マイクロソフト/シャープ/ウィルコム
オープンプライス
2800万人のインフォメーションワーカーに捧ぐ
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W-ZERO3 |
“W-ZERO3(ダブリューゼロスリー)”『WS003SH(B)』のキーパーソンへのインタビューも今回で3回目。通信キャリアの(株)ウィルコム、製造メーカーのシャープ(株)と続けて掲載したが、W-ZERO3はWindowsプラットフォームを搭載した初の国内市場向けスマートフォン。やはり、OSの開発元であるマイクロソフト(株)にもW-ZERO3に対する期待を伺いたいところだ。今回登場いただいたのはマイクロソフト Windows本部 兼 モバイル&エンベデッドデバイス本部 業務執行役員 シニアディレクターの佐分利ユージン(さぶりユージン)氏と、モバイル&エンベデッドデバイス本部 シニアプロダクトマネージャの石川大路(いしかわ だいじ)氏。インタビュアーは、アスキー編集人の遠藤 諭ほか。
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左から、モバイル&エンベデッドデバイス本部 シニアプロダクトマネージャの石川大路氏、マイクロソフト Windows本部 兼 モバイル&エンベデッドデバイス本部 業務執行役員 シニアディレクターの佐分利ユージン氏、アスキー遠藤 諭 |
“客”はいるけど“文化”はまだない
[アスキー遠藤]
僕は、スマートフォンが大好きで、海外では『Treo 600』(米PalmOne社)とか、『iPAQ 6315』(米Hewlett-Packard社)を愛用しているんだけど、何がいいかというと音声とPDAが合体して、なんだか喋るときに軽い緊張感が走る。喋る内容もちょっと引き締まるんですよ。それと、“知的ツールに自分の生声を流し込むような感覚”に、ちょっぴりゾクゾクする。iPAQ 6315なんかは、インテルCPUだと一層いい感じですね。まあ、とにかくそのスマートフォンがやっと日本にやってきた
[アスキー本多]
まず、スマートフォンは日本でどの程度市場規模があると予測されているのでしょう
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シャープのインタビューに続いて登場の『BlackBerry 7100g』 |
[マイクロソフト佐分利氏]
デバイスの定義にもよりますが、日本市場は他の市場と違いビジネス端末がありません。北米では『BlackBerry』(カナダResearch In Motion社)、欧州では過去に『PSION(サイオン)』(英Psion社)があり、今ではSymbian OSベースのビジネス用携帯電話機が出ています。しかし、日本の事業者が法人向け契約として売っている携帯電話機は、ビジネスユーザーを考えて作られたものではなく、コンシューマーユーザーを考えて作られた端末となっています。こうした認識の上で、日本での市場規模はどの程度あるかというと、ビジネス端末という市場は今のところ日本にはない。しかし、我々が“インフォメーションワーカー”と呼んでいる、移動しながらパソコンなどの情報機器を利用している人口は2800万ほどと考えています
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やはり続いて登場の『PSION 5』 |
[遠藤]
“客”はいるけど“文化”はまだないと。Windowsプラットフォームのスマートフォンを広めるための戦略を教えてください
[佐分利氏]
ステップはいくつかありますが、まずメッセージングサーバーソフト『
Microsoft Exchange Server』のユーザーにとってアピールが高いと思います。電子メールやコンタクトなどの情報を、スマートフォンからリアルタイムで同期ができる。モバイルメッセージも重要ですね。また、携帯デバイスに対してもWindows APIで開発できる点は、デベロッパーにとっても高いアピールがあるでしょう
[アスキー伊藤]
インフォメーションワーカーといえば、マイクロソフトの社員はまさにそれだと思うのですが、W-ZERO3が発売されたら買いますか
[佐分利氏]
Windows Mobileなどさまざまな製品に関するセミナーを社内で定期的にやってるのですが、かなり期待値は高いです。ぼくの部署はみんな買わせますよ(笑)
[マイクロソフト 石川氏]
確かにモバイルインフォメーションワーカーが多い会社ですので、興味を持つ人は多いですね。W-ZERO発表に関するメールを社内で送ったら、数百人からメールボックスがそれ一色になるほどの反応がきて。「社内販売はないのか」など、問い合わせが凄まじかったですよ