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デジタルカメラの“基本のホ” CFメモリカードはどれが本当に早いのか?

デジタルカメラの“基本のホ” CFメモリカードはどれが本当に早いのか?

2002年07月13日 00時00分更新

文● アスキーPC Explorer編集部・行正 和義&山崎 敦

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JPEG記録や動画撮影での
CFカードのパフォーマンスの違い

グラフ4 JPEG画像の記録では、RAWデータの場合に比べ、CFカードの性能差はあまり目立たなくなる。圧縮率を上げ、画像処理にかかる時間を増やしデータサイズを小さくするとその傾向はより顕著になる。
 次にカメラによる画像処理の工程を増やした場合に、どれぐらいCFカードの性能差が表れるかを見るために、D1Hの画質モードを変更して書き込み速度を計測してみた。画質モードで「FINE」および「BASIC」を選択した場合のJPEGデータの書き込み速度(10コマ)をグラフ4に示す。JPEGはRAWデータに比べデータ量が減少するため、それぞれ10コマずつの記録時間を計測している。 FINE画質ではプリンストンテクノロジー、サンディスクの最近の製品、レキサーの10倍速以上のカードとそれ以外の製品ではっきりと性能差が表れる結果となった。ただし、より圧縮率が高くカメラの画像処理に要する時間が増える代わりにデータ量が少なくなるBASIC画質の記録では、CFカードの性能差が表れにくい結果となっている。



グラフ5 画素数が少ない普及価格帯のデジタルカメラであっても、動画記録を行う場合には書き込みが高速なCFカードを利用しないと、機能をフルに活用できない。ここでもサンディスクのウルトラコンパクトフラッシュとレキサー・メディア製品がほかのカードに差をつける結果となった。レキサー・メディアの8倍速および10倍速カードで300秒間記録できていない場合があるが、いずれもカードの容量がいっぱいになったためであり、データ転送速度は十分な値を実現していた。
 最後にDSC-MZ2での動画撮影によるCFカードの書き込み速度の違いを検証した結果をグラフ5に示す。DSC-MZ2ではCCDの負荷を抑えるため、容量が大きく十分な書き込み速度を持ったカードでも動画撮影は最大で5分間の制限があるが、データのCFカードへの転送速度が遅くカメラに内蔵するバッファメモリがいっぱいになってしまった場合は、その時点で撮影が強制的に終了してしまう。そのため、何秒間連続で動画記録ができるかが、CFカードのデータ転送能力の目安となる。ここでは画質(Fine/Normal)とフレームレート(15fps/30fps)を変えた3パターンの動画記録について検証してみた。なお、320×240ドット/Normal/15fpsの設定では、いずれのCFカードも十分なデータ転送速度が得られた。
 動画撮影では、サンディスクのウルトラコンパクトフラッシュとレキサー・メディアの全製品のみが、すべてのモードで十分なデータ転送速度が実現されていた。また、プリンストンテクノロジーとサンディスクの現行のノーマルタイプでは、320×240ドット/Fine/30fpsよりもビットレートが低い設定であれば必要な速度が得られていた。それ以外のカードではいずれも数十秒しか動画記録が行えない結果となった。

 以上から、300万画素程度のデジタルカメラを主に低画質モードで利用しているなら、CFカード選びにはそれほどこだわる必要はないと言える。しかし、500万画素クラスやそれ以上のデジタルカメラを高画質モードで利用するなら、使用するCFカードによって快適さが大きく違ってくる。また、画素数の少ないデジタルカメラであっても動画記録用途に利用するなら、書き込み速度の遅いCFカードではカメラの機能を満足に利用することさえ難しい。これらのことから、デジタルカメラを賢く使うためには、サンディスクのウルトラコンパクトディスクあるいはレキサー・メディアの10倍速以上のカードを選べば間違いないだろう。ただし、これらのCFカードはいずれも高価であり、例えば容量128MBのCFカードでは、安価なものは5000円程度から購入できるが、レキサー・メディアの10倍速タイプやサンディスクのウルトラコンパクトフラッシュでは1万円程度の出費となる。それでもあえてこれらの製品を選択することを強くお勧めする。



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