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米トランスメタ、新CEO来日記者会見で日本市場重視戦略を表明、日本語サイトも開設

2002年05月30日 11時52分更新

文● 編集部 佐々木千之

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米トランスメタ社は29日、4月に就任したマシュー・ペリー(Matthew Perry)新社長兼CEOの来日記者会見を開催した。ペリー氏は日本市場重視の“ジャパン・ファースト(Japan First)”戦略を強化し、OEMパートナーとの協力関係をさらに発展させるなどと述べた。同戦略の一環として“渋谷”を中心に据えたマーケティングなど、日本独自の活動を行なうという。また、同社の日本語サイトを新たに開設したことも明らかにした。

ポータブルPCはもっと小さくなり、小さくなることでさらに普及する

ペリー氏は米トランスメタ入社前、米シーラス・ロジック社の副社長を務めていたほか、それ以前も米AMD社や米モトローラ社と半導体畑を歩いてきた人物。

マシュー・ペリー新社長兼CEO
マシュー・ペリー新社長兼CEO。かのペリー提督と同じ名前だがトランスメタのペリーですとジョークを交えて自己紹介した

ペリー氏は、かつて30ポンド(約13.6kg)もの重さがあったポータブルコンピューターが小型軽量化するとともに数を増やしているとし「今後はもっと小さくなって3.5ポンド(約1.6kg)以下になる。小さく、軽くなることでさらに普及が進む」と述べた。さらに「日本はモバイルコンピューターが最も普及している市場であり、“ジャパン・ファースト”戦略をさらに強化する」と述べ、ノートパソコンメーカートップ10社のうち7社が“Crusoe”を採用するなど、同社が最も成功している日本での地位を確実なものとし、世界戦略への橋頭堡にするという考えを明らかにした。

将来は3.5ポンド(約1.6kg)以下の“真のポータブル”PCが主流になるという
将来は3.5ポンド(約1.6kg)以下の“真のポータブル”PCが主流になるという

モバイルコンピューティングに関しては、小型化、軽量化のほか、ワイヤレス機能がトレンドとなっている述べた。ペリー氏自身、今回の来日ではアメリカの空港や成田エクスプレスの中でワイヤレスアクセスを快適に利用できたことを披露した。また、日本での成功例として、富士通(株)の『LOOX-T』やソニー(株)の『VAIO U』などを取り上げ、それらCrusoe搭載ノートが好調なセールスを記録していることを紹介した。

日本を含めたアジア太平洋地域のモバイルPCの売り上げは2001年以降、アメリカの売り上げを上回るという
日本を含めたアジア太平洋地域のモバイルPCの売り上げは2001年以降、アメリカの売り上げを上回るという
ペリー氏自身、ディッツェル氏とともに成田エクスプレスでワイヤレス接続を試したとのこと
ペリー氏自身、ディッツェル氏とともに成田エクスプレスでワイヤレス接続を試したとのこと

米トランスメタの事業全般に関しては「CEOに就任してからよく今後のことについて聞かれるが、これまでトランスメタがやってきたことを進めていく」と、低消費電力のx86互換プロセッサーに注力するという基本戦略に変更のないことを強調した。まだCrusoeの採用はノートがほとんどだが、今後は、Tablet PC、ウェアラブルPC、薄型・小型のデスクトップ、ブレードサーバー、ホームサーバー、インターネットアプライアンスなどへの採用が進むという。「こうした幅広い分野での利用には、x86互換であることが重要なポイントだ」としている。

Crusoeの搭載は、パソコンにとどまらずサーバーやインターネットアプライアンスへ広がると予想する
Crusoeの搭載は、パソコンにとどまらずサーバーやインターネットアプライアンスへ広がると予想する

ペリー氏はスピーチの最後に「社長兼CEOとして初めての会見に日本を選んだのは、顧客の多くが日本にいるからだ」と述べて、改めて日本市場重視であることをアピールした。

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