NEC、2005年春モデル“VALUESTAR/LaVie”の新製品発表会を開催――NECエレクトロニクスと共同開発の高画質化チップ“VISITAL”をアピール!!
2005年01月06日 14時15分更新
NECの執行役員 常務の片山 徹氏 |
日本電気(株)(NEC)とNECパーソナルプロダクツ(株)は6日、東京・三田の三田NNホール&スペースにプレス関係者を集め、デスクトップパソコン“VALUESTAR(バリュースター)”およびノートパソコン“LaVie(ラヴィー)”2005年春モデルの新製品発表会を開催した。各製品の詳細については、すでにニュース記事(VALUESTARはこちら、LaVieはこちらを参照)でレポートしているが、ここでは会場で説明されたTVの高画質化に関する詳細や、2004年度第3四半期の概況について紹介する。
NECパーソナルプロダクツの執行役員の村木一至氏 |
発表会には、NECの執行役員 常務の片山 徹氏、NECパーソナルプロダクツの執行役員の村木一至氏、マーケティング本部長代理の西田久能(にしだひさよし)氏が出席した。最初に片山氏が壇上に立ち、第3四半期の概況について、「アテネ五輪の影響から、2004年度前半はAV製品を中心に家電製品に(パソコン市場が)押される形となったが、後半は盛り返している。この要因として、普及価格帯のTVパソコンが増えて市場が広がったこと、ノートパソコンに色鮮やかな液晶パネルを搭載し、ユーザーがそのメリットを感じられたこと、ビジネス部門でも設備投資が順調に伸びて、需要が好調に推移していること、などが挙げられる。NEC単独で言えば、デザインや外観、キーボードがスライド式に収納できてTVと見間違えてしまうといったTV CMの効果もあって、液晶一体型の“VALUESTAR S”が好評だった。LaVieも液晶の鮮やかさが受けて、高い市場シェアを保っている。2004年はこうしたパソコンとデジタル家電が“家庭の財布を奪い合う”という状況だったが、今年はDLNA(デジタル・リビング・ネットワーク・アライアンス)の普及が加速し、パソコンとデジタル家電の垣根がなくなって、コンテンツの相互利用が進むものと思われる。例えば、パソコンに蓄積したTVの映像などを、TPOに合わせてパソコンの画面で見たり、リビングの大画面TVで楽しんだり、という利用が増えるだろう。そのためには、パソコンにおいても、家電に見劣りしない画質と使いやすさが求められる」と語り、VALUESTAR/LaVieの新製品においても、TV画質と使い勝手の向上を図ったことを紹介した。
発表会の会場に展示された新モデル『VALUESTAR SR VR770/BD』 | 同じくノートパソコンの新モデル『LaVie TW LW900/BD』 |
VR770/BDの側面 | LW900/BDの側面 | LW900/BDのキーボード |
高画質化の詳細については、村木氏が既存のTVパソコンとの違いに触れながら説明した。まず、ユーザーの求める声として、
- より明るく
- よりクッキリと
- より色鮮やかに
- 色をすっきりと
- 自然な動きで
といった、リビングで見ているTVと同様の画質を求めていることを紹介。それを実現するために、NECとしては、チューナーや映像処理、MPEG変換などを行なう“TVボード”、IP変換や解像度変更、色空間変換などを行なう“PCグラフィックス”、最終的な表示を行なう“液晶パネル”の3点で強化・改良を施したと説明する。
NECが掲げる、コンシューマー向けパソコンの方向性 | 新製品の強化方針 | |
2005年春モデル登場後のVALUESTARシリーズのラインナップ | 2005年春モデル登場後のLaVieシリーズのラインナップ |
TVボードの改良については、従来3次元Y/C分離、NTSCデコーダー、MPEG-2エンコーダー、PCIブリッジ/DMAコントローラーといった複数チップで構成される機能を1チップ化し、A/D変換を10bitの高精細処理に、3次元Y/C分離やNTSCデコーダー、MPEG-2エンコーダーも高画質化したもの。これにより、チップ間の結線によるノイズの混入、画質への悪影響を防げるという。
TVパソコンを高画質化するためのポイント | NECエレクトロニクス(株)と共同開発した高画質映像処理エンジン“VISITAL(ビジタル)” |
PCグラフィックスと液晶パネルでの表示については、カナダATIテクノロジーズ社が開発したLRTC(LCD Response Time Conpensation)アルゴリズムによる“デジタルオーバードライブ機能”を搭載することで、液晶パネルの応答速度以上の描画切り替えを実現できるという。具体的には、応答速度25msの製品が16ms相当の高速描画を実現できるという。また、VALUESTAR SRに搭載した液晶パネルは、より高速な画面描画を実現するため応答速度12msの製品を採用していると説明した。
これらのTV高画質化技術は、Windows上で表示/録画/タイムシフト再生・録画などの利用時のほか、Windowsを起動せずに電源オフから高速にTV視聴を行なう“インスタント機能”でも効果を発揮する。
高画質化技術のひとつ“デジタルダイレクト処理” | 液晶パネルについても、色度域の広い“スーパーシャインビューEX液晶”を採用 | |
デジタルオーバードライブ機能の搭載によって、動きの早い映像でもぶれの少ない表示を実現 | 2005年春モデルで搭載した高画質化技術の一覧 |
NECでは、「こうした画質面の向上を今後も進め、同社と東芝が中心になって開発を進めている“HD DVD”によるハイビジョン録画向け家電製品とTVパソコンの分野で、市場をリードする製品を作って行きたい」(片山氏)と締めくくった。
新製品のCMプロモーションについては、引き続き俳優の玉木 宏さん、山本太郎さんが“新・録画生活”をアピールするという |