夏は、海へ山へとレジャーに出かけてデジタルカメラの出番も多い季節だが、なんといっても夏はやっぱり花火大会。夜空に開く大輪の花を写真に残しておきたいと思う人も多いだろう。花火はフィルムカメラの時代から重要な被写体であり、確立した撮影手法があるが、ここではデジタルカメラならではの切り口で“花火撮影のポイント”を紹介しよう。
■三脚は必須
デジタルカメラユーザーのための撮影基礎講座 第9回 デジタルカメラ撮影の基本のキ とにかく三脚を買おう | Cyber-shot DSC-U20 夜景撮影サンプルコレクション |
デジタルカメラは気軽に使える製品だけに、街中でのスナップ撮影中心の人は三脚を持っていない(買うことを思いつかない)場合も多いようだ。が、夜景撮影と同じく花火を撮るとなるとやはり三脚は必須と考えよう。「ボクのは光学式手ぶれ補正機能付きのデジタルカメラだから手持ちでも大丈夫でしょ?」と安心してもいけない。露光時間(シャッター速度)が1/10秒程度ならまだなんとか補正も効くだろうが、1秒以上の露出ともなると補正しきれるものではない。
また、ちょっとした夜景撮影のように手近な平面にカメラを押し付けることで半固定するという手もないではないが、アングルが限られるうえ、花火大会の会場でそんな都合のいい場所が運良く空いている、なんてことはめったにあることではない。なにがなんでも三脚を持って会場に向かおう。
花火撮影に必要な機器の代表、三脚。 | 花火大会の会場では、立って撮影してるのも厳しい場合がある。そんなときには小さな椅子もあると便利だ。 |
できればリモートレリーズも用意しておきたい。ケーブル経由でシャッターを切ることで、カメラ本体のシャッターボタンを押す動作によるわずかな振動も排除できるからだ。最近ではリモートレリーズの多くが電気的な“リモートスイッチ”となっており、カメラへの装着も簡単だ。
【ありがちな花火撮影のミス】 手振れによる失敗例。 |
ただし、コンパクトタイプのデジタルカメラの場合はリモートレリーズ用端子を持たない機種が多く、赤外線リモコン式のリモートシャッター機能を装備している機種もある。この赤外線タイプは主にセルフポートレート用なので、シャッターボタンの半押し感(フォーカスロック)がなかったり、カメラ前面にしか受光窓がないものも少なくない。カメラは当然空に向かって構えているので、レンズ正面からリモコン操作することになるので、あまり実用的とはいえない。できれば有線タイプのリモートレリーズを使いたいところだ。
機械的にシャッターボタンを押す汎用タイプのリモートレリーズ(エツミ製「コンパクト用シャッターボタン E-398」)を利用する手もあるが、もしリモートレリーズを使わないのなら、三脚をできるだけ頑丈なものにしてしっかりカメラを固定し、シャッターボタンの押し下げ動作による“ぶれ”を可能な限り少なくするように努めよう。
なお、言うまでもないことだが、夜景撮影に用いるセルフタイマーによる手ぶれ防止は、打ち上げから開花までのタイミングが読めない花火においてはあまり有効ではない(場合が多い)。