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Biz Express Focus “Ready for e-business”

2002年06月07日 14時00分更新

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 クラスキャットでは、低コストで構築できるeビジネスソリューションを開発、主に中小企業に向けて提供している。クラスキャットが提供するeビジネスソリューションには、大きく分けるとB2B用に販売モデルと購買モデルの2製品、B2C用にオンラインショップモデルの1製品をそろえている。

図1 ClassCat eビジネスWebアプリケーションファミリー

 各モデルは、入門・試験的運用に適したIntro、小規模なECサイトに適したStandard、本格的な中~大規模ECサイトに適したProfessionalという構成をとっており、eビジネスの実績に応じて段階的に運用形態を変えられる。

 Introでは、WebアプリケーションサーバにTomcat、データベースにPostgreSQLといったフリーソフトウェアを使用することで価格を抑え、Standard、Professionalと、より高い信頼性や拡張性を要求される製品では必要に応じてIBMのWebSphere、DB2などを用いている。OSとしてLinuxまたはWindows 2000を選択できる。

 eビジネスは、日本においてはまだスタート段階にあり、eビジネスによって何ができるのか、それによってどれほどの効果が見込めるのか、導入コストはいくらかかるのかということが具体的に把握しにくいという状況があった。

 クラスキャットでは、この点を考慮して各製品の機能と価格を明確に提示できる販売体制をとっている。クラスキャットが最初に想定したユーザーは、小規模企業(従業員50名以下)だという。製品は、小さな企業の販売効率や、購買手続きの省力化を可能にすべく開発されている。ところが、現在マーケットは、このような中小企業のユーザーにとどまらず、中堅、大手企業にまで広がっているという。また、商業高校やパソコンスクールでのeビジネス用教材としての使用例もあるという。

 これは、製品が低価格にもかかわらず、十分に信頼性と拡張性のあるシステムを構築できるからである。大企業で独自にECサイトを構築したら数億円かかるシステムを、クラスキャットの製品を使えば100万円程度で実現できるというメリットがあるのだ。

 また、システムの本格稼動は自社の独自システムにするにしても、そのシステムをどのように設計するかを、クラスキャットの製品を用いて具体的にECサイトを運営しながら模索するという試験運用システムとしての利用価値もある。

クラスキャット製品を用いた成功事例

画面1 備後ムラカミのホームページ(http://www.bingo-tatami.com/)
 畳の製造、卸、販売を手がけている株式会社備後ムラカミでは、同社の製品販売を最初楽天市場で行っていた。同社のオリジナル商品をB2Cで展開し、ネットを利用することで店舗などのコストを削減し利幅を稼げるという実感を得たものの、販売数量が十分に伸びないという問題があった。そこで、同社はeビジネスをB2B取引に展開し、すでに実績のある取引先との売買だけではなく新規取引先の募集も含めて卸事業において実現した。

 備後ムラカミでは、このB2Bシステムとして、クラスキャットの製品を用いたところ、スタート当初1カ月で新規顧客50社を獲得、営業2人分の利益を上げるに至ったという。

 従来、商品情報の確認や見積もりには、営業が電話やファックスで個別に対応しなければならなかったが、それらのサービスをECサイトに任せることで、顧客対応から開放される。空いた時間を新規顧客の獲得にまわして収益力を強化したのだ。



クラスキャットの今後の展開

 クラスキャットでは今後、SOHOや中小企業向けに低価格のECアプライアンスサーバの発売を予定している。サーバにIBMのxSeries 220を採用した製品で100万円前後で販売される。価格が安くても、その構築に時間がかかっては意味がない。あらかじめ基本ソフトとハードウェアをセットにしたECアプライアンスサーバはECサイトの迅速な構築に向いている。

 また、アプライアンスサーバに限らず、システムの見積もりだけならば、販売代理店に問い合わせれば数日で回答を得られるという。気軽に問い合わせてみるのもよいだろう。

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