日本電気(株)は28日、都内で記者会見を行ない、2003年度の新体制と経営方針について本日付で代表取締役社長に就任した金杉明信(かなすぎあきのぶ)氏が説明を行なった。なお前代表取締役社長の西垣浩司氏は同日付けで代表取締役副会長に就任している。
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代表取締役社長の金杉明信氏 |
金杉氏は、「収益性は回復基調にあるが、財務体質の改善や年金資産、繰越税金資産などの問題に今後1年で目処をつける必要がある」と切り出し、2003年度の利益倍増と株主資本の増強、成長戦略の概要などを明らかにした。
内容をまとめると、業績回復の柱に
- SI(System Integrator)サービス事業の収益確保
- モバイル事業の一段の成長
- ブロードバンド事業の構造改革
- ノンコア事業の売却やアライアンス(他社との協業)化、および資産の圧縮
という4つを掲げ、“1000人規模の人員をSIやサービス/ソフトウェア事業にシフト”“2.5G/3G携帯端末の海外展開を含めたグローバル展開”“IT(情報技術)事業とネットワーク事業を統合し、市場からの声にいち早く応える体制作り”などの施策を具体的に紹介した。
特に体制については、従来のカンパニー制を廃して
- 国内営業事業ライン
- 業種営業事業ライン
- システム・サービス事業ライン
- ソフトウェア事業ライン
- コンピュータ事業ライン
- ブロードバンド事業ライン
- 社会インフラ事業ライン
- モバイル事業ライン
- パーソナルソリューション事業ライン
という9つの事業ラインと、それらを統括する“スタフ・R&D”部門に変更。特にブロードバンド関連事業については、複数の事業ラインをまたがる役員を設置してシナジー(相乗)効果を狙う、と説明している。
一方、事業の売却やアライアンスについては明言を避けたものの、記者からの質問に対して「例えば、液晶やPDPなどは他企業とのアライアンスを追求してもいい分野だと思っている」と答えた。
