)で、撮影可能枚数は液晶ディスプレー使用時が約230枚、未使用時は約700枚(CIPA測定法準拠)。本体サイズと重量は、幅91.2×奥行き28.2×高さ59.6mm/約165g(本体のみ)。

IXY DIGITAL 900 ISの正面
IXY DIGITAL 900 ISの正面

IXY DIGITAL 900 ISは、IXY DIGITALシリーズで初めて広角28mmからのワイドズームに対応した。外装は従来同様ステンレス素材で、デザインもカーブを組み合わせた“ウェッジ(くさび)”形状となっている。ISの名が示すとおり、レンズシフト方式の光学式手ぶれ補正機能を備える。

IXY DIGITAL 1000の背面
IXY DIGITAL 1000の背面

レンズは5群7枚(両面非球面レンズ1枚)で、焦点距離は28~105mm相当。開放F値は2.8~5.8。液晶ディスプレーは2.5インチ低温ポリシリコンTFTで画素数は約20万7000画素(フォーカスチェッカー機能搭載)。

インターフェースや電源はIXY DIGITAL 1000と共通で、撮影可能枚数は液晶ディスプレー使用時が約270枚、未使用時は約600枚となる。本体サイズと重量は、幅89.5×奥行き25.1×高さ58.0mm/約150g(本体のみ)。



IXY DIGITAL L4のカラーバリエーション
IXY DIGITAL L4のカラーバリエーション

IXY DIGITAL L4は、女性ユーザーを意識してラグジュアリー(装飾品)のデザインを施したコンパクト機。今回は“ちょい悪オヤジ”も意識した渋めのカラーリング(ゴールドとブラウンを組み合わせた“トワイライトセピア”)を含むシック&エレガントな4色のカラーバリエーションを揃えたという。ほかにはバラをイメージしたレッドとシルバーの“プレシャスローズ”、2種類のシルバーを組み合わせた“オリーブグレー”、深海を意識した“ウルトラマリン”が用意される。

IXY DIGITAL L4の正面 IXY DIGITAL L4の背面
IXY DIGITAL L4の正面IXY DIGITAL L4の背面

付属のベースユニット“カメラステーション”に載せることで、パソコンへの画像取り込み、TV出力、印刷、リモコンを使った再生操作などが可能な機能は従来同様。新たに、携帯電話機のカメラで撮影する方にも使いやすい、縦位置用シャッターボタン“イージーダイレクト”を採用した。これはカメラを縦(液晶パネルが上に来る方向)に構えると、自動的にボタン中央の青色LEDが点灯してシャッター機能が有効になるボタンで、直感的な操作と手ぶれしにくい撮影を実現する。静止画だけでなく動画撮影(VGAサイズで毎秒30コマ)も可能。

レンズは4群4枚(非球面レンズ3枚)で、焦点距離は38~90mm相当の光学2.4倍ズーム。開放F値は3.2~5.4。液晶ディスプレーは1.8インチ低温ポリシリコンTFTで画素数は約11万8000画素。

インターフェースはカメラステーション側にUSB 2.0(Hi-Speed対応)とAV出力を装備。電源は専用リチウムイオンバッテリー(NB-4L)で、撮影可能枚数は液晶ディスプレー使用時が約190枚(光学ファインダー非搭載)。本体サイズと重量は、幅96.1×奥行き23.9×高さ45.1mm/約105g(本体のみ)。



PowerShot G7の背面 PowerShot G7の上部
PowerShot G7の背面PowerShot G7の上部

コンパクトデジタルカメラながら本格撮影機能を備える“PowerShot G”シリーズが、2年間の沈黙を破ってPowerShot G7として登場。独立したISO感度ダイヤルや、背面の十字カーソルの周囲にコントローラーホイールを搭載するなど、銀塩カメラを意識したカメラファン向けの各種機能を備える。本体設計は一新され、G6よりも薄型化している。特にレンズ収納時には前端がグリップより奥まり、レンズカバーではなくレンズバリアに変更された。

『スピードライト430EX』を装着したところ
外部フラッシュ用接点も搭載。写真はオプションの『スピードライト430EX』を装着したところ

また、新たな機能としてカテゴリー管理機能を搭載。シーンモードを使って撮影した画像はモードごとに画像を自動でまとめて管理できるほか、再生時にはユーザーの好みに応じてカテゴリー分けし直すこともできる。パソコンを使わず本体のみで管理できるこの機能は、撮影や出力に集中して、パソコンでの管理など面倒なことは省きたいというユーザーに向けた機能だろう。

レンズは7群9枚(非球面レンズ1枚)で、焦点距離は35~210mm相当の光学6倍ズーム。ISの名前は付かないが、レンズシフト式の光学式手ぶれ補正機能を備える。開放F値は2.8~4.8。液晶ディスプレーは2.5インチ低温ポリシリコンTFTで画素数は約20万7000画素。

インターフェースはUSB 2.0(Hi-Speed対応)とAV出力を装備。電源は専用リチウムイオンバッテリー(NB-2LH)で、撮影可能枚数は液晶ディスプレー使用時が約220枚、非使用時は500枚。本体サイズと重量は、幅106.4×奥行き42.5×高さ71.9mm/約320g(本体のみ)。



PowerShot G7のアダプターリング 『ワイコンWC-DC58B』を装着したところ 『テレコンTC-DC58C』を装着したところ
PowerShot G7のアダプターリング(オプション)PowerShot G7に『ワイコンWC-DC58B』を装着したところ同じく『テレコンTC-DC58C』を装着したところ

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