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IDT-LF2

IDT-LF2

2001年12月28日 11時05分更新

文● アスキーPC Explorer編集部・山崎 敦

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液晶テレビとしての
画質向上が今後の課題

WebブラウザはHTML3.2(およびHTML4.0の一部)に対応し、JavaScriptやFlash Ver.5.0もサポートする「NetFront」をカスタマイズして搭載。子画面(右下)でTVを表示しながらのWebブラウズも可能だ。
 IDT-LF2のインターネットアクセス機能だが、WebブラウザはACCESSの組み込み用ブラウザ「NetFront」をカスタマイズして搭載し、HTML3.2(およびHTML4.0の一部)に対応するほか、JavaScriptやFlash Ver.5.0をサポートしており、多くのWebページを問題なく表示できた。ただしオーディオやビデオのストリーミング再生には対応せず、アクセスしてきたユーザーエージェントによって表示するソースを変えているような一部のWebページでは、「Internet ExplorerなりNetscape Navigatorでアクセスしろ」とのメッセージが表示されてページをブラウズできない場面もあった。



アルバム機能ではテレビ画面のキャプチャ画像やメモリースティックに保存されている画像を表示できるほか、お絵かき機能も持っている。このように白地に絵を描いたりする以外に、表示した画像の上にメモを書き加えることも可能。「インデックス」ボタンを押すと、テレビのチャンネルをダイレクトに切り替えたり、Webブラウザやメールソフトを呼び出せるインデックス画面が表示される。一番下に並ぶアイコンはショートカットのようにタッチするだけでそのWebページを表示できる「サービスチャネル」。対応Webページでダウンロードして追加できる。

 メールソフトはPOP3とSMTPに対応したエアボードオリジナルを採用しており、MIME形式でのファイル添付にも対応している。メールを送信する場合は、メモリースティック内の画像や手書きメモ機能で作成した画像(JPEG)、テレビ画面のキャプチャ画像(JPEG)やWebページに含まれる画像などを添付可能だ。受信の場合は、GIF、JPEG、BMP、PNG、MPEG1といったIDT-LF2のアルバム機能で閲覧可能なファイル形式の画像なら、モニタに内蔵した8MBのメモリ領域に保存して表示することができる。これら以外の未対応のファイルが添付されていた場合は、本文は閲覧できるが添付ファイルの保存は行えず、PCに転送すると表示できる旨のメッセージが表示される。

IDT-LF2は、日本語変換機能に「ATOK for airboard」を採用するので口語体でも誤変換は少なく、予測入力機能も装備するためソフトキーボードでも快適に日本語を入力できる。必要があればPS/2キーボードを利用することも可能だ。
 メールの作成ではタッチパネルによるソフトウェアキーボードを利用する。日本語変換機能は「ATOK for airboard」を新たに搭載し、口語などでも誤変換の少ない快適な日本語入力が行える。また、従来からの予測入力機能「POBox」も引き続き採用しており、例えば「おは」と入力すれば「おはよう」「お話」「叔母」「お花」などが予測候補として一覧表示されるので目的の単語を選択すればいい。これによりタッチパネルでも効率よい日本語入力が可能だ。URLの入力でも「http://」や「www.」「.com」などの頻出する文字列はソフトキーボードからワンタッチで入力できるほか「インターネットナンバー」に対応するので、「asahi.com」(33)や「ヨミウリ・オンライン」(43)、「毎日インタラクティブ」(012)など、インターネットナンバーが利用できるWebページならURLの代わりにWebページに割り当てられた数字を入力するだけで簡単にアクセスできる。モニタ部にはPS/2端子を装備しており、PC用キーボードを接続することもできる。ソフトウェアキーボードの操作性が良好であるとはいえ、キーボードに慣れているユーザーなら外付けキーボードを利用したほうが文字の入力はより効率的だろう。



液晶画面の右側フレーム部分にはインデックス画面を呼び出すためのボタンやチャンネルを切り替えボタンを備える。両手でモニタを持ったときに自然に親指で押せる位置に配置されている。
 エアボードを実際に使ってみた印象は、まずモニタ部がズシリと重いということを強く感じた。前モデルではバッテリ込みで約1.5kgだったのに対し、IDT-LF2では液晶パネルのサイズアップもあって、バッテリ込みで約2.1kgへと大幅に重量が増加しており、長時間手で支えて見るのは無理だろう。幸いモニタは自立できるよう背面にスタンドがあるので、適当なところに運んで立てればよい。バッテリでの駆動時間だが液晶のバックライトを一番暗くした状態でテレビ番組を試聴した場合、約2時間10分で「もうすぐバッテリーが切れます。充電してください。」のメッセージが表示され、その1分後に電源が切れた。屋外など、バックライトの輝度を上げなければならない状態であればバッテリ駆動時間がより短くなると思われるが、暗い屋内であれば2時間程度の映画を見ることができるだろう。電源にアクセスできる場所であれば、付属のクレードル(充電台)を利用したり、直接モニタにACアダプタを接続してバッテリの駆動時間を気にすることなく利用することも可能だ。

 前モデルから画質の改善が図られなかったのは残念だが、無線LANのアクセスポイント機能やプリンタの接続機能を新たに搭載し、PCも接続できるネットワークアクセスのベースステーションへと進化したIDT-LF2は、単なるワイヤレスインターネットテレビだけでなくPCの周辺機器としても魅力がある。価格はオープンプライスで実売価格は13万円前後と予想され、液晶テレビと無線LANアクセスポイントの値段としては高価だが、レイアウトフリーでインターネットテレビを楽しみたいと考えるなら検討してみる価値はある製品だ。


IDT-LF2の主なスペック
製品名 IDT-LF2
画面 12.1インチTFT液晶
解像度 800×600ドット
入出力端子 モデム、Ethernet、AVマウス、ビデオ入力×2、ビデオ出力、USB×2、アンテナ入力、ヘッドフォン、PS/2、メモリースティック
サイズ ベースステーション:260(W)×170(D)×130(H)mm/モニタ:368(W)×52(D)×242(H)mm
重量 ベースステーション:約1.2kg/モニタ:約2.1kg

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