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V3ウイルスブロック インターネットセキュリティ

V3ウイルスブロック インターネットセキュリティ

2004年02月17日 00時34分更新

文● 宇野 貴教

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V3ウイルスブロック インターネットセキュリティ

NECインターチャネル

2980円

NECインターチャネルの「V3ウイルスブロック インターネットセキュリティ」は、いまや押しも押されぬブロードバンド大国である韓国のアンラボ(AhnLab)社が開発したアンチウイルスソフトとパーソナルファイアウォールソフトを1パッケージにまとめた、総合セキュリティ対策ソフトだ。このジャンルのソフトはすでに多くのメーカーからも発売されているが、本ソフトは登録後1年間の無料サポートがついて2980円という、圧倒的な低価格がセールスポイントとなっている。

非常にシンプルな設定画面
画面1 設定画面は非常にシンプル。定期スキャンを指定すればデフォルトのままで大丈夫なので初心者にも安心だ。

 本ソフトのセキュリティー機能は以下の4つの監視機能が基本となる。

  • ファイルやシステムのメモリ領域を検査する「システム監視」
  • Webページ閲覧時に、Webを通して感染されるウイルスに対する防御とHTTPからのダウンロード時の検査を行う「インターネット監視」
  • 受信メールの添付ファイルをメールソフトが受信する前にスキャンする「POP3監視」
  • 不正アクセスによる情報流出とシステム破壊を防止する「ファイアウォール」

 システム監視が、万一感染したファイルを取り込んで実行しようとした場合の駆除を行い、残りの3つの機能がPC内に侵入しようとするウイルスを未然に防ぐという仕組みだ。アーカイブ(書庫)ファイルにも対応しており、LHA、ZIP、CAB、RARをはじめとした20種類以上の書庫/圧縮形式に対応し、アーカイブ内のファイルもそのままウイルス検索の対象となる。POP3監視に対応するメールクライアントはMicrosoft Outlook、Outlook Express、Netscape Mailの3つのみというのは、ほかのメールソフトを使っているユーザーに不満が残るところだ。

ウイルス(虫)が退治されるアニメーション
画面2 ウイルス検索中はウイルス(虫)が退治されるアニメーションが表示される。予想終了時間が表示されないのは残念なところ。

 低価格とシンプルな操作性を実現するために、他社製アンチウイルスソフトのような独自機能はないものの、セキュリティ対策のために必要な機能は備わっているのでこれ1本持っていれば不安はない。ウイルスの検知エンジンは定期的にアップデートが行われ、クライアントソフトがこれに合わせて更新作業を自動実行するので、(インターネットに常時接続していれば)インストールした後はユーザーが自らソフトを操作する必要はほとんどない。また、機能がシンプルなぶん、設定もほとんどデフォルトのままで問題ないこともあって、PCの用語や操作に不慣れな初心者向けのアンチウイルスソフトとして最適の1本と言える。

ファイアウォールの設定画面
画面3 ファイアウォール機能の設定画面。アプリケーションごとにアクセスの許可/不許可を設定できる。InternetExplorerといった主要なものは自動的に設定されている。

 ファイアウォール機能は、IPアドレスやプロトコルおよび使用ポートをユーザーが直接指定して送受信を制限するほかに、アプリケーションごとに通信を許可するかどうかを設定できる。Internet Explorerといった必須ソフトに関しては、インストール時に自動設定してくれるので初心者ユーザーがいきなり設定で頭を悩ますことはない。この機能は、ネットワークゲームやチャットソフトのような一時的に通信を許可したい場面に有効で、簡単に設定を切り替えられるのが便利だ。これらの通信許可設定(ポリシー)は複数登録しておけるため、DHCPサーバやIPアドレスなどの接続するネットワークの設定情報と組み合わせておけば、会社と自宅、外出先のホットスポットのように接続環境の変化に応じてポリシーも自動的に切り替わる。ノートPCを持ち歩き、1台で仕事もホビーもこなしているユーザーには重宝する機能である。

ノートPCでも快適な動作

複数のポリシーを設定可能
画面4 複数のポリシーを設定することができ、IPアドレスといった条件を指定しておけばそれに応じて自動的にポリシーが切り替わる。ノートパソコンを持ち運んで使う際に便利だ。

 本ソフトは常駐させても軽量で(メモリ使用量が少なく)、ほかのアプリの動作が高速なのも特徴のひとつだ。Windowsの起動直後に常駐して以後は監視を続けるわけだが、導入前と導入後でWebブラウザの実行スピードの差はほとんど体感できない(CPUにMobile Pentium III-600MHz、メモリ384MBのノートPCでテスト)。これはモバイルノートPCのような、CPUが非力な環境のユーザーには大きなメリットと言える。また、Windows 95やWindows NT 4.0といった比較的古いOSに対応している点も見逃せないポイントだ。職場のPCなどで簡単にはOSをアップデートできない環境になると、最新のウイルス対策ソフトではサポート対象外になっている場合もあり、このような状況でお悩みのユーザーにはありがたい存在だろう。


 ファイアウォール、ウイルススキャンともに機能はシンプルで、セキュリティ対策ソフトを使いこなしている上級者には少しもの足りないかもしれない。しかし、インストール後はほとんど手放し状態でも運用できる手軽さが、初心者には何よりうれしいはず。コストパフォーマンス(導入コスト)も他を圧倒する安さなので、とにかく安く手軽に“インターネットの向こうの見えない敵”から自分のPCを守りたい人にはうってつけのソフトである。


V3 ウイルスブロック インターネットセキュリティの主なスペック
製品名 V3 ウイルスブロック インターネットセキュリティ
対応OS Windows 95/98/Me/NT 4.0(SP6a以上)/2000(SP1以上)/XP
CPU 動作クロック300MHz以上のPentium互換CPU(Windows XP)
Pentium-150MHz以上(Windows Me)
Pentium-133MHz以上(Windows 2000/NT 4.0/98/95)
メモリ 32MB以上(それぞれOSの動作環境に依存)
HDD 30MB以上
そのほか インターネットに接続できる環境、Microsoft Internet Explorer 4.01以上

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