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システム設計者が語る、フジテレビ『西遊記』がMacを導入したワケ

2006年06月09日 22時44分更新

文● 編集部 広田稔

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Macを選んだ理由は、まずメンテナンスに手間がかからないということ。例えばPower Mac G5はすぐに内部にアクセスできる。Mac OS Xは動作が安定しているし、システムの構造がわかりやすいから、トラブルが起こっても原因の切り分けが楽です。

加えてMacはMac OS Xが64ビット化されているため大量のメモリーを積んで使えるし、“非圧縮HD 10bit RGB 4:4:4”といったハイエンドフォーマットにも対応している。何よりコストパフォーマンスが高いというのも決め手でした。


ShakeとDiscreet flameをCG合成に利用

西遊記のCGは約25人ほどで制作していて、2005年5月よりシステム設計を始めています。まず予想されたのが、番組の規模がかなり大きいので、自社のビデオ編集システムで作業をまかなえないということ。特に実際の映像とCGの合成が多く、導入されていた2台のDiscreet flameだけでは間に合わない。

Xsan
『shake』

機材の追加は必要でしたが、同時にコストを抑えることも課題だったため、高価なDiscreet flameではなく、ローエンドのビデオ合成システムで台数を用意するのが望ましかった。そこでまず最初に試したのがアップルのShakeです。

動きが速かったり色指定が難しい素材でもきちんとマスクできるか、インターレースの素材も扱えるかといったテストを3週間ほど行ない、最終的に“問題なし”と判断して導入しました。Shakeはインターフェースが整理されているため、どういう挙動のソフトかを多少理解できればスムーズに使えます。



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