(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモ(以下NTTドコモ)、KDDI(株)、ボーダフォン(株)から、2006年夏モデルが一斉に発表された。今後続々と発売されるこれらの機種について、まとめてチェックしてみたい。
“おサイフケータイ”“音楽再生機能”はともに不評!?
まず、“第275回 携帯電話機について”(5月27日から今月2日まで)のアンケート結果から、読者の傾向を見ていこう。
【図1】読者が使用している携帯電話/PHSのキャリアー |
【図2】“携帯番号ポータビリティー”にあわせたキャリアー乗り換えの予定 |
現在読者が利用している携帯電話/PHSのキャリアーは、圧倒的にNTTドコモが多く、約半数を占めている。また契約する携帯電話キャリアーを変更しても同じ電話番号が使える“携帯番号ポータビリティー” サービスが今年の11月に開始される予定だが、これにあわせて携帯電話キャリアーを乗り換える予定があるか、という問いには、65.1%の読者が「ない」と回答。逆に明確に「ある」と回答した読者は7.5%に留まっており、番号ポータビリティーが始まっても、すぐにキャリアーを変えようと考えている人は少ないようだ。
【図3】最新携帯電話機に期待する機能 |
最新の携帯電話機に期待する機能については、“ワンセグ(携帯機器向け地上デジタル放送)受信機能”と答えた読者が圧倒的に多く、41.7%にもなった。ちなみに某メーカー担当者によると「30代から40代のお客さんに受け入れられている」とのことで、20代以下の若者は“テレビ離れ”が激しく、あまり受け入れられていないようだ。予想外だったのは“生活防水機能”が2番目に求められていること(28%)。新機種ではNTTドコモの「SO902iWP+」とKDDIの「W42CA」が生活防水に対応しており、これらの動向が今後気になる。
次いで多かったのがディスプレー性能の向上(27.6%)で、VGAの画面表示が可能なボーダフォン「Vodafone 904SH」のような機種が求められているようだ。以降はセキュリティー機能(24.8%)、Bluetooth機能(23.7%)と続き、KDDIが力を注いでいる音楽再生機能は23.3%、NTTドコモが力を注いでいる非接触型決済が可能な“おサイフケータイ”機能は20.1%など、読者の支持はあまり高くない傾向となっている。
【図4】おサイフケータイの利用状況 |
【図5】おサイフケータイを持っていない人の今後の利用予定 |
読者にはドコモユーザーが多いということで、おサイフケータイを持っているかを伺ったところ、70%を超える読者から「対応端末を持っていない」との回答を得た。そこで次に携帯電話を買い換えるときにおサイフケータイを利用したいかを伺ってみると、「まだ利用したくない」という回答のほうが多く、「おサイフケータイ非対応の機種を選ぶつもり」と回答したユーザーとあわせると半数を超える割合となった。
【図6】おサイフケータイを利用したくない理由 |
その理由を尋ねてみると、「紛失時に不安だから」が29.1%ともっとも多く、「セキュリティー面が不安」(20.5%)とあわせると、やはり半数近くにもなる。最新機種のおサイフケータイには、生体認証機能や遠隔ロックといった機能が搭載されているが、それだけではまだまだ不安、という読者が多いようだ。
【図7】“ケータイクレジット”の利用意向 |
最後に、NTTドコモを利用している読者に、“DCMX” などのチャージが不要な携帯電話向けクレジットサービスについて伺ったところ、やはり半数を超える読者から「利用したいとは思わない」との回答を得た。やはりおサイフケータイへの不安要素を取り除かない限り、携帯電話向けクレジットサービスを普及させるのは難しいのかもしれない。
次ページ以降では各社夏モデルの注目機種を紹介していく。