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プラネックスとオン・ザ・エッヂ、ネットワークアプライアンスサーバーの共同開発で事業提携

2002年05月17日 22時57分更新

文● 編集部 田口敏之

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プラネックスコミュニケーションズ(株)(以下プラネックス)とオン・ザ・エッヂ(株)は16日、都内に報道関係者らを集め、ネットワークアプライアンスサーバー製品群“DHシリーズ”の共同開発・製造・販売についての事業提携に合意したと発表した。また、DHシリーズの提供に先だって、両社はプラネックスで販売している普及版オールインワンサーバー『PLASMA 2000』を、共同開発により新機能を搭載するなど機能強化し、『PLASMA 3000』として6月中旬に発売する。価格は未定。

PLASMA 3000
PLASMA 3000

提携の目的は、セキュリティーや負荷分散などといった、企業からの需要が増えつつある技術を備えるインターネットアプライアンス製品を開発・製造し、他社製品よりも安価に、導入しやすい形で提供すること。このために、プラネックスの持つ各種ネットワーク機器の開発・製造および販売のノウハウと、オン・ザ・エッヂの持つインターネット機器の運用ノウハウ、およびウェブ制作事業におけるウェブアプリケーションの構築ノウハウを組み合わせ、インターネットアプライアンス“DHシリーズ”を開発し、提供する。マーケティングと販売は、プラネックスが行なう。両者間での売り上げの分配については、プラネックスからオン・ザ・エッヂへのロイヤリティーの形で行なうとしているが、詳細については未定。

DHシリーズ
DHシリーズ。写真はモックアップ

DHシリーズは、ユーザーに最適な機能と、ウェブブラウザーで一元管理できるインターフェースを備えており、各アプライアンス製品間の機能連携、およびプラネックスが販売しているネットワーク機器との機能連携が可能という。また、データセンターでの利用を考慮した1Uのラックマウント筐体で、リモートリセット機構などを備えるとしている。ラインアップは、以下の通り。

7月提供予定

  • ファイヤーウォール『DH-FW-1』
  • ロードバランサー『DH-LB-1』
  • キャッシュサーバー『DH-CC-1』
  • 監視サーバー『DH-W-1』

8月提供予定

  • 侵入検地装置『DH-IDS-1』
  • オールインワンサーバー『DH-ALL-1』

9月提供予定

  • ウイルススキャナー『SH-MGW-1』

製品の機能や、詳細なスペックについては、発表会の時点では公開していない。価格は、製品により30万円から80万円の予定。これらの製品を、オン・ザ・エッヂが運営しているデータセンターサービス“データホテル”にホスティングすることによって、ユーザー企業の運用コストの削減と、より安定したインフラでの運用を可能にするという。また、プラネックスでは今後、企業向けに“DHシリーズ”と各種ネットワーク機器とを連携させたシステムを販売していくとしている。両社は、初年度の売り上げ目標として、全機種累計で1000台を見込んでいる。

堀江貴文氏
オン・ザ・エッヂ代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)の堀江貴文氏「他社の製品は非常に高価で、設備投資がしにくい。誰が儲けているのだというような状況を是正したい」

発表会で、オン・ザ・エッヂ代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)の堀江貴文氏は「我々が運営している“データホテル”では、顧客のサーバーを預かるだけでなく、要望に応じてサードパーティー製のネットワーク製品を導入することがある。しかし、エンタープライズ用の製品は数100万円するものが多いので、コストを圧縮したいと考えている顧客には、我々がインターグレーションしたネットワーク機器を安価に提供してきた。これらの製品を、プラネックスの開発力、販売の能力を生かして提供する。イメージとしては、オン・ザ・エッヂが作っていたレース用のカスタムカーを、一般向けに安価に市販するというものに近い。これによって、データホテルを利用しているユーザーはもちろん、それ以外の方々にも、ベネフィットを享受してもらいたい」と語った。

また同氏は「我々も、以前からその価格に着目して、プラネックスの製品を利用してきた。というより、プラネックスの製品がなければ、事業を採算ベースに乗せることができない。他社の製品は非常に高価で、設備投資がしにくい。こういう状況だと、インターネットが普及しないし、ネットサービスを採算ベースに乗せることもできない。この、誰が儲けているのだというような状況を是正したい。我々が安価で導入しやすい製品を提供すれば、ネットワークサービス会社はコストの削減ができ、業績を伸ばすことができる。ひいては、業界の活性化につながっていくだろう」と述べた。

久保田克明氏
プラネックスコミュニケーションズの代表取締役である久保田克明氏「世界に通用するようなネットワーク機器をリリースしていきたい」

プラネックスの代表取締役である久保田克明氏は「インターネット利用の拡大によって、セキュリティーや負荷分散などといった技術への需要は年々増えてきている。加えてユーザー層が拡大したことにより、これらの技術はより容易に、かつ安価に提供されるべき時期にきていると思う。我々も、以前からオン・ザ・エッヂのデータホテルに注目していて、そこで顧客向けに提供している製品を導入して、大きな事業ができないかどうかと考えてきた。これまでリーズナブルというだけで押し通してきたが、もう一歩踏み出して、値段だけではない従来の機種を超えるプロダクトを提供していく」と語った。

加えて、同氏は「世界に通用するようなネットワーク機器をリリースしていきたい。海外の販売拠点を通して、日本以外にも販売を行なっていくつもり」とした。

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