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Mebius MURAMASA PC-MT1-H3R

Mebius MURAMASA PC-MT1-H3R

2002年02月01日 23時39分更新

文● 別冊ASCII編集部・吉川 大郎

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キーピッチ,ストロークともに問題はない(キーピッチ18mm)。柔らかめの感触に対してどのような印象を持つかが,購入の決め手になるだろう。
 MURAMASAの評価を大きく分けるキーボードについて。このキーボードは,キーピッチ18mm,キーストローク3mmと,オールインワン系のノートPCと同等の数字となっている。その秘密が,冒頭でも書いたせり上がるキーボードで,キーストロークを稼ぐために,各キーがせり上がる構造になっているのだ。この構造は確かに話題を集めたし斬新なのだが,いざ購入を検討したときには単なる不安点となってしまう。店頭でもぜひキーボードを試打してほしいが,筆者の個人的な感想も書いておくので参考にしていただきたい。まず,MURAMASAのキーは,かなり柔らかい部類に入る。ほとんど力をかけずに打鍵することが可能だ。だがこれは善し悪しで,いわゆるマニアには受け入れられないタッチだろう。クリック感については,「プチプチ」とした感じだと言っておこう。柔らかい中にも,このプチプチした感触によって,「キーを押した」実感を得ることができる。しばらく打っていると指の感覚が慣れてき,軽快なリズムになってくる。



PageUp,PageDown,Home,Endも兼ねたカーソルキー。Fnキーが近くにあるので,デスクトップのHome,Endなどよりも使う頻度が上がるかもしれない。
 キー配置は,Enterが大きい点と,BackSpaceキーがEnterのすぐ上に来ており,小さいながらもアクセスしやすい点がプラスポイントだ。マイナスポイントとしては,Deleteキーが最右上段に配置されていてアクセスしにくいことが挙げられる。筆者はあまり気にならなかったのだが,スペースキー左右,特に右側の「変換」キーがほかのキーと今ひとつ差別化されていないので,押し間違いが起きる可能性はある。ほか,Fnキーがカーソルキー左に来ているのは好印象だ。Fnキーはソフトウェア的にほかのキーと入れ替えることができないので,このキーがキーボード左下に配置されている場合などは,ノートPCの入力方法を根本から変更しなければならないくらいのダメージがある。Escキーも,最左上段に配置されているのだが,それほど違和感は感じなかった。なぜなら,Escキーの下側にはブランクの空間があり,Escキーをほかのキーと隔離しているからだ。あてずっぽうに左上に指を伸ばせば,必ずといっていいほどEscキーを押せるだろう。

 そしてキーボードについてはもうひとつ。オプションバッテリを使わない場合は,手前への傾斜がほぼないのでちょっと打ちにくく感じる。オプションバッテリを装着すれば,多少前方にキーが傾くと思われるので,10時間の駆動時間が真剣にほしい方は,キーボードが傾斜する利点とあわせて購入を検討していただきたい。オプションバッテリである「大容量リチウムイオンバッテリーパック CE-BL18」の価格は希望小売価格で3万8000円。稼働時間が10時間に延びることからも,購入の第一候補に挙げておいてもよいだろう。

 一般的に,ノートPCのキーボードは堅いと褒められ,柔らかいと不評になるといった世間の傾向がある。これは,堅いとキーボードとしてよくて,柔らかいと悪いというわけではなく,一般的に堅いキーボードのほうがマニア層に好まれるということなのだ。そう考えると,MURAMASAのキーは,EscキーやBackSpaceキーなどの配置が考えられ,意外と直感的に操作できるはずなのに,その柔らかさのためにいたずらに不評を買う可能性はある。さらにMURAMASAは特殊な機構を持っているので,余計に奇異に見られてしまう。ここは色眼鏡で見るようなことはせずに,店頭にて徹底した試打を行なうのがベストだろう。



キー操作の時に誤って触れてしまう危険性はないが,本文にも書いたとおり,もうひと工夫ほしいところだ。
 ポインティングデバイスは,Synapticsのタッチパッドで,右隅をなぞればスクロールするなど,ジェスチャーでさまざまな動作をさせることが可能だ。キーボードでは「好みだ」と書いたが,このタッチパッドはチョット注文したい。ボタンが堅い箇所があるのだ。タッチパッドのボタンは,パッドに近い部分にヒンジがあるのだが,このヒンジ部分が一番押されやすい割りには一番堅い部分となっていて,どうにも押しにくいという現象が起こる。対策としては,やはりパッドを直接叩くクリックを常用するか,なるべくクリックボタンの下辺を押すような習慣を付けるしかなさそうだ。



薄いわりには及第点の
インターフェイス

各種ケーブル、カード類を本体に接続したところ。コネクタ位置は写真参照のこと。
 MURAMASAのインターフェイスは,本体向かって左側面に,手前からPCカードスロットとCFカードスロット,外部ディスプレイコネクタ(専用変換ケーブルを使用),ACアダプタ用コネクタが,向かって右側面にUSBポート×2とLANポート,モデムポートが並ぶ構成になっている。背面はバッテリのため,インターフェイスはない。CFカードスロットが奥にあるのは,今のご時世にはあっているかもしれない。なぜなら,現在日本中のCFカードスロットにもっとも多く挿さっているのは,P-inなどのPHS系カードだからだ。これらのカードは,常時挿しっぱなしにしておくため,もしCFカードが手前に配置されていたら邪魔で仕方がなかっただろう。左Shiftキーの横であれば,それほど邪魔にはならない。PCカードは,イジェクトスティックを押し込んで取り外すタイプで標準的だが,CFカードスロットは,底面にあるスイッチをスライドさせて押し出す方式をとっている。CF,PCカード両方とも,なにも挿入していないときはダミーを入れておくようになっている。コスト面諸々があるだろうが,ここはできればフタにしてほしかった。ダミーだと,やはりなくしてしまう可能性が高いからだ。右側面に関しては特筆する点はない。USBコネクタも1cm近く離れているので干渉しないし,マイクとヘッドフォンがアクセスしやすい手前に配置されているのも,多くのノートPCと同じ構成だ。インジケータはタッチパッド手前にACアダプタ,バッテリ,ハードディスク,CapsLock,Namlock,ScrLockのインジケータが並ぶ。全部発光色が緑色なのが少しさびしいが,実用面で見ると分かりやすい位置にあることと,発光量が十分なので,マイナスポイントにはならない。



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