高度な編集テクが簡単に
Photoshopユーザーも試す価値大
画面1 「Adobe Photoshop Elements 2.0」のメイン画面。 |
画像編集のプロの世界で圧倒的なシェアを持つ「Adobe Photoshopシリーズ」。そのエントリーバージョンとして位置づけられる「Adobe Photoshop Elements」(以下Elements)が、約1年ぶりにバージョンアップされた。前バージョンのElementsは、兄貴分であったPhotoshop 6.0の画像処理エンジンと基本機能を受け継ぎながら、ターゲット層を初級から中級ユーザーに絞った製品で、敷居が高いとされるPhotoshopの各種機能をファインチューニングしている点が評価され、一般ユーザーの間で人気も高かった。同様のコンセプトで開発された新バージョンのElements 2.0は、Photoshop 7.0のエンジンを使うことで、高度なレタッチがより簡単にできる機能を追加し、前バージョンで評価の高かった各種機能を強化しての登場となる。
画面2 明るさ、カラー、ピントなどの各種補正を、ひとつのダイアログボックスで完結させる「クイック補正ダイアログ」。プレビューを見ながらオプションを選ぶだけで進めることができる。 |
Elementsシリーズの大きな特徴は、各種コマンドを直感的にわかりやすくしたインターフェイスにある。Photoshopでは名称表記だけの「フィルタ」や「レイヤースタイル」などは、効果の内容が一目でわかるサムネイル表示になっているし、「ツールボックス」やいくつかのコマンドを選択すると、「ヒントパレット」に簡単な操作説明が表示される。また、「レシピパレット」を使えば、複雑で高度なテクニックが必要とされる画像編集も、表示される手順に沿って進めることができるし、繰り返すことでテクニックそのものを習得できる。Photoshop7.0と同様に高度なフォトレタッチ機能も追加されている。画面2の「クイック補正ダイアログ」では、従来だとひとつずつコマンドを実行して適用していった明るさ、色調、フォーカスなどの一連の補正処理を、一つのダイアログボックス内でカテゴリと補正方法を繰り返し選択するだけで進められる。原画と見比べながら補正していけるのでとてもわかりやすい。プロも含んで、多くのPhotoshopユーザーがその機能をきちんと使いこなせているとは思えないわけだが、Elementsはそうしたユーザーにできないような高度なテクニックがいとも簡単にできてしまう。
画面3 レシピパレットを使うと、手順に沿っていくだけで高度な画像編集ができる。細かな設定はレイヤーパレットのスタイル設定を開いて、微調整してやればいい。 |
例えば、画面3のようなレイヤースタイルを使ったテクニック。Photoshop7.0ではレイヤースタイルのダイアログでかなり詳細な設定を施さなければならない。また、5.0以前のバージョンではこうしたロゴデザインをするための本まで出ているほど。Elementsは本家Photoshopを購入する前のエントリーバージョンとも位置づけられているが、すでにPhotoshopを持っているユーザーも、一度Elementsでいろんな編集をしてみるといい。Elementsで編集したファイルはPhotoshopでもちゃんと読めるし、Photoshopでどうやったら効果的な編集ができるのかを学習できる。
画面4 ビデオフレームは、Windows Media PlayerやQuickTimeでサポートされているムービーから、任意のフレームだけをキャプチャできる機能。 |
今回もElementsでは「チャンネルパレット」が隠されて(省略されて)おり、RGB各色チャンネルを個別に使って範囲選択したり、演算コマンドでチャンネルとレイヤーを合成するような高度なテクニックは使えない。また、Eleme ntsの前身であるPhotoshop LEにはあったトーンカーブも、前バージョンと同様に外されている。もちろんCMYK画像の編集もできない。また、Photoshopで使うショートカットキーのうち、いくつかが使えないのも残念だ。それでも、デジタルカメラ写真を使ったWeb用画像作成ソフトとして必要な機能の多くを網羅し、操作性と柔軟性に富んだ優秀なフォトデザインソフトであることに間違いはない。
Photoshop Elements 2.0の主なスペック | |
製品名 | Photoshop Elements 2.0 |
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OS | Windows 98/Me/2000/XP Mac OS 9.1/9.2、Mac OS X v10.1.3~10.1.5(ハイブリッド版) |
CPU | PentiumIIIまたはPentium 4クラス PowerPC G3/G4、またはG4デュアルプロセッサ |
メモリ | 128MB以上 128MB以上(仮想メモリをオンにした状態) |
HDD | 350MB以上(仮想ディスクに別途大容量HDDを推奨) 400MB以上(仮想ディスクに別途大容量HDDを推奨) |
競合製品レビュー
アドビシステムズ「Adobe Photoshop Elements 2.0 日本語版」レビュー | アドビシステムズ「Adobe Photoshop 7 日本語版」レビュー | |
アドビシステムズ「Adobe Photoshop Elements」レビュー | P&A「Paint Shop Pro 7J」レビュー |