このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

一太郎12

一太郎12

2001年12月22日 05時56分更新

文● culi

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ワークシート、表枠など
従来機能の使い勝手も改善

同じ文書中の2枚のワークシートを左右に並べて表示。一見普通の並列ウィンドウ表示に見えるが、下のシートタブがひとつの文書であることを示している。
 従来からのユーザーにはおなじみの「一太郎ワークシート」は、Excelのワークシートと同様に、複数の文書を1ファイルにまとめて保存できる機能だ。各シートは一太郎文書である必要はなく、ほかのアプリのデータでもかまわないという点は面白い。例えば、企業の正規文書がWordになっている場合、使い慣れた一太郎で作成した文書を第1のシートに、同内容のWord文書を第2のシートに添付して一括保管するとか、作成した文書に関係のある別アプリのデータをシートにまとめて保管することができる。一太郎12では、文書内の複数のシートを左右または上下に並べて表示できるようになった。

 また、ワークシートの1枚を背景シートとして透過、重ね合わせることが可能だ。例えば、背景シートに共通する罫線を設定しておけば、個々のワークシートにいちいち罫線を引かなくても同じフォーマットの罫線付文書を作成できる、という具合だ。



表枠作成ツール。セルの幅なども文書中に反映される。一太郎では罫線ベースの表作成機能を使い、そこに表計算ソフトのデータを貼り付けることも可能。
 罫線付き文書を作るのに便利なのが、一太郎11から追加されている「表枠作成ツール」だが、このツールに待望の計算機能が追加された。これまで表だけはExcelで計算し、そのシートを文書中に埋め込んでいたという人も多いだろうが、一太郎12であれば、合計、平均値、四捨五入/切り捨て/切り上げなど基本的な計算について、この表枠作成ツールを表計算ソフトと同じ感覚で使用できる。

 そのほか、文書を外部に公開するときに伏せておきたい情報をあからじめ指定しておき、実際の公開時にはマスキングを実行するだけで塗りつぶすことができる「マスキング」機能や、一太郎文書に貼り付けた画像を自由に回転・反転させられるなど、細かな機能の改善もはかられている。



作業の効率をアップする新機能

一太郎プロンプト。これを覚えておけば、少なくとも一太郎上で文字列操作や関数演算など、一通りの作業ができるようになる。
 一太郎にもマクロ機能はあるが、普通のビジネスユーザーにとってマクロは敷居が高い。とはいえ、煩雑な操作や頻繁に繰り返す操作などは自動化できれば便利だ。
 そこで用意された新機能が「一太郎プロンプト」だ。カーソル位置から「Ctrl+スペース」キーを押すことで入力ウィンドウが起動され、すぐ下に開くコマンドヘルプを参照しながらスクリプトを入力し、キーやツールボックス、ライブラリに登録して実行できる。



環境ファイルのエクスポート設定ダイアログ。具体的にどのあたりの設定をファイルに出力するか指定できる。
 複数のPC間で文書フォーマットを統一したいときはテンプレートを用意するものだが、一太郎12ではこれに加えてアプリの細かい設定値を記録した「環境ファイル」を出力できるようになっている。あるPCの設定を環境ファイルにしてインターネットディスクや社内LAN上に置いておけば、自宅と会社の一太郎の設定を共通にしたり、社内の全ユーザーの書式を統一することが簡単にできる。ユーザーによってはアプリの設定を大幅にカスタマイズして使っている人も多いので、直接操作するのが危険なレジストリに記録されたWindowsアプリの設定を外部ファイル化できる機能は非常にありがたい(今までこれがなかったのが不思議くらいではある)。

 一太郎12ユーザー向けに無償提供されるインターネットディスクは50MB。インターネットディスク自体の使い勝手も向上しており、ローカルHDDのフォルダと同期させる使い方に加え、インターネットディスク上のファイルをWebブラウザで直接操作できるようになった。携帯電話から直接、アップしてあるファイルやフォルダのURLをメールで送信することも可能だ。PCのない外出先でも、相手に携帯でURLを知らせておけばファイルを渡す手配ができる。

 冒頭に書いたように、一太郎が進んでいるのはもはや「最強のワープロ」への道ではない。むしろ「最強の知的生産環境」に勝機を見いだそうとしているようだ。そして、それはユーザーにとっても好ましい方向性であるように思われる。


一太郎12の主なスペック
製品名 一太郎12
対応OS Windows 98/Me/NT 4.0+SP6a/2000+SP2/XP
HDD 145MB以上
価格 2万円(製品版)、9800円(キャンペーン版、12万本限定)、8000円(バージョンアップ版/キャンパスキット)

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン