コンピュータ・アソシエイツ(株)(以下CAJ)は11日、東京・新宿の同社オフィスに報道関係者を集め、日本市場に投入しているソフトウェア製品群の全体像と、今後の方向性を示す製品戦略“3×6ストラテジーと7つのブランド”などについての説明会を開催した。
同社は、顧客やパートナーに、同社が提供しているソフトウェア製品群を理解してもらうために、約1200ある製品の統合に着手したという。その第一段階として、2001年1月には、“3×6ストラテジー”という企業戦略を提示し、7月には全製品を4つのブランドに分類・統合した。そして11月には、顧客やパートナーが、それぞれの要件に適した製品を適正に選択できるようにするために、新しいブランドを3つ加え、企業戦略を“3×6ストラテジーと7つのブランド”とした。“3×6ストラテジー”とは、“3つの戦略的カテゴリーと6つのコア・ソリューション”の略であるという。
3つの戦略的カテゴリーとは以下の通り。まずeビジネスの土台となるデータベースやセキュリティーなど、インフラの部分を構築・管理する“eビジネス・インフラストラクチャ・マネジメント”。また、eビジネスに必要な情報を集中管理し、新しいビジネスチャンスに利用する“eビジネス・インフォメーション・マネジメント”。そして、企業内および企業間をまたがるビジネスプロセスやビジネスアプリケーションをシームレスに管理する“eビジネス・プロセス・マネジメント”となっている。
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6つのコア・ソリューション |
これらのカテゴリーに基づいて、同社はeビジネスにとって最もニーズの高い“6つの重要な分野(コア・ソリューション)”に注力しているという。これは、“ストレージ”、“エンタープライズ・マネジメント”、“セキュリティー”、“データ管理とアプリケーション開発”、“アプリケーション・ライフサイクル管理”、“ポータルとビジネス・インテリジェンス”の6つで、最初の3つは“インフラストラクチャ・マネジメント”に、後の3つは“インフォメーション・マネジメント”を支える要素として、それぞれ分類される。
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7つのブランド |
そして、これら6つの重要な分野に沿って、同社は製品群を“7つのブランド”に統合している。製品イメージも7種類に統一したという。“ブランド”とは、ソフトウェア製品群それぞれの総称であり、製品名の上位につく名前となっている。7つのブランドは“BrightStor”、“Unicenter”、“eTrust”、“Advantage”、“Jasmine”、“AllFusion”、“CleverPath”によって構成されている。
“BrightStor”
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“Brightstar”のブランドマップ |
“BrightStor(ブライトストアー)”は“ストレージ”に属するブランドで、複数のプラットフォームのストレージをカバーするソフトウェア製品群。バックアップやリカバリー、データ運用性の向上や、複数のプラットフォーム下のストレージをまとめて管理することなどが行なえる。主な製品として、クロスプラットフォーム環境において、バックアップなどのデータ保護を行なうソフト『BrightStor Enterprise Backup』などがある。
“Unicenter”
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“Unicenter”のブランドマップ |
“Unicenter(ユニセンター)は“エンタープライズ・マネジメント”に属するブランドで、さまざまな環境におけるインフラストラクチャーとアプリケーションを管理するソフトウェア群。主な製品として、各種のAgentやOptionを利用して、あらゆる角度からeビジネスのインフラストラクチャーを一元管理するソフト『Unicenter』などがある。
“eTrust”
“eTrust”は“セキュリティー”に属するブランドで、インターネットからの脅威に対する対抗、ユーザー認証とプライバシー保護、および企業内のセキュリティー管理を行なうソフトウェア製品群。主な製品としては、ユーザーIDを管理し、シングルサインオンを可能にするソフト『eTrust Single Sign-On』と、ホストサーバーのプロテクションを行なうセキュリティー管理ソフト“eTrust Access Control”などがある。
“Advantage”と“Jasmine”
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“Advantage”のブランドマップ |
“Advantage(アドバンテージ)”と“Jasmine(ジャスミン)”は、“データ管理とアプリケーション開発”に属するブランド。“Advantageが、アプリケーション開発、統合、データベース管理、メタデータ管理などを行なうソフトウェア製品群”で、“Jasmine”はアプリケーション開発に必要なオブジェクト指向データベースを管理するソフトウェア製品群。主な製品としては、EJBエンタープライズ開発環境を提供するソフト『Advantage Joe』や、メタデータを一元的に管理するソフト『Advantage Repository』などがある。
“AllFusion”
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“AllFusion”のブランドマップ |
“AllFusion(オールフュージョン)”は、“アプリケーション・ライフサイクル管理”に属するブランドで、設計からテストまで、アプリケーション開発工程全体の管理を行なうソフトウェア製品群。主な製品に、データ、プロセス、コンポーネントのモデリングを行なえるソフトウェアスイート『AllFusion Erwin Modeling Suite』などがある。
“CleverPath”
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“CleverPath”のブランドマップ |
“CleverPath(クレバーパス)”は、“ポータルとビジネス・インテリジェンス”に属するブランドで、ポータル構築ソフトウェアや、データソースからの予測分析、ビジネス・インテリジェンスおよびレポーティングなどを行なえるソフトウェア群。主な製品に、情報の整理、統合、パーソナライズを行なうためのツール『ClverPath Portal』、ビジネスルールを管理し、アプリケーションに組み込めるビジネスルールエンジン『CleverPath Aion』などがある。
“iCan Provider Suite”
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『iCan Provider Suite』を構成する6つのコンポーネント |
また同社は、サービスプロバイダー向けのサービスマネジメントソフト『iCan Provider Suite(アイキャンプロバイダースイート)』についても説明を行なった。これは、米コンピュータ・アソシエイツ・インターナショナル社の子会社である米iCan SP社が開発したもの。日本ではCAJが販売を行なっており、2001年の9月に日本語版を発売している。
ホスティングサービスを行なうサービスプロバイダーや、大企業やグループ会社などの企業内でサービス管理を行なうIT部門(ICSP:企業内サービスプロバイダー)向けのサービスマネジメントスイート製品で、『iCan View』、『iCan Meter』、『iCan Assure』、『iCan Bill』、『iCan Provision』といったコンポーネントで構成されている。
「2002年はパートナーとやれるビジネスを」
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同社代表取締役の三ツ森隆司氏 |
同社代表取締役の三ツ森隆司氏は、2001年の総括と2002年度の展望について「もともとの売り上げの規模が大きくなかったこともあって、これまでは大きなビジネスができていたが、昨年はゆるやかな成長に終わっている。チャネルのビジネスをやっていく土台ができて、売り上げが伸びたのが2001年のハイライトだった。今年はそれに合わせて、パートナーとやれるビジネスをもう少し広げていきたい」と語っている。
