三洋電機(株)と日本アイ・ビー・エム(株)は11日、ダイレクトメタノール形のマイクロ燃料電池を利用したノートパソコン用ハイブリッド電源システムの実用化において、共同で研究開発を加速することで合意したと発表した。
ノートパソコン用ハイブリッド電源システム(左)とノートパソコン(右) | ノートパソコンに装着した様子 |
これは、ノートパソコンなどの小型機器向けマイクロ燃料電池の基礎研究を進めてきた三洋電機と、日本IBMの大和事業所が次世代電源システムの共同検討を進め、マイクロ燃料電池と小形二次電池の機能をハイブリッド化するコンセプトを確立したことによるもの。両社が共同研究を開始したハイブリッド電源システムは、「継続的な発電能力」を持つマイクロ燃料電池と、「蓄電機能」「高出力放電能力」を持つ小形二次電池を組み合わせることでACコードレス電源として利用するのが特徴。日本IBMの既存のノートパソコン“ThinkPad”に接続して仕様できる汎用タイプとなっているほか、燃料カートリッジを交換できるホット・スワップにも対応している。
コンセプトモデルは、出力電圧がDC16Vで、出力が12~72W。燃料にはメタノールを利用し、130cc(ml)の燃料カートリッジ1個で約8時間の利用が可能。サイズは幅270×奥行き282×高さ54mm(最薄部16mm)、重量は約2.2kg。内蔵バッテリー(小形二次電池)にはThinkPad用オプションバッテリーパック『ウルトラベイ・スリム リチウム・ポリマー・バッテリー・パック』(重量は0.2kg)を利用している。
今後両社は、将来的には、ノートパソコン本体にオプションとして内蔵可能なマイクロ燃料電池など、小型化と携帯性を追求していく予定としている。