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FinePix F601

FinePix F601

2002年04月12日 17時26分更新

文● アスキーPC Explorer編集部・行正 和義

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軽快な操作性とコンパクトなボディ

写真5 右側面にバッテリとスマートメディアのスロットがある。バッテリは新型の薄い直方体のものを使用する。USB端子は本体下部にあり、クレードル接続用端子と共用だ。
 4800Z/6800Zでも短い起動時間や連写性能といったレスポンスの良さが特徴であったが、F601もそれらの利点はそのままに、軽快な使い勝手に仕上がっている。電源ONから撮影可能になるまでは5秒以内と、沈胴式レンズが大きく伸張するにもかかわらずコンパクト機としては高速な部類に入る。連写モードではない通常の撮影時でも撮影間隔は約4秒程度と短く、画像再生やメニュー表示はクイックで待たされる感はほとんどない。

 6800Zと比べて本体サイズがいっそうコンパクトになったため、ホールド性があまり良くないのは残念だ。FinePix 1700Zのように前面のグリップ部にラバーがあればいくぶん改善されると思うが、背面のスティック状カーソル付近も親指を押し当てるところがなく、しっかりと握りしめるのは難しい。



撮影サンプル1(元画像は2048×1536ドット、掲載用に640×480ドットにリサイズ)。同シリーズらしく鮮やかな色合いとなる撮影結果。階調のとびは少なく、ハイライトからダーク部まで良好な階調表現となっている。

 撮影結果を見ると、同社のデジタルカメラらしいシャープな絵作りと記憶色を強調した発色により、メリハリの効いた目を引く絵となっている。ただし、画素補間である6Mモード(2832×2128ドット)では補間に起因するノイズが見受けられる。グラデーション部分に一定のパターンノイズが載るのは同社のハニカム補間画像特有の問題で、インクジェットプリンタでの印刷や簡単なレタッチでほとんど判別できなくなるのだが、どうしても気になる人は有効画素どおりの3Mモード(2048×1536ドット)を中心に利用するのが無難だ。

撮影サンプル2(元画像は2048×1536ドットと2832×2128ドットだが、掲載用に320×240ドットにリサイズとトリミングしている)。6Mモードと3Mモードの違い。6Mモードのほうが記録画素は大きいものの、ハニカム補間ならではのノイズが若干見受けられる。

 第三世代スーパーCCDハニカムの特徴である高感度撮影に関しては、ISO1600という感度ならば薄暗い場所でも手持ちで撮れるのは便利なのだが、撮影結果を見るとCCDノイズはやはり気になる。低感度(ISO160)でシャッター速度を長めにしたほうがノイズは少ないので、画質を気にするなら三脚を利用するなどしてスローシャッターで撮ったほうがいい。なお、F601のシャッター速度は最長3秒で、ダークフレームと合成する方式のCCDノイズリダクション機能を持たないため、星空を撮るような用途には向いていない。



撮影サンプル3(元画像はそれぞれ960×1280ドット、1536×2048ドット、掲載用に480×640ドットにリサイズ)。ISO160(右)とISO1600(左)の撮影結果。プログラムオートでシャッター速度はISO160は1/11秒、ISO1600は1/97秒となっているため露出は大きく違っていないが、ISO1600の画像はCCDノイズがかなり目立つ。

コンパクトカメラとしての
高い完成度が魅力

撮影サンプル4(元画像は1536×2048ドットだが、掲載用に480×640ドットにリサイズ)。強い逆光の下でも階調表現は良好で、ハイライトへの階調もきれいに出ているほか暗部のノイズも少ない。

 FinePixシリーズはハニカムCCDの補間による高画素記録が注目されているが、今回の第三世代スーパーCCDハニカムの大きな特徴である高感度撮影にしても、1つ1つの機能はそれほど魅力の大きなものではない。確かに補間処理や高感度化に伴うノイズは従来のデジタルカメラに比べれば少なくなっているかも知れないが、画質とのトレードオフであることは変わりないからだ。しかし、そういった要素を考慮しても、F601はコンパクトなボディとクイックな動作、強力な連写性能、ハニカムCCDによる良好な階調表現など、非常に高い完成度に仕上がっている。コンパクトなデジタルカメラの中で普段から持ち歩く1台を選ぶとするならば、かなり有力な候補の1つと言えるだろう。


FinePix F601の主なスペック
製品名 FinePix F601
撮像素子 1/1.7インチ有効310万画素ハニカム配列CCD
レンズ 光学3倍ズーム、f=8.3~24.9mm(35ミリフィルムカメラ換算36~108mm相当)、F2.8~4.5
記録媒体 スマートメディア
記録画素数 2832×2128(画素補間モード)/2048×1536/1280×960/640×480ドット
動画記録 640×480/320×240ドット(15フレーム/秒)、AVI形式
液晶モニタ 1.5インチ低温ポリシリコンTFT(約11万画素)
シャッター速度 3秒~1/2000秒
絞り F2.8/4.0/5.6/8.0(いずれも広角側)
インターフェイス USB(クレードル接続兼用)、DC入力
電源 専用リチウムイオン充電池
本体サイズ 72(W)×34(D)×93(H)mm
重量 約220g(本体のみ)/約250g(装備重量)

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