記者会見場に展示された“RADEON X600 XT”搭載カード |
ATIテクノロジーズジャパン(株)は10日、東京・新宿の京王プラザホテルで記者会見を開催し、今月1日に台湾で開催されたコンピューター関係の見本市“COMPUTEX TAIPEI(コンピュテックス タイペイ) 2004”でカナダATIテクノロジーズ社が発表したPCI Express対応グラフィックスアクセラレーター“RADEON X800 XT”など6製品を日本のプレス向けに説明した。
ATIテクノロジーズジャパンの信垣育司氏 |
会場では、PCビジネスユニットアプリケーションエンジニアリンググループ 部長の信垣育司(のぶがきいくじ)氏が壇上に立ち、プレゼンテーションを行なった。今回発表された製品と出荷時期は以下のとおり。
- RADEON X800 XT Platinum Edtion
- コアクロック520MHz/メモリークロック1.12GHz(DDR III対応、256Mbitバス)/16ピクセルシェーダーパイプライン&6バーテックスシェーダーパイプラインアーキテクチャー/7月末出荷開始予定
- RADEON X800 XT
- コアクロック500MHz/メモリークロック1GHz(DDR III対応、256Mbitバス)/16ピクセルシェーダーパイプライン&6バーテックスシェーダーパイプラインアーキテクチャー/6月末出荷開始予定
- RADEON X600 XT
- コアクロック500MHz/メモリークロック740MHz(DDR SGRAM対応、256Mbitバス)/4ピクセルシェーダーパイプライン&2バーテックスシェーダーパイプラインアーキテクチャー/出荷中
- RADEON X600 Pro
- コアクロック400MHz/メモリークロック600MHz(DDR SGRAM対応、256Mbitバス)/4ピクセルシェーダーパイプライン&2バーテックスシェーダーパイプラインアーキテクチャー/出荷中
- RADEON X300
- コアクロック325MHz/メモリークロック400MHz(DDR SGRAM対応、128bitバス)/4ピクセルシェーダーパイプラインアーキテクチャー/出荷中
- RADEON X300 SE
- コアクロック325MHz/メモリークロック400MHz(DDR SGRAM対応、64bitバス)/4ピクセルシェーダーパイプラインアーキテクチャー/出荷中
RADEON X800 XT、RADEON X600 XT、およびライバルの米NVIDIA社製GeForceシリーズとのパフォーマンス比較 |
RADEON X800 XTシリーズは、5月11日に同社が発表したAGP対応グラフィックスアクセラレーターチップのフラッグシップモデル“RADEON X800”のインターフェースをPCI Express対応に変更したもので、内部アーキテクチャーなどはRADEON X800と同一。3Dグラフィックスの表現力や処理速度を向上させる“3Dc”“HYPER Z HD”“SMARTSHADER HD”“SMOOTHVISION HD”なども同様に搭載している。
台湾ASUSTeK Computer社のRADEON X800 XT搭載カード『Extreme AX800』 | 同じくRADEON X600 XT搭載の『Extreme AX600』 | RADEON X300搭載の『Extreme AX300』 |
RADEON X600シリーズは、同社がメインストリームと位置付けるミッドレンジの2D/3Dグラフィックスアクセラレーターチップ。ピクセルパイプラインを4本、バーテックスパイプラインを2本に制限しているほか、対応メモリーはDDR SGRAM/SDRAMとなる。
RADEON X300シリーズは、PCI Express対応グラフィックスアクセラレーターのローエンドモデル。Low-k膜(低誘電体層絶縁膜)の0.11μmプロセスルールで台湾ティーエスエムシー(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company、TSMC)が製造し、ロープロファイルモデルやファンレスモデルなどの設計も可能という(RADEON X800 XTやRADEON X600シリーズはLow-k膜の0.13μmプロセス)。
会場には、日本ギガバイト(株)、台湾ASUSTeK Computer社、台湾Micro-Star International(MSI)社などがRADEON X600搭載製品を中心に、今月下旬から7月にかけて発売予定のPCI Express対応グラフィックスアクセラレーターカードを展示していたが、いずれも販売価格については未定とのこと。
ノートパソコン向けのPCI Express対応グラフィックスアクセラレーターチップ“MOBILITY RADEON X600” |
同時に、ノートパソコン向けのPCI Express対応グラフィックスアクセラレーターチップ“MOBILITY RADEON X600”も発表された。これはデスクトップパソコン向け“RADEON X600”をベースに、液晶ディスプレーでオーバーレイ表示した動画の表示がぼやけたりにじむのを防ぐ“LCD-EE(LCD Enhancement Engine)”や、バックライトの輝度をグラフィックスアクセラレーターチップ側から制御することでバッテリーの長寿命化を図る省電力機能“POWERPLAY 5.0”などを搭載。従来のMOBILITY RADEONシリーズ同様、グラフィックスメモリーを混載(MCM:Multi-chip Module)可能で、メモリー外付けタイプ/64MB混載タイプ/128MB混載タイプを用意する。
液晶ディスプレーでオーバーレイ表示した動画の表示がぼやけたりにじむのを防ぐ“LCD-EE(LCD Enhancement Engine)”の説明 | ノートパソコンでグラフィックスアクセラレーターを交換できるバスアーキテクチャー“AXIOM(アクシオン、Advanced eXpress I/O Module)” |
また、デスクトップパソコンの代替として拡張性を優先したノートパソコン向けに、グラフィックスアクセラレーターを交換できるバスアーキテクチャー“AXIOM(アクシオン、Advanced eXpress I/O Module)”を開発し、現在ノートパソコンメーカー各社に公開していることを明らかにした。MOBILITY RADEON X600搭載ノートパソコンは、今年秋頃に登場予定という。