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米トランスメタ、新CEO来日記者会見で日本市場重視戦略を表明、日本語サイトも開設

2002年05月30日 11時52分更新

文● 編集部 佐々木千之

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4つの“1000”を目指す“Crusoe1000構想”を披露

ペリー氏に続いては、米トランスメタ創立者でCTO(最高技術責任者)兼マーケティング担当副社長のデヴィット・ディッツェル(David Ditzel)氏が登壇した。

米トランスメタ創立者でCTO(最高技術責任者)兼マーケティング担当副社長のデヴィット・ディッツェル氏米トランスメタ創立者でCTO(最高技術責任者)兼マーケティング担当副社長のデヴィット・ディッツェル氏

ディッツェル氏は、カシオ計算機(株)の業務用タブレットパソコン『FIVA MPC-701』や、米PaceBlade Technology社の『PaceBook』、台湾VIA Technologies社のウェアラブルコンピューターを紹介した。そして“次の大きな変化”として、米マイクロソフト社が今年遅くに発表する予定の『Windows XP Tablet Edition』について説明した。

発表会場に展示していた、米PaceBlade Technology社の『PaceBook』
発表会場に展示していた、米PaceBlade Technology社の『PaceBook』

Windows XP Tablet Editionは手書き認識など、ペン操作に対応しているうえ「以前もTablet型パソコンは存在したがそれらとは違う。今回は完全なWindows XP互換のOSを搭載しており、アプリケーションはそのまま動く」という。米トランスメタは2年間に渡って、Windows XP Tablet Editionの開発に関して米マイクロソフトに協力してきたとしている。「Tablet PCはすでに各社が開発を行なっており、今年後半(の米マイクロソフトの正式アナウンス後)に登場するだろう」と述べた。Tablet PCはCPUがCrusoeでなければならないものではないが、モバイルユースがメインということから、米トランスメタとして相当期待していることが見て取れた。

Windows XP Tablet Editionは今年後半に発表される予定という
Windows XP Tablet Editionは今年後半に発表される予定という。このマシンは台湾のFIC社が試作したものでTM5800を搭載している
ディッツェル氏が1年前に提示した“未来のワイヤレスモバイルコンピューター”
ディッツェル氏が1年前に提示した“未来のワイヤレスモバイルコンピューター”

ディッツェル氏は次に、2001年6月の“Crusoe Cyber Seminar 2001”で見せた“未来のワイヤレスモバイルコンピューター”のスライドを改めて紹介し「4つの新技術がこのトランスメタのビジョンを可能にした」と述べた。4つの新技術とは、(株)東芝の1.8インチ20GB HDD、IEEE 802.11b、セイコーエプソン(株)の3.8インチVGA(640×480ピクセル)液晶ディスプレーパネル、そしてCrusoe(TM5800)を指している。そして、4月に米国で開催された“WinHEC”で公開された米OQO社のウルトラパーソナルコンピューター『OQO』、および米IBM社の『Meta Pad』といったTM5800を搭載した超小型モバイルコンピューターを紹介した。

ディッツェル氏自ら、米OQOの超小型Windows XPパソコン『OQO』をデモ
ディッツェル氏自ら、米OQOの超小型Windows XPパソコン『OQO』をデモ
米IBMの『Meta Pad』はディスプレー分離型で、さまざまなデバイスに接続して利用できる
米IBMの『Meta Pad』はディスプレー分離型で、さまざまなデバイスに接続して利用できる。米IBM自身は販売せず、米国では米Antelope Technologies社が販売すると発表している

続いて2003年に投入予定という次世代Crusoe『TM6000』および『TM8000』についても説明した。TM6000はTM5800のコアに、メモリーコントローラー、I/Oコントローラー、グラフィックスコアなどを統合したプロセッサー。TM8000では、プロセッサーコアをこれまでの128bitから256bit構成に拡張して、処理性能を2~3.5倍にしつつ、消費電力は従来の46~67%に抑えているという。なお、256bit版Crusoeはこれまで“Next-Generation Crusoe 256bit VLIW”などと呼んでおり、TM8000という名称が初めて明かされた。

Crusoeのロードマップ
Crusoeのロードマップ
TM6000の概要
TM6000の概要
256bitコアとなるTM8000の特徴
256bitコアとなるTM8000の特徴

ディッツェル氏は最後に、新しい目標として4つの“1000”の実現を目指す“Crusoe1000構想”を披露した。4つの1000とは、価格、重さ、バッテリー動作時間、プロセッサー性能を示しており、価格1000ドル(約12万5000円)以下、重さ1000g以下、バッテリー動作時間1000分(約16.7時間)以上、プロセッサー動作性能1000MHz以上という性能の、Windows XPが動作してワイヤレス機能を持ったモバイルコンピューターを実現するというもの。

“Crusoe1000構想”
“Crusoe1000構想”

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