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W-ZERO3

W-ZERO3

2005年12月19日 00時00分更新

文● 編集部・小林 久

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電話としてどうか?

 W-ZERO3がここまで受けた最大の理由は、それがスマートフォン、つまり電話であったからではないかと思う。電話機+“α”の部分に魅力を感じている人も多いと思うが、やはり肝心の電話機能はどうなのか? 単体で日常的に使えるのか、それとも通話は補助的機能として別のPHS/携帯電話回線も契約していたほうがいいのかは、多くの方が気になる部分ではないだろうか。実際、ウィルコムは複数端末を持つと料金がすこぶる安くなるので、すでに同社の音声端末を所有している場合は安易に機種変更せず、2回線契約してしまったほうがいい場合もある。例えば、音声プランの月額基本料金が半額になる“データセット割引”と1回線ごとに200円ずつ割り引かれる“複数割引”を利用するという手もある。

トップ画面 電話
トップ画面。留守番電話機能やマナーモードの設定のほか、未読のメールのほか着信履歴なども表示される。伝言メモがある際には、右下のようにテープのアイコンが表示される電話画面。画像は横位置だが、本体の脇のローテーションボタンを利用することにより、縦位置表示することも可能

 ……というわけで、データ通信を行ないながら、通話や待ち受けが行なえるのかどうかなどW-ZERO3の通話機能に関して、ざっくりと紹介しておこう。

 まず、データ通信中にPHS回線を利用した待ち受けや通話に関しては下表のような対応状態になっている。

通信中の待ち受け/通話の可否
通話しながらアドレス帳などを参照 PHS用のヘッドセットなども使用可能
無線LANでデータ通信しながらのPHS待ち受けや通話 無線LAN通信とPHSの通話/待ち受けは同時利用可能
W-SIMでデータ通信をしながらの通話や待ち受け ×電源が入っていない状況となり、着信履歴なども残らない
設定でW-SIMへの電源供給を停止 ×電源が入っていない状況となり、着信履歴なども残らない

 「WX-310K」など、同社のフルブラウザー搭載のPHS端末では、データ通信(パケット通信)中でも割り込んで電話を受けることが可能だが、残念ながらW-ZERO3ではそれができない仕様だ。

 機能面ではかなり充実しており、PHS端末とほぼ同じことができると考えていいと思う。例えばトップ画面(スタート)で“伝言メモ”“マナーボタン”“安全運転モード”のボタンをONにしておけば、留守電機能、バイブによる着信通知、留守番電話の音声メモを本体に記録するか、ウィルコムのサービスに保存するかなども利用できる。着信メロディーは自分でエンコードしたMP3やWMAファイルを使用することが可能である。なお、通話する際にはほほが画面にピッタリくっつく形になるので、快適に通話したいなら“液晶保護シート”や“ヘッドセット”などが必須アイテムと言えるかもしれない。

着信音の設定画面 バイブは3段階
着信音の設定画面。ファイルの参照を選択することで、MP3やWMAのファイルも着信音に設定できるバイブ設定は3段階に設定可能。電話、メールなど個別に設定できる
着信音の設定画面 バイブは3段階
着信設定や着信音量なども細かく設定することが可能

 メールに関しては、

  1. POP3/IMAP4を利用した“プロバイダーメール
  2. 機能的にはプロバイダーメールと同様で、さらに自動受信も可能になる“ウィルコムメール
  3. パソコンで受信したメールを同期させて取り込む“Outlookメール
  4. ウィルコム端末同士でやり取りできる“ライトメール”(最大45文字)

の4種類がある。

 このうち(1)~(3)は“メール”という、Windows Mobile標準のメールアプリ(“Outlook Express”のモバイル版的な位置づけ)、(4)に関しては“ライトメール”という専用ビューアーを使用する。それぞれのアプリケーションはトップ画面やスタートメニューから呼び出せる。トップ画面では、メールの種別ごとにカテゴリー分けされて、未読メールの数などが表示される。このとき、プロバイダーメールを選択したら、プロバイダーに接続、ウィルコムメールならウィルコムのサーバー……など、種別に応じた接続先を自動的に選んでくれると嬉しいのだが、対応はしていないようだ。


 まとめると、電話としての操作感に関しては、冒頭で少々触れたように従来のPHS端末との作法の違いや、連絡帳と電話など複数のアプリをまたいだ際の連携性にこなれていない部分を感じる。とはいえ、機能面での充実度は高く、データ通信時の待ち受けや1回目のレビューでも触れたバッテリー寿命を許容できるなら(ヘビーに通信する場合は2時間程度が目安)、電話としても十分利用できる水準ではないかと思う。

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