このページの本文へ

代を重ねて20バージョン目が登場! オートデスク、『AutoCAD 2006』など19ソリューションを同時に発表

2005年03月17日 20時30分更新

文● 編集部 小西利明

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
シリーズ通算で20バージョン目となった『AutoCAD 2006』 オードデスク(株)代表取締役社長の志賀徹也氏
シリーズ通算で20バージョン目となった『AutoCAD 2006』オードデスク(株)代表取締役社長の志賀徹也氏

オートデスク(株)は17日、CADソフトの定番シリーズ“AutoCAD”の新製品『AutoCAD 2006』『AutoCAD LT 2006』ほか、計19のソリューション群を発表した。AutoCAD 2006などの発売は24日。

報道関係者を集めて行なわれた新製品説明会で、同社代表取締役社長の志賀徹也氏は、ワールドワイドでの同社の2005年度売り上げが30%増の12億3400万ドル(約1283億円)、日本国内では32%増の100億円の大台を達成したことに触れ、「世界の伸びより日本は常に上に行きたい。そうでないと日本の皆さんの要求が会社に反映できなくなる」とワールドワイドで展開する企業ならではの難しさを語った。そして“Create”“Manage”“Share”の3つのキーワードを掲げて、データを作るCADソフトだけでなく、作ったデータを管理・共有する製品群も日本に投入するとした。今回発表された19の製品/ソリューションは、そうした路線に基づいたものである。発表された主な製品は以下のとおり。

同社はCAD専門メーカーから脱却し、CADを中核とした管理ソフトやデータ共有の分野までビジネスを広げている
同社はCAD専門メーカーから脱却し、CADを中核とした管理ソフトやデータ共有の分野までビジネスを広げている
AutoCAD 2006
20バージョン目となるCADソフト。図面作成機能を強化。
AutoCAD LT 2006
AutoCAD 2006から設計情報の管理機能やカスタマイズ機能を省いた廉価版
Autodesk Civil 3D 2006
土木専用3次元CADソフト
Autodesk Map 3D 2006
CADデータや地理情報システム(GIS)データを連携利用する地図作成ソフト
Autodesk Inventor 10
機械設計に特化した3次元CADソフト
Autodesk Revit Building 8
建築設計用の3次元CADソフト
Autodesk Buzzsaw
プロジェクト管理ソフト
Autodesk DWF Composer、Autodesk DWF Viewer
同社のCAD製品で使われる“AutoCAD DWG”形式のファイルや、2D/3DのDMF(Design Web Format)形式ファイルを表示、印刷するソフト。Autodesk DWF Viewerは同社ウェブサイトから無償ダウンロード可能。
AutoCAD 2002以降の歴代バージョンの進化により、作業時間が短縮され生産性が向上したとする
AutoCAD 2002以降の歴代バージョンの進化により、作業時間が短縮され生産性が向上したとする

発表会ではAutoCAD 2006の新機能について、同社プラットフォーム テクノロジー本部 インダストリ マーケティング マネージャーの清水卓宏氏により説明が行なわれた。AutoCAD 2006では作業効率の向上を目指して、ユーザーインターフェース関連の改良が重視されている。その一例として挙げられたのが、“ダイナミック入力”と呼ばれる機能だ。従来は図中に数値を入力する際には、図面から目を離してコマンドライン入力部に数値を入力する必要があった。そこでAutoCAD 2006では、編集中の図面上に直接数値を入力できるように改良が加えられた。同社ではこうした作業の中心となる部分から視線を外さずに編集できる環境を、軍用機のヘッドアップディスプレー(※1)に見立てて、“ヘッズアップ・デザイン環境”と呼んでいる。

※1 ガラス状のディスプレー面に表示部から映像を投影する表示装置。パイロットが視線を外して計器板を見なくてもすむように、軍用機向けに開発された技術。現在では自動車での利用が盛んに研究されている。

ダイナミック入力の例。図面上の点の横に直接数値を書き加えられる
ダイナミック入力の例。図面上の点の横に直接数値を書き加えられる

もう1つの大きなポイントが、“ダイナミックブロック”と呼ばれる機能。図面作成に使う“ブロック”と呼ばれるパーツに、設計や配置のルールを定義することにより、複数のブロックを1つにまとめて配置・編集できるようになった。たとえば机のブロックに椅子のブロックの配置(どの向きでどこに置くかなど)を定義することで、机のサイズを変更すると、サイズに合わせて椅子の数も自動で増減されるといった処理が行なわれる。これも作業効率を改善するのに有用な機能と言える。

ダイナミックブロックの例と関連パレット。ブロック図形の配置や編集の自由度が向上している

これ以外にも、図面に注釈を加えるテキスト関連の機能も大幅に強化され、“マルチテキスト”機能により、ワープロソフトのように文字の頭揃えや配置をツールバーから変更したり、文字幅や文字間隔も変更可能になった。また図面内に記述する“寸法”の編集機能には、日本の顧客からの要望を取り入れて、円弧部分の寸法を書き加える機能などが新規に採用された。

AutoCAD 2006の対応OSはWindows XP(SP1またはSP2)/Windows 2000(SP4)。動作環境はCPUがPentium III-800MHz以上または互換プロセッサー、メモリー512MB以上、HDD 500MB以上(インストール時)となっている。価格は新規購入の場合67万2000円。アップグレードの場合はアップグレード元のバージョンによって価格が異なり、『AutoCAD 2005』からのアップグレードでは9万7650円、『AutoCAD LT 2002』以降からは61万9000円など。また年間契約でサポートや最新バージョンへのアップグレードを受けられる“Autodesk Subscription”の価格は7万1400円。AutoCAD LT 2006の価格は、新規の場合17万8500円、AutoCAD LT 2002/2004/2005からのアップグレード価格は7万1400円など。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン