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アドビシステムズ、『After Effects』『Premiere Pro』『Encore DVD』『Audition』をバージョンアップ――『Premiere Pro 1.5』にはアクティベーションを装備

2004年04月20日 12時21分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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“プロジェクトマネージャー”によって、複数パソコンでの編集作業が楽に!
『Adobe Premeire Pro 1.5』

『Adobe Premeire Pro 1.5』のパッケージデザイン
『Adobe Premeire Pro 1.5』のパッケージデザイン

動画編集ソフトPremiere Proの最新バージョン、1.5では新たに“プロジェクトマネージャー”を搭載し、HDD上の異なるフォルダーに存在する素材ファイルを一括管理・バックアップが可能になった。これは自宅と会社など異なるパソコン環境で制作活動を続ける場合に、必要なファイルをまとめて移動できるほか、トリミング済みなどの不要なファイルの削除、空き容量の拡大などにも役立つという。

表現力を向上する機能強化点は、“自動レベル補正/自動カラー補正/自動コントラスト/シャドー&ハイライト”の色補正ツールを採用したほか、ピクチャーインピクチャー(動画の中に別の動画を差し込む)でサブピクチャーの動きをベジェ曲線(滑らかな曲線を描く手法)で指定できるようになった。ベジェ曲線の操作に不慣れなユーザーには、移動させたい始点/中間点/終点を指定すると自動的に補間した曲線を描く“自動ベジェ”機能も用意されている。



『Adobe Premeire Pro 1.5』のメイン画面
『Adobe Premeire Pro 1.5』のメイン画面

Adobe製品との連携機能も強化された。特にAfter Effects 6.5を併用している場合には、タイムライン(時間軸にそってビデオ/オーディオ/エフェクトなどの各種データが並ぶ)ウィンドウの素材(一部もしくは全部)をコピー&ペーストすることで、After Effects 6.5のタイムライン上に編集情報を反映した状態で再現できる。また、After Effecets 6.5を同じパソコンにインストールしている場合、Premiere Pro 1.5からAfter Effectsのプラグイン機能(エフェクト/フィルターなど)を利用することもできる。

新たに追加された“波紋”のエフェクトを適用 テキストの挿入でも効果的な演出が可能
新たに追加されたエフェクト、“波紋”を適用しているところテキストの挿入でも効果的な演出が可能になった

なお、Premiere Pro 1.5は、Photoshop CS(Windows版)に続いて同社で2本目のアクティベーション対応アプリケーションとなる。アクティベーション機能は、インストール後のユーザー登録時にパソコンの構成(ハードウェアスペック)からインストール先のパソコンを特定し、同じパッケージで複数のパソコンにインストールできないよう制限するもの。

ベジェ曲線によるモーション設定が可能に
新たにベジェ曲線による動き(モーション)の設定が可能になった

対応OSはWindows XP SP1以上。動作環境はCPUがPentium III-800MHz以上(HTテクノロジ対応Pentium 4またはXeonプロセッサーを推奨)、メモリー256MB以上、HDD 800MB以上、など。



ビデオ編集ソフトなどとの連携を強化
『Adobe Encore DVD 1.5』

『Adobe Encore DVD 1.5』のパッケージデザイン
『Adobe Encore DVD 1.5』のパッケージデザイン

アドビシステムズ初のDVDオーサリングソフトとして、2003年8月に登場したEncore DVD。マイナーバージョンアップとなる1.5では、ほかのビデオ編集・加工ソフトと同様にオリジナルDVD制作における生産性の向上とAdobe製品との連携機能の強化などが図られている。

Adobe製品との連携では、Premiere Pro/After Effectsで編集時に設定した“マーカー”(場面転換点などとしてユーザーが明示的に挿入したポイント)を、DVDメニューのチャプター(ひとつのビデオクリップの途中から再生開始するポイント)として読み込みが可能。また、メニュー作成機能にPhotoshop CSのグラフィックスエンジンを採用し、Photoshopと同様の“ガイド機能”(補助線を一定間隔で表示し、オブジェクトを線に吸着する形で配置できる)を利用可能。また、作成途中のデータをPhotoshop CSに読み込んで、編集作業の続きを行ない、結果をEncore DVDに反映できるほか、Photoshopで行なった操作のアンドゥ(取り消し)をEncore DVDから実行することも可能となっている。



ガイド機能を使って、チャプターボタンを吸着しながら配置 DVDへの書き出し前に“プロジェクトのチェック”を実行
新たに設けられたガイド機能を使って、チャプターボタンを吸着しながら配置しているところDVDへの書き出し前にエラーの確認が可能な“プロジェクトのチェック”を実行したところ

また、DVDへ書き出す前に、リンクの張られていないボタンや連続再生リストに含まれない映像ファイルなど、作成したDVDの不具合、ならびにディスク1枚に収まる容量か否かを確認する“プロジェクトチェック機能”を装備。ここでエラーが発見された場合は、ログの当該行をダブルクリックすることで編集ウィンドウに切り替わり、エラーの解消にすばやく取り掛かれるという。

なお、書き出し前の確認(プレビュー)はパソコン上で行なうほか、IEEE 1394接続のビデオカメラの液晶ディスプレーや、ビデオカメラのアナログビデオ出力端子に接続したTV画面でも行なえる。これによりパソコンとは異なるTV画面での色味や表示領域などの確認が可能となる。

対応OSはWindows XP SP1以上。動作環境はCPUがPentium III-800MHz以上(Pentium 4またはXeonプロセッサーを推奨)、メモリー256MB以上、HDD 500MB以上(インストール時)+2GB以上(作業時)、記録型DVDドライブ(DVD-R/RW、DVD+RW/+R)、など。



ついに日本語化されたアドビの音楽編集ソフト
『Adobe Audition 1.5』

『Adobe Audition 1.5』のパッケージデザイン
『Adobe Audition 1.5』のパッケージデザイン

Adobe Auditionは、2003年5月に買収した米Syntrillium Software社のオーディオ編集ソフト“Cool Editシリーズ”がベースにした音楽編集ソフトで、インターフェースなどはほかのAdobe製品とは異なる。また、2003年8月に発売された最初のバージョン(1.0)は英語版ソフトウェア+日本語マニュアルという構成だったが、今回の1.5ではメニューなどが日本語化され、より使いやすくなったという(ただし、オーディオエフェクトの名称など、日本語化すると意味が伝わりにくいものはあえて英語表記を採用した、とのこと)。

1.5では、音声を合わせる対象となる映像(動画や静止画)を時間軸で管理するタイムラインが改良され、動画/静止画をサムネール表示できるようになったことが大きい。さらに動画のプレビューウィンドウが表示され、オーディオ編集中にその音声が再生されるシーンの確認が、Audition単体でできるようになった。読み込み可能な動画フォーマットは、従来から対応しているAVI形式に加えて、DV-AVI、MPEG-1/MPEG-2、WMV(Windows Media Video)もサポートする。



ビデオ編集ソフトのように動画をプレビューしながら音声を編集 時間軸と周波数領域を矩形で指定
あたかもビデオ編集ソフトのように、扱う動画をプレビューしながら音声の編集が可能時間軸と周波数領域を矩形で指定して、その範囲にのみ編集・加工が行なえる

オーディオ編集機能では、波形からノイズ成分(短時間で唐突に音声出力レベルが変わる場所など)を自動抽出して除去できる機能が搭載されたほか、ステレオ音源からセンター音を計算し、センター音の逆位相を加えて消去することで“ボーカルキャンセル(インストゥルメンタル)”、もしくは逆にセンター音以外を消去することで“アカペラ(ボーカルトラック)”などの作成が可能になった。

波形編集機能では、従来時間軸で指定したすべての周波数帯の音声が編集対象となっていたが、1.5では時間軸と周波数領域を矩形で指定できるため、一定範囲の周波数にのみエフェクトをかけたり、カットするといった加工が従来よりも容易に行なえるようになった。

また、他社の波形編集ソフトとの連携を図る“ReWireテクノロジ”をサポート、音楽素材の再生開始/終了位置や挿入タイミング、テンポ設定、トラック情報などを保持したまま、複数の波形編集ソフトにデータの受け渡しが可能。

対応OSはWindows 2000(SP4以上)/XP SP1以上。動作環境はCPUがPentium III-400MHz以上(Pentium 4-2GHz以上を推奨)、メモリー64MB以上、HDD 700MB以上、など。

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