ソニーマーケティング(株)は18日、HDD搭載のオーディオシステム『CMT-L7HD』を国内で販売すると発表した。『CMT-L7HD』は、2002年8月に欧米で発売された製品で、国内ではECサイト“ソニースタイル”を通じて販売する。
『CMT-L7HD』 |
音楽CDの再生とそのHDDレコーディングに対応 |
左右のスピーカーは取り外し可能 |
『CMT-L7HD』は、音楽CDの再生とそのHDDレコーディングに対応したモデル。20GBのHDDを搭載し、ATRAC3形式(132kbps固定)で、音楽を最大2万曲(300時間以上)記録できる。2倍速で録音できるほか、新開発の“聞き録れMAS(Music Auto Strage)機能”によって音楽CDを再生しながら同時に録音することもできるという。HDDに録音した音楽は、
- “Search”:アーティスト名、曲名、アルバム名をキーワード検索して再生
- “Alubum Favorite”:気に入ったアルバム5枚までダイレクトに再生するよう設定できる
- “Play list”:曲のプログラム再生。複数のアルバムに対して設定できる
- “History”:最近聞いた曲を再生する
といった4つのモードで再生できる。
付属のリモコン。上部のパネルはアルミ製 | 上部パネルを開くと、QWERTY配列のキーボードが現れる |
アンプは、ソニー独自の“S-masterフルデジタルアンプ”を搭載する。入力はデジタル光入力端子×1、アナログ入力端子×1、出力はデジタル光出力端子×1、アナログ出力端子×1。FM/AMチューナーを搭載する。取り外し可能なスピーカーが2台付属し、サイズは本体が幅293×高さ246×奥行き131mm、スピーカーは幅149×高さ248×奥行き220mm。価格は8万9800円。販売台数限定の製品(台数非公表)で、18日より製品の購入希望者を対象にした“予約エントリー”を行なう。“予約エントリー”数が多かった場合には抽選を行なうほか、第2回、第3回の販売も検討するという。
「HDD搭載がどこまで評価してもらえるかがポイントになる」
編集部では、ソニー(株)のホームオーディオカンパニー商品企画部の瀬名俊介氏に、『CMT-L7HD』のマーケティング戦略について話を伺った。
ソニーのホームオーディオカンパニー商品企画部の瀬名俊介氏 |
『CMT-L7HD』を先行販売している欧米では、CDの価格が安く、音楽をMDに録音するという文化がもともとない。逆に“MD文化”が浸透している国内で、そういった商品を目当てに家電量販店に足を運ぶお客様に対し、HDDオーディオを横並びで紹介するのは妥当でないと思う。それよりも、ある程度パソコンの知識を持ち、HDD搭載のメリットを感じていただけるような“ソニースタイル”の読者に、周辺の情報を補いながら販売をするほうが現実的だと考えた。
ちなみに、欧米でも『CMT-L7HD』を扱っているリアルの店舗は、高級オーディオ機器などを扱う“アンテナショップ”など一部の店舗だけ。こちらも販路を限定している。
インターネットに接続するHDDオーディオの企画の有無について瀬名氏に伺ったところ、「まずはHDDステレオが市民権を得ていないので」と慎重な姿勢をとりつつも、特に否定はしなかった。『CMT-L7HD』で、“大人のためのHDDオーディオ”という市場を確立したいという。