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V3 ウイルスブロック 2005 インターネットセキュリティ

V3 ウイルスブロック 2005 インターネットセキュリティ

2004年10月12日 00時00分更新

文● 宇野 貴教

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サクサク進む高速なスキャン
常駐時のもたつきもほとんどなし

 実際にV3B2005をインストールすると、タスクトレイに“V3B2005”と“ファイアウォール”のアイコンが追加され、ここから動作設定の切り換えや設定画面を呼び出せる。画面レイアウトは左に大きなアイコンで機能の切り換え、右に現在の設定状況などが並ぶ。シンプルながら画面は見やすく、“More”ボタンを押すことで選択した項目の詳細セキュリティ設定を呼び出せるなど、インターフェイスの使い勝手は良好だ。

ウイルススキャン中の画面
画面4 ウイルススキャン中の画面。現在スキャン中のファイル名が表示されるが、凄まじい速さで切り替わっていく。スキャンの速さは文句なしだ。

 まずは手動スキャンでメモリとHDDのウイルス検索を行なってみる。ドライブまたはフォルダを指定した後にスキャンボタンを押すと作業が開始されるが、ここで1ファイルあたりのスキャン時間が極めて短いことに驚かされる。これは各ファイルをウイルスが潜んでいる領域のみをスキャンする“特定位置スキャン”により実現している。そのため、画像/動画や圧縮ファイルなどの巨大ファイルのスキャン時間は大幅に短縮され、スキャン中のログを見ると、ほぼ一定のペース(といっても速すぎて読み取ることは不可能だが)で表示ファイルが切り替わっていく。これを見ればV3B2005がいかに高速であるかが誰でも体感できるだろう。インストールしたのはPentiumIII-600MHzの非力なノートパソコンで、保護レベル“高”だと動作はかなり遅くなるものの、保護レベル中ならインストール前と比べてその差をわずかに感じる程度にとどまる。速度に関しては看板に偽りなしの高速さだ。



Webブラウズやメールだけでなく
メッセンジャーも監視

スパムメールの排除設定
画面5 スパムメールの排除設定は、文字列の検索ルールに正規表現が指定できるなど強力な検索機能を持つ。使いこなせば、しつこい業者のメールも確実にブロックできる。

 メールの監視は“POP3”と“Outlook”の2タイプが用意され、「Becky!2.0」や「Eudora6J」などのメジャーなメールソフトでは、クライアントソフトの接続設定を自動取得できる。また「Windows Messenger」やMSN/AOL/Yahoo!/ダウム(相性占い付き)の各メッセンジャーソフトに対応し、これらでやりとりするファイルのウイルスチェックが自動的に行なわれる。メールやP2Pでのファイルのやりとりも安心して行えるわけだ。これらは基本的にユーザーが意識して設定を変更する必要はなく、自動設定のままでセキュリティは確保される。

 ウイルス監視全体の設定も、細かなカスタマイズが可能だが保護レベル高/中/低の中から「中レベル」を選択すれば、セキュリティ的に問題はなくシステムのパフォーマンスの低下もほとんどない。知識がなくともすぐに利用できる簡単さである。



ファイヤウォール2005の設定画面
画面6 外部からの侵入やトロイの木馬からのデータ流出を防ぐ、ファイヤウォール2005の設定画面。基本的にスライダを中にしておくだけで大丈夫だ。

 個人情報のリアルタイム監視はファイアウォールが担当する。パスワードや口座番号などの情報をあらかじめ登録しておき、それに該当するデータが発信されようとした場合はストップさせ、警告を出す仕組みだ。もちろん信頼できる通販サイトなどを利用する場合は、あらかじめスルーさせる(警告を表示しない)通信先を指定しておくこともできる。

 不正なパケットの送受信を防ぐファイアウォール機能は、アプリケーションごとにパケットを通すかどうかの設定が可能だ。例えばファイアウォール機能を有効にしたままネットワークゲームをプレイしたいなら、そのゲームの実行ファイルを指定し、“アクセス許可”の設定を行なえばいい。また、現在オンライン状態のアプリケーション/通信先/パケット量などをリアルタイムでモニタリングすることもできる。オフラインになった時点でリストからは消えるが、ログは残るので何かしらのスパイウェアが入っているかどうかを探ることも可能だ。

現在オンライン状態にあるアプリケーション、アクセス先のIPアドレスなどをリアルタイムにモニタリング
画面7 現在オンライン状態にあるアプリケーション、プロトコルポート、アクセス先のIPアドレス、データ送受信量などをリアルタイムにモニタリングできる。

 そのほかにも通信量のモニタリングができるなど、ソフトウェアによる自動監視だけでなく自分の“目”でもチェック可能というのはなかなか便利に感じた。各アプリの通信許可設定の変更はリストからダブルクリックするだけで行なえ、それがどんなアプリケーションかもアプリ名と実行ファイル名がフルパスで表示されるのでわかりやすい。ファイアウォール機能のインターフェイスはかなり洗練されている。



アプリケーション単位でアクセス許可を出すことも可能
画面8 ネットワークゲームなどアクセス許可を出したい場合は、そのソフト(実効ファイル)を選んで通信許可に設定する。事前にファイルを指定して設定できるが、未登録のソフトが通信を行なおうとすると、許可確認のウィンドウがポップアップするので、そのときに設定してもよい。

若干のスキはあるものの 十分な性能と使い勝手を誇る

 このように速度面、初心者でも上級者でも満足のいく設定項目、充実したファイアウォールが揃い、隙らしい隙はほとんどないが、ポップアップタイプの広告ウィンドウをブロックする機能やURLフィルタリング機能は搭載していない。この点がクリアできれば、総合セキュリティソフトとして最上級の部類になるだろう。

 とはいえ、3000円を切る価格を考えれば現時点でもベストチョイスとして導入、友人に勧めても間違いない。設定をボタン一発で済ませたいライトユーザー、怪しいサイトへのネットサーフィンが当たり前でファイルのダウンロードもガンガン行うデンジャラスにネットを楽しむユーザー、複数台のパソコンにセキュリティソフトを導入したいユーザー、そして何よりセキュリティを確保してもレスポンスの低下は困るというユーザーが、ローコストで高セキュリティを手に入れるには最適なソフトである。

V3 ウイルスブロック 2005 インターネットセキュリティ
製品名 V3 ウイルスブロック インターネットセキュリティ
対応OS Windows 95(OSR2以降)/98/Me/NT 4.0 Workstation(SP6以上)/2000 Professional(SP1以上)/XP
CPU Pentium-133MHz以上(Windows 95/98/NT 4.0/2000)
Pentium-150MHz以上(Windows Me)
Pentium-300MHz以上(Windows XP)
メモリ 32MB以上(128MB以上を推奨)
HDD 空き容量100MB以上(200MB以上を推奨)
対応メールソフト Microsoft Outlook 97/98/2000/2002/2003、Microsoft Outlook Express5.5以上、Netscape 4.x/6.x/7.x、Becky 2.0、Eudora6J以上
対応メッセンジャーソフト MSN Messenger 5.0以上、Windows Messenger4.x以上、YahooMessenger5.1.x以上
個人情報保護機能 Webブラウザー Internet Explorer 5.0.0以上、Netscape7.1以上、Opera6以上
メール Outolook 2000以上、NetscapeMail 7.1以上、Eudora6J以上、Beckey2.11.02以上
メッセンジャー MSN Messenger 5.0以上、Windows Messenger4.x以上、YahooMessenger5.1.x以上

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