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印刷とウェブの新たな関係を模索する“PAGE2006”――展示ブースレポート

2006年02月07日 00時00分更新

文● 千葉英寿

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さまざまなツールやソリューションが紹介された“グループパブリッシングZONE”だが、同じような目的で開発された製品として複数見られたのが、自動組版システムだろう。まさにグループパブリッシングというテーマに“合致”したものと言えるとともに、昨今は安価で引き受けてしまうDTPオペレーターが少なくないため、こうした効率よく作業が行なえるソリューションは無視できない存在だ。

GeDALeは幅広いデータソース、ページレイアウトソフトに対応している点が大きな特徴
GeDALeは幅広いデータソース、ページレイアウトソフトに対応している点が大きな特徴と言える

Adobe Illustratorに対応した製品としては、(株)ビジュアル・プロセッシング・ジャパンのXML自動組版とDTP Turbo Serverとの組み合わせによる『AutoPublisher Server』を、(株)ベビーユニバースはCSV形式のファイルからデータを流し込む『TypeSet-Pro』を出展していた。Adobe InDesignプラグインとしては、(株)プロフィールドが『ProDix』を出展していた。また、グループパブリッシングZONEではないが、トゥーが汎用自動レイアウトエンジン『GeDALe(ジェダール)』を紹介していた。GeDALeはFileMaker ProやCSV、MySQL、PostageSQLといったデータソースをAdobe InDesign、Adobe Illustrator、Quark XPressで読み込むことができる。

印刷業もウェブサービスの時代

多くのカラープリンタに採用されているPostScript RIP(Raster Image Processor)などで知られるイー・エフ・アイ(株)は、印刷業(プリントショップ)に向けて、ビジネス拡大を促すツールとして『Digital StoreFront』を出展した。

Digital StoreFrontの画面
画面のDigital StoreFrontはあくまでひな形であり、各プリントショップのブランドイメージに合わせたカスタマイズが可能だ

Digital StoreFrontは、顧客がウェブを利用して印刷発注を行なうことができるシステムパッケージだ。Digital StoreFrontを導入した顧客はプリントショップから配布されたPrint Messengerを使って印刷したファイルからPDFを生成し、プリントショップに送信するだけ。PDFを受け取ったプリントショップでは、JDFジョブチケットに基づいて、顧客が必要とする指示を確実に処理することができる。PDF/JDFワークフローに基づいたDigital StoreFrontにより、プリントショップはプリントデータのウェブ受注の開設と受注業務の自動化を一気に手に入れることができるわけだ。

Harlequin RIPを1987年から開発しているグローバルグラフィックス(株)もPDFワークフローを用いたインターネットプリンティングを構築できるソリューションとして、『JAWS Pdf Courier』を紹介していた。
また、同社は2003年からマイクロソフト(株)と印刷/電子ドキュメントの分野で協力関係にあり、次世代Windowsである『Windows Vista』で採用が予定されている新しい印刷・電子ドキュメントのフォーマットである“XPS(XML Paper Specification)”形式に対応した、“XPS RIP(プロトタイプ)”を開発していた。
あらゆる分野に浸透しているPDFの対抗として登場するXPSが、どのような攻勢に出てくるのかは定かではない。プロ向けアプリケーションがアドビ主導である以上、プロ分野への進出は難しいと思われるが、Officeアプリケーションなど、ビジネス分野での需要は相当なものとなることが予測される。

グローバルグラフィックスのブース
グローバルグラフィックスでは、XPS早期導入プログラムを紹介していた

このほか、プリプレス、プリンターなどのハードウェア関連はすでにかなり完成した感があり、目新しいものは少なかった。

カラーマネジメントの次は輝度ムラ、色ムラが課題になる?
カラーマネジメントの次は輝度ムラ、色ムラが課題になる?

その中で、ナナオは液晶ディスプレーの持つ“ムラ”という課題にフォーカスした技術として“デジタルカラーユニフォミティ”を参考出展していた。液晶ディスプレーには、輝度ムラ、色ムラがどうしても発生するが、デジタルカラーユニフォミティはこれらを自動的に補正するもの。1台1台に工場で正常時の液晶ディスプレーの状態を撮影し、その測定データをもとに内部回路で修正するため、既存のディスプレーに機能を移植することはできないが、今後ハイエンド機から順に、すべての“ColorEdge”シリーズに搭載していくということだ。

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