(株)エヌ・ティ・ティ・データは29日、インテル(株)および日本SGI(株)の協力により、分散コンピューティング技術を利用して多数のパソコンに1台のスーパーコンピューターのような処理を行なわせる“cell computing(セル コンピューティング)”サービスの事業化を検討すると発表した。
これは、バイオ、物理計算、設計、金融工学、CGのレンダリングなどの分野のユーザーに安価にCPUのパフォーマンスを提供し、それによる収益に合わせてCPUパフォーマンスを提供したパソコンユーザーに利益を還元するネットワークサービス。分散コンピューティングを採用することで、スーパーコンピューターの数分の1のコストでスーパーコンピューターを超える処理能力が得られる、専用ハードウェアの設置空間が不要、市場のパソコンのCPUの処理能力に合わせて全体の処理能力が向上する、といったメリットがあるという。処理速度は、100万台超のパソコンを接続した場合、現在最高速と言われているスーパーコンピューターの5倍以上の処理性能が得られると想定しているという。
同社では、事業化の1つとして、平成14年度(2002年度)上半期から6ヵ月程度の期間で、インターネットにブロードバンド接続した100万台規模のパソコンの参加を目標とした実証実験を予定しており、それについての検討も行なう。
ちなみに、このサービスは、超多数の細胞が集まって1人の人間になるように、超多数のパソコンが集まって1つの仮想的なスーパーコンピューターになる分散コンピューティング技術の特徴から、“cell(セル:細胞) computing”と名付けたという。