シャープ(株)は17日、保存した動画や音楽データ、ファイルなどを遠隔地からアクセスできるホームサーバー『HG-01S』を発表、都内で記者説明会を開催した。2月15日に発売予定で、価格はオープンプライス。編集部による予想実売価格は10万円弱。
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ホームサーバー『HG-01S』 | HG-01Sの背面。各種端子はほぼ背面に集中している |
HG-01Sは、120GBの3.5インチHDDを内蔵、TVチューナー(VHF/UHFの地上波、およびCATV)とAV入出力端子を搭載し、IEEE802.11b対応の無線LAN、10/100BASE-TXの有線LANポートを標準装備して、TV放送やAV機器からの入力した映像や音声の録画/配信(ストリーミングサーバー)、ならびにウェブサーバー、ファイルサーバー機能を持つホームサーバー。動画記録はMPEG-2(ビットレート2~8Mbps)で保存し、ストリーミング配信時にはMPEG-4に変換/圧縮して出力する。録画時間は高画質モード(8Mbps)で約30時間、長時間モード(2Mbps)で約115時間となる。インターネット経由の電子番組表“ADAMS-EPG+”に対応し、パソコンや携帯電話、およびリモコンで直接本体メニュー(TVなどに出力)を操作しての録画予約が可能。ユーザーが頻繁に予約録画する番組については、共通する項目を抽出して、関連する番組を自動抽出する“おすすめ自動予約”機能を持つ。
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HG-01Sの使い方の一例として、液晶TVにウェブブラウザーの画面を出して放送中の番組に関連する情報をインターネットから探したり、無線LAN経由でパソコンからサーバー内の映像やデータファイルにアクセスするデモが行なわれた |
また、PPPoE(EthernetでPPP接続と同様のリンクを実現する仕組み、ADSL回線を通じてTCP/IPでの通信を実現するために利用される方式の1つ)、DHCPサーバー&クライアント(接続した機器にIPアドレスと自動的に割り当てる/割り振られる仕組み)、NAT/IPアドレス変換(プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスの自動変換)といったブロードバンドルーター機能も内蔵する。本体サイズは幅342×奥行き236×高さ85mm、重量は約3.3kg。OSにはLinuxを採用しているとのこと。
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代表取締役副社長の新本 孫宏氏(左)と、情報システム事業本部 開発プロジェクトチーム統括の中村 眞氏(右) | パソコンでHG-01Sにアクセスした場合、ウェブブラウザーから録画した映像の選択や各種操作を行なう | |
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TVでは大きなアイコンで各種機能が明示され、左下には現在放送中のTV画面が表示される | HG-01Sを中心として、家庭内でのパソコンとの関係や、外出先からの接続形態などを図示したもの |
説明会では、シャープの代表取締役副社長の新本 孫宏氏、パーソナルサーバーの開発にあたった情報システム事業本部 開発プロジェクトチーム統括の中村 眞氏らが壇上に立ち、製品の位置づけやデモを交えた具体的な利用法、メリットなどを紹介した。まず、新本氏が「この製品は“ユビキタス・アプライアンス”、すなわち“いつでも、どこでも、誰もが安心して簡単に情報を取り出すことができる専用機”の第1弾製品である。HG-01Sが家庭に入ることで、携帯電話やパソコン、PDAなどさまざまな形態で遠隔地からデータの取り出しやTVの録画予約が行なえるほか、TVそのものも情報端末となる。家庭におけるユビキタス・ネットワークの核となる製品と位置づけている」と話した。
次いで、中村氏がデモンストレーションを交えながら、製品の機能を詳しく紹介した。その中で使い勝手の向上とセキュリティー対策について、「従来の個人情報サービスの欠点として、IPアドレスが固定化されない(インターネットに接続するたびに異なるIPアドレスを割り当てられる)、家庭や個人の情報を安心してネットワーク上で運用できない(他人に盗み見られるのが心配)などがあった。これに対して、サーバー名を指定することで自動的にそのときのIPアドレスに変換、接続できる“DynamicDNSサービス”、および家庭内のネットワークに接続する際に個人認証を行なう“VPN(Virtual Private Network)”を利用することで解決した。また、著作権に配慮して、不特定多数のユーザーにファイルを公開できないよう、利用する際には事前に端末情報をサーバー側に登録することで発行される暗号鍵が必要となる。端末は最大5台登録可能となっている」などと説明した。
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HG-01Sのデモが終わったあとで、ユビキタスやインターネットの普及に関して造詣の深い、(株)インターネット戦略研究所の代表取締役会長の高橋 徹氏からスピーチがあった |
さらに、外出先から公衆無線LANサービスを利用してパソコンでアクセスし、録画した番組を見る、携帯電話でアクセスして録画予約を行なう、カメラ付き携帯電話(iショット、写メール)で撮影した画像にコメントを付けてメール送信することで、自動的にHTML形式のアルバムを作成/公開できる、家庭内において無線LAN経由で手元のノートパソコンから現在放送中のTV番組を見る/録画予約を行なう、などのデモも披露された。
