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インテル“Centrinoモバイルテクノロジ”の登場でモバイル指向のノートPCが増える一方、ノートPCをデスクトップの代用として、あるいはセカンドマシンとして購入するユーザーも増えている。外に持ち出さないノート、いわゆる「デスクノート」という位置づけだ。デスクノートは小型軽量の制約から放たれることによって、高性能と低価格の両立が可能になり(モバイルノートより価格面で有利)、しかもモニタを別置きにするブックタイプのデスクトップPCよりはるかに省スペースで、家の中で自由に持ち運べるというメリットがある。携行時の重さをさほど考慮する必要がないので、HDD/FDD/光学メディアドライブの3スピンドル仕様で使い勝手に優れ、大きなボディによる排熱処理のゆとりから、高速なCPUやビデオチップを採用できる。
デスクトップ向けの
CPUとチップセットを採用
シャープの直販サイト「SHARP PC ONLiNE」オリジナルモデルで、スクウェア・エニックスのMMORPG「FINAL FANTASY XI」を同梱し、さらにゲームパッドも標準添付しているエンタテインメント仕様の「PC-RD1-FF」は、A4デスクノートという特性を最大限に活かしたマシンデザインに仕上がっている。
まず第1に、心臓部にはモバイル向けのCPUとチップセットではなく、デスクトップ向けのPentium 4-2.26MHzとSiS 645DXを搭載している。現在、モバイルノート向けCPUのMobile Pentium 4-Mは2.4GHzまでがリリースされているものの、FSBは依然400MHzのままで、動作クロックの低いPentium-M(Baniasコア)と比べると一部アプリケーションではパフォーマンスが劣るというベンチ結果をIntel自身が公表している。また、Mobile Pentium 4-Mと組み合わされるチップセットはi845MPが多いが、i845MPに接続されるICH3-M(いわゆるSouthBridge)はUSB 2.0をサポートしていない。USB 2.0をサポートしたi852GMも登場してはいるが、こちらはビデオ機能内蔵タイプのため、描画性能を重視したPC設計には都合が悪い。その点、デスクトップ向けのCPUとチップセットであれば、FSBの上限もUSBの制約も一挙に解決する。消費電力や発熱量、ボディの薄さなどを最優先するモバイルノートでは、こうはいかないだろう。
写真3、4 左側面にはPCカードTypeII、FDD、IEEE1394、マイク入力、ヘッドフォン兼光デジタル出力、USB 2.0×2といったインターフェイスがびっしりと揃い、右側面は逆にCD-RW&DVD-ROMコンボドライブだけとシンプル。なお、DVD MULTIドライブの左からバッテリを抜き出すことができる。 |
従来モデルより約1.67倍明るくなったという15インチ液晶も、デスクノートゆえに改良されたポイントだ。消費電力の制限が厳しいモバイルノートでは、まっさきに液晶のバックライトが犠牲になる。液晶パネル自体の高輝度化、高コントラスト化が進んだために気がつきにくいところだが、デスクトップ向けの液晶と比べるとノートPCは色再現性でどうしても敵わない。しかし、PC-RD1-FFは消費電力が大きくなることを承知で明るさをデスクトップ用液晶並みに高め、鮮やかな表示能力を確保した。さらに、より鮮鋭さを増す「ブライトブーストボタン」を装備し、DVD観賞時などに威力を発揮する。唯一惜しまれるのは表示解像度で、15インチとノートPCでは大きなパネルを採用していながら、最大1024×768ドットの表示にとどまっている。15インチ液晶を搭載するノートの中には1600×1200ドット表示という製品もあり、ここまでとは言わないまでも、1280×1024~1400×1050ドットは欲しかったところだ。