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【特別企画】アキバで閉店相次ぐ!今、電気街で何が起こっているのか?

2004年02月07日 00時00分更新

文● 編集部

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 「最近、お店の閉店とか多いよね。うちも他人事じゃないんだけど……(D店)」「寂しい限り。あれほど便利な店はなかった(A店)」「驚いたね。個人的によく利用してたし、外から見ててもお客さん入ってるようにみえたけど(B店)」「再開発が終わるまでもってほしかった。そうすれば人の流れも変わっていたし存続できたかも(C店)」

 今月に入り、DVD・CDからホビー、アダルト関連までを取り揃えて親しまれ、白いビルがアキバのランドマークともなっていた大型店舗、ASOBIT CITYが閉店を発表した。さらに同じく中央通沿いで長く営業を続けていたサトームセン中央通り店も閉店が決定、サトームセン系列ではさらにサトームセンパソコン館 PC islandも今週いっぱいで閉店となるなど、このところ大型店舗の閉店が相次いでいる。
 今、アキバで何が起こっているのか。今回は特別企画として、ここ2年間での店舗の閉店あるいは移転を記事で振り返るとともに、アキバのショップ関係者に話を聞いてみた。



ASOBIT CITY(2004年2月2日)

 「閉店したとしても、別の店が代わりに入ってくれるなら気にしない(E店)」「空いたままになると辛いですね。寂れた感じに見えるので(F店)」という声に反し、「それにしてもテナントが入らないね。場所は悪くはないんだけど(G店)」と、閉店以来シャッターが下ろされたままになっているT-ZONE.AKIBA PLACE。「たぶん、賃料が相場よりだいぶ高いんだろうね(G店)」とように、同店のケースに限らず、アキバ全体のテナントの賃貸料の高さを指摘する声も。大通り沿いの大きなビルの、しかも集客のいい1階が埋まらないということは、この業界全体の体力低下が深刻になっているということなのかもしれない(ちなみに2001年のデータによると、人気エリア1階の坪単価は大雑把に3~8万円)。
 「1階のテナントも最近はよく空いてるけど、階が上がるごとにすごいことになってるよ。ガラガラなんじゃないの? まぁ当たり前といったらそうなんだけど、昔は4階5階にもパーツショップいっぱいあったもんね(H店)」



T-ZONE.AKIBA PLACE(2003年4月2日)

 「中央通りが寂れて見えるのは寂しい。せめて裏通りは元気でいてほしいです(I店)」
 移転による入れ替わりはあるものの、小規模店舗が林立し活気を保っている裏通りエリア。しかし実情が厳しいのは同じであるようで、「だってさ、CPUの価格改定とかいきなり入って、もし在庫があったら1つ売るごとに万単位で赤字だよ。HDDだって2、3万のもの売って利益数十円とかさ。ありえないでしょ普通。そのくせ、もっと安くなんないの? とか、言われてもさ……(K店)」というような悲痛な叫びも。「価格競争が厳しすぎて、ショップが自分で自分の首を絞めている(J店)」「数がさばけないと、代理店からの送料などの負担も重くなってくる。器の小さい店は厳しいでしょうね(A店)」と、価格競争の弊害を指摘するコメントが多かったのが印象に残った。「パーツショップは少し淘汰されてきた感じがするね。結局、みんな大きいところに吸収されちゃうっていうか。小さいところでも独自でやっているショップにはがんばってもらいたいね(L店)」「例えばこの店はCPUが安くて強いかわりにHDDが高い、というように店ごとの特色がもっとあっていい。小さいショップ同士で共存できるようになれれば……(E店)」というコメントのように、小規模店舗は小回りのよさを生かして独自性で勝負というのが流れのようだ。

若松通商本店(2004年1月23日)
コムサテライト3号店(2003年12月19日)
コムサテライト2号店(2003年2月1日)
DOS/Vパラダイスネットワークセンター(2003年1月7日)
コムサテライト1号店(2002年9月19日)

 「やっぱり時代は“アニメ”かねえ。深夜の行列とか見てると、ホント羨ましいよ。今思うとWindows95の発売の時とかが一番よかったのかな。いまどきOS買うのに深夜12時にアキバ来ないでしょ(M店)」
 今やアキバはパソコンの街ではなく、アニメとゲームの街になったとよく言われている。ゲーマーズは「でじこビル」こそ失ったものの秋葉原駅前という絶好地に新店舗を確保し、ASOBIT CITYとサトームセン中央通り店が閉店する一方、その間に挟まれたアニメイト秋葉原店とらのあな秋葉原1号店は軒を並べて健在。道路を挟んでその向かい一帯はメッセサンオー店舗群に占領されて久しく、休日ともなれば大賑わいとなる。
 こういった動きに関しては、「どこかの経済評論家が言ってたんですが、アキバの中心が無線/電子→家電→PC→アニメ/ゲームと、10年サイクルで変わってるんですよ。今はちょうど変わってる真っ最中って事なんでしょうね(N店)」「新しい店が入ってくるとして、価格競争に波乱を起しそうな“新参者”だと、正直ちょっと困る。大きいチェーン店の支店ならまあ無難。異業種が進出してくれるのが一番いい。競争相手が増えずに、街が賑やかになってくれるわけだから(E店)」という風に、“そっちはそっち、こっちはこっち”と、停滞したところに新しい血が入る世の流れとして冷静に受け止められているようだった。

ゲーマーズ本店(2003年3月5日)

 また、「裾野が広がっていない。新たにパーツ系に興味を持ってってアキバに来る人が少なくなった(N店)」「マニアが少なくなりましたね。昔の“アキバらしさ”がなくなってきた気がします(J店)」と、アキバの商業を支える消費者層の変化も指摘された。が、これはパイが小さくなったというより、どちらかといえば「今は昔と違って地方でもパーツが買えるようになりましたし、ネットでも買える(N店)」というように、販路の多様化が進み、アキバへの一極集中が終わりユーザが分散したと見るべきだろう。このところは停滞しているとは言え、10年前に比べればPC市場は大幅に拡大しているのは確か。需要と供給の均衡点に達したところで、拡大を目指すのではなく市場を維持していくという時代に入ったのかも知れない。

ラオックス ザ デジタル館(2002年12月5日)
サトームセンパソコン館 PC island(2004年1月16日)

 最後に、老舗ショップの方に話を聞けたので、そのコメントを紹介したい。

 「とにかくアキバは家賃が高すぎるんだよ。それで安売りするから利益が全部持っていかれて、どこも赤字。今儲かってるのはジャンク屋とマンガ屋だけだよ。こんな状況でヨドバシカメラが進出してきたら大変だから、今どこも採算の合わない店をどんどん捨ててリストラ(再構築)して、力を集中させてる所なんだよ。だから、閉店とか移転はまだ続くよ。みんな腹をくくったって事だね」



※当初文中にサトームセン駅前2号店の表記がありましたが、正しくは「サトームセン中央通り店」の誤りでした。お詫びして訂正します。

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