ATIテクノロジーズジャパン(株)は19日、カナダATIテクノロジーズ(ATI Technologies)社が現地時間の同日、モバイルノートパソコン向けのPCI Express x16対応ハイエンド2D/3Dグラフィックスアクセラレーターチップ“MOBILITY RADEON X700”を発表、出荷開始したことを明らかにした。台湾エイサー(Acer)社、台湾ベンキュー(BenQ)社、中国Lenovo社など世界20社以上が採用を表明しているという。価格は未公表。
MOBILITY RADEON X700のロゴマーク | MOBILITY RADEON X700の製品アピール用エンブレム |
MOBILITY RADEON X700は、2004年6月発表のPCI Express x16対応ノートパソコン向けグラフィックスアクセラレーター“MOBILITY RADEON X600”の上位モデルにあたる。デスクトップ向けのハイエンドグラフィックスアクセラレーターチップ“RADEON X800”をベースにしており、トランジスタ数は1億1000万個で、コアクロック/メモリークロック(ベース)ともに350MHz、0.11μmプロセスルールで設計されている。消費電力や低発熱向け設計“Low-k(低誘電体層絶縁)膜”は利用していない。
X700の特徴・機能の一覧 |
MOBILITY RADEON X600との主な違いは、
- 8ピクセルシェーダー&6バーテックスシェーダーパイプラインアーキテクチャーを採用(X600は4ピクセルシェーダー&2バーテックスシェーダー)
- グラフィックスメモリーがGDDR3(Graphics DDR3)に対応(X600はDDR SDRAM対応)
など。このほかMOBILITY RADEON X600で採用された、液晶パネルの輝度を制御することでバッテリーの長寿命化を図る省電力機能“POWERPLAY 5.0”、オーバーレイ表示した動画表示のぼけやにじみを防ぐ“LCD-EE(LCD Enhancement Engine)”、液晶パネルの表示速度を高速化するという“LRTC”、64MBもしくは128MBのグラフィックスメモリーをチップ上に混載可能など、ノートパソコン向け機能を搭載する。
同社が実施したベンチーマークテストの結果(比較対象はMOBILITY RADEON 9700) |
同社の実施したベンチマークテストでは、すでに普及しているAGP対応グラフィックスアクセラレーター“MOBILITY RADEON 9700”の2倍以上のパフォーマンスを発揮すると説明。同社では2004年11月に発表した“MOBILITY RADEON X800”“同 X300”とともに、今年前半にはデスクトップ代替のA4ノートパソコンから薄型軽量のモバイルノートパソコンまで、PCI Express x16対応グラフィックスアクセラレーターへの普及拡大を図りたいとしている。
今年前半までに、ハイエンドのMOBILITY RADEON X800、ローエンドのX300と合わせて、ノートパソコンのグラフィックス環境をPCI Express x16に移行させていきたいとしている |