このページの本文へ

ユニークなファン回転機構を採用したCPUクーラーが登場!

2002年10月17日 23時22分更新

文● 水野

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
DCF-VA23 DCF-VP23

 一見、モーターがどこにもないようにも見えるユニークな回転機構のファンを採用したCPUクーラーがJustyから発売された。Socket370/A用の「DCF-VA23」とSocket478用の「DCF-VP23」の2種類で、製造元は台湾Vantec。さらに最大の特徴であるファンを見るとVantechのロゴのほかに台湾Y.S.Techの文字も見え、ファンはこちらで作られていると思われる。



軸が細い! 裏から
外枠の中にリニアモーターが Y.S.Tech製?
これまでのクーラーを見慣れた目にはまことに衝撃的な姿。金属の外枠にはコイルが内蔵され、羽根は外周が繋がり円形になっている

 今回登場したファンでは金属製のフレームの内側に電磁石のコイルが、羽根の周辺部に永久磁石が内蔵されており、双方合わせてあたかも円形のリニアモーターを構成している形。通常のモーターでは回転軸の回りに電磁石のコイルを形成し、その外側に永久磁石を配するというスタイルとなっているが、この双方を平面的に配置し、回転ではなく線運動をさせるのがリニアモーター。このファンでは“円形の線運動”でファンを回転させるという仕組みだ。
 結局のところ、ファンを回転させるということでは既存のファンと変わらないのだが、これまで羽根のど真ん中に居座らざるを得なかった円筒型のモーターが要らず、中心は棒1本の回転軸だけで良いことになる。これにより同じ直径でも羽根の面積が増やせ、同じ回転数なら風量がアップ、同じ風量なら回転数が落とせるという大きなメリットが見込める。



DCF-VA23底面 DCF-VP23底面
なかなか静か パッケージ
ヒートシンクもなかなかユニークな形状

 ファンのサイズは74(W)×74(D)×15(H)mmというやや変則的なもので、回転数は4500rpm、騒音値33dB。ヒートシンクは銅柱とアルミのハイブリッドで、サイズは「DCF-VA23」が69.8(W)×69.8(D)×40(H)mm、「DCF-VP23」が83(W)×69.3(D)×40(H)mm。価格はCUSTOMで「DCF-VA23」が4280円、「DCF-VP23」が4780円、コムサテライト1号店で「DCF-VA23」が3800円、「DCF-VP23」が4280円。「ファンだけ欲しい」という声もあがりそうだが、ファンのみの単体販売、また8cm角版ファンの販売も企画中とのこと。
 このクーラーおよびファンが実際どの程度の性能を発揮するかは実際に使用してみなければ解らない。だが理論上は一段上の性能のファンが作れる可能性が高いだけに、今後同種の機構のファンが他社から登場するのかどうか、またどの程度普及していくのか注目する価値は大いにありそうだ。



【関連記事】
【取材協力】

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

ASCII.jpメール アキバマガジン

クルマ情報byASCII

ピックアップ