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アップル、“Apple Post NAB2006 TOKYO”を開催――トリノオリンピック放送で使われた『Xsan』も展示

2006年05月30日 23時36分更新

文● 編集部 広田稔

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アップルコンピュータ(株)は30日、東京オペラシティータワー32Fのセミナールームにて、最新のプロ向けビデオ制作環境を紹介するイベント“Apple Post NAB2006 TOKYO”を開催した。米国ラスベガスにて4月24日から27日に開催された放送機器の展示会“NAB2006”を受けたイベントで、31日まで行われる予定。


セミナー

事前申し込みが必要なセミナーでは、『Final Cut Pro』『Motion』『SoundTrack Pro』などを連携させ、約45分の間で視覚効果やモーショングラフィックを随所に施した車のイメージ映像を作るというデモンストレーションが行われた。

FCPデモ Motionデモ
『Final Cut Pro』の“タイムリマップ”機能を使い、DJのスクラッチのように同じシーンが短時間に繰り返されるという映像を作成『Motion』の“光線”フィルターで走る車に光のオビを適用した。プレビューしながらマウスで光線の方向を変えて、その結果をリアルタイムで記録できる


展示会場

展示会場ではアップル製品を中心に、ソニー(株)、松下電器産業(株)、米AJAビデオシステムズ社などのハイビジョンビデオ編集製品が体験できる。

NAB2006におけるアップル製品の目玉は、Final Cut Studioの各ソフトがUniversalバイナリー化されたこと。また、Final Cut Proがバージョン5.1.1から、ソニーのBlu-rayディスクを利用したプロ向けHDビデオディスクシステム“XDCAM HD”のデータを読み取れるようになった点も大きなニュースだ。

PDW-F70 デモ風景
HDCAM HDレコーダー『PDW-F70』とそのデモ
XDCAM HD XDCAM transfer画面
ソニーはMac OS Xで動作するXDCAM HDのデータ転送用ソフト『XDCAM transfer』を開発中

『Xserve RAID』を中核とし、ファイバーチャネルで結ばれたストレージエリアネットワーク『Xsan』も展示。Xsanでは『Xserve G5』を使ってXserve RAIDにHDビデオを取り込んだり、『Power Mac G5-2.7GHz Quad』からXserve RAIDアクセスしてHDビデオを編集することが可能。

また、Xsanと英Gallery社のリアルタイムキャプチャーソフト『PictureReady!』を併用すると、映像をリアルタイムに編集端末にまわして、収録しながら即座にFinal Cut Stuidoで編集するといった作業環境を実現できる。

アップルによれば、XsanとPictureReady!を使ったリアルタイム編集システムは、NHKのトリノオリンピック放送を始めとするスポーツ中継に加えて、ドラマ/バラエティーの収録などにも利用されているとのこと。既存の専用システムより安価で、ハード/ソフトの安定性も高いのが特徴になる。

Xsanの構築例 Xserve RAID
Xsanの構築例『Xserve RAID』

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